ep.29 恋したいな~
村中と野田は、学校の食堂で定食を向き合って食べていた。
「村中、最近、坂下君とはどない?」
「どないって?
まあ、一緒に遊びに行ったり、図書室で勉強したりと清らかな交際をしてるけど」
「キスくらいはしたん?」
「そ、そんなん、してへんって」
「えらい清らかやな。
でもいいな~、私はしばらく恋してないな~」
「野田やったら、その気になればすぐに相手見つかるんとちゃう?」
「う~ん、私ってば、男を見る目がないから、クズばっかり引いちゃうんよね~。
いや、ここまで来るとクズな男が好きなのかもしれない」
「どんな好みやねん」
「村中の坂下君は、あたりやな~
ちょっと無口やけど、見た目も悪くないし、勉強出来て性格はまじめ。
逆に言うと、よく村中で引き当てたな~」
「う、うるさい。
私にだって、少しは乙女の魅力があるんや」
「あ~あ、私も恋したいな~。
ええ人おらんかな~」
「ええ男やったらここにおるで」
隣にカレーを持った男が座る。
「えっ。
なんや渡辺か~」
「なんやはないやろ~」
放課後、村中は坂下と下校していた。
学校から少し離れたところで、村中は坂下と腕を組んだ。
「坂下君、以前に付き合うことが良く分からへんって言ったけど、少しは分かった?」
「そうやな、村中さんと過ごす時間は、楽しい。
その時間を失いたくない、そういうことなんかなと今は理解してる」
「私といると楽しいんや。
私もやで、ありがとう。
今日は一緒に図書館行って勉強しよ」
下校途中、少し離れた場所から立川公佳はその光景を見ていた。




