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30/30

ep.30 それぞれの可愛さ

 翌日の放課後、部室で立川と高木はレポートの作成を行っていた。

 立川がたたくキーボードの音がふいに止まった。


「なあ、高木くん」


「どうしたん?」


「男の人からみて、あずさって可愛くて魅力的やんか」


 高木もキーボードをたたく手を止める。

「片桐さん?そうやな、綺麗な人ではあると思う」


「なんで、私は魅力ないんやろうか?」


 ・・・・・・


「立川さんは立川さんの魅力があって、可愛いと思うで」


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 少し間があってから、立川は訊いた。

「私のどこが可愛い?」


「どこがか・・・」


 高木は立ち上がると、立川の近くによる。

 立川は思わず赤面し、少しのけ反った。


 高木は、立川の頭にそっと手をのせると髪をくしゃくしゃとした。

「え?」

 立川は驚いて呆然とした。


「て、したくなる可愛さがあるで」


「髪くしゃくしゃにしたくなる可愛さ?」


「そう。

 って、急にごめんな、立川さん」


 立川は首を二回振った。

「くしゃくしゃ悪くない、もっとして」


「じゃあ」

 高木は、立川公佳のクセのある髪をくしゃくしゃにした。

 二人は小さく笑った。


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