長男は4月
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それから二年後、長男を出産です。
姉妹二人を相手するだけでヘロヘロになっていた私は、またも母子手帳に『太りすぎ』の赤ハンコを押されてしまいました……
長女の時にパツパツで、次女の時にはユルかった妊婦服がまたもパツパツに(笑)
旦那の方針でうちにベビーカーはありません。
旦那が仕事に行っている日中、オムツが日替り特価で安ければ買い物に行かねばなりませぬ。お店では二人を両手に繋いでいなければならず、買い物どころじゃない。一つのカートに無理矢理二人を乗せ、危ないけれどヤッターマンのような事もしました。遊んでる気分の内に買い物をすませます。
大人しい姉妹ではありましたが、それでもしんどかったのでますます出不精に。
それでも車で20分の実家には行ってました。母が元保母だったので、頼りまくりです。
子供二人と昼ごはんを丸投げです。……残念な娘の私……お母さんごめんねありがとう!
今回も太りすぎと弱貧血以外は全くの健康体。
しかし、お腹の出具合が、形が二人の時と違うのです。
娘たちの時は私のお腹は脇腹まで膨らんだ感じでしたが、息子は脇よりも前に出ばっていました。表現は極端ですが、私からは尖って見えます。
性別がまだ確定しない時期、男の子ならお母さんの顔がキツくなるとか、お腹が尖るとかで男の子だと分かると聞きました。
尖るって、ほんとだった!
そしてさすが男の子。腹の中での蹴りが娘たちと比べ物にならないくらいに痛い!
何の恨みがあるのかと思ったほどです(笑)
いつもの産院で産むとはいえ、今度は娘二人を見てもらわなければなりません。予定日の2週間前に私と娘たちは実家に引っ越しです。
姑たちは仕事をしていたので、昼間は家にいません。
実家は兼業農家なので、基本的には家には誰かがいます。入り浸っていたので娘たちも懐いています。私がいなくても泣きません(笑)
しかし、リラックスし過ぎたのがいけなかったのか、予定日を過ぎても産まれません。
娘たちが予定日よりもちょっとだけ早い出産だったので、3人目もそうだろうと思っていたのですが。
まあ、予定日を過ぎる事も当たり前のことです。2、3日過ぎたところで心配無し。体調も普通です。蹴られて痛いので子も元気なもよう。
明日は健診日だし、相談しよう。
そう思っていた健診日の朝、おしるしがありました。
私、この「おしるし」、下血ですが、3人目にして初めて認識したのですよ。たぶん娘たちの時にもあったはずなのですが、さっぱり思い出せません。
なので感動しました。妊婦っぽい!と(笑)
その後、なんだかジリジリと腰に違和感が。今まで陣痛は夜中に始まっていたので、まさか~と思いました。
健診は午後の予定だったので、揃えていた入院セットの確認をし、その日は休みを取っていてくれていた旦那と一緒に予約時間に産院へ。
産院へ着いた途端、痛みが強くなりました。
おしるしがあって現在腰が痛いと受付で言っても、まだ我慢できる程度だったので普通受診。
検査台で診てくれた先生が「おや、3㎝になってるね」と言ってから、バタバタし始めました(笑)
とりあえず旦那はいるし、入院準備も持って来てます。そのままお産準備に入りました。と言ってもまだカーテンで仕切られた診察室わきでの陣痛感覚チェックからです。
10分感覚になってから分娩室へ車椅子に乗せられて移動開始。
その日は分娩室が混んでいたので、私は予備の分娩室に入りました。分娩を待つ部屋とも違うんだなぁと、痛いなりにまだ余裕です。旦那も一緒にいたし、産院の夕食を先にごめんねと言って食べていました。陣痛中の食事も初めてです(笑)
助産師さんが「お姑さんがいらっしゃいましたよ」と教えてくれたので、旦那が分娩室を出て、私は尿意をもよおしたので、すぐそばにあるトイレへ。
夕飯食べてるなんて余裕だな、私(笑)
と思いながら便座に腰を下ろした瞬間、尿意と関係無く、ジャーッ!と出ました。
プチ混乱です。こんなオシッコしたことないよ!?と。
そしてその水分が出ききった後、腰にガンッガンッとした立ち上がれない程の痛みが。
ここでやっと今のが破水だと気付きました。今まで分娩台の上で処置してもらっていたので、こんなに勢いのあるものには感じなかったのです。
そして、やべえ!トイレで産んじゃう!と慌てて呼び出しボタンを押しました。押すために動くのもツラい!
そして助産師さんたちに抱えられてさっきまでご飯を食べていた予備の分娩台へ。台に行くまでにも、残っていたのか羊水がまた出ました。助産師さんたちは大わらわです。オシッコの片付けをさせてるようですごく申し訳なかったし、よく今まで家で破水しなかったなとか、混乱です。
「あら、もう頭見えてますよ!」
という助産師さんの言葉にまた混乱。ええもう!?ご飯食べてたんですけど!?
ぞろぞろと何だか助産師さんがいっぱいいるなと思ったら、また別な助産師さんが「学生に見学させてもらってもいいですか?」ですって。
4月だもんね!どうぞどうぞ!場数の一つにしてください!
口にしたのは「はい」だけでしたけど、長女の時に学生さんが付いてくれたので見られる事への抵抗などありません。
「どうぞ!手を握って下さい!」
と私の手を握ってくれた学生さんの華奢な手に痛みの中で躊躇していたら、「思い切りいいですよ!」と言われました。
あなたの手はこれから大忙しになるので握り潰す訳にはいきません!と思いつつ、何かを握らなくてもいきむことはできるタイプの自分を知りました。そういえば今までも特に握ったりはしてませんでしたし。
でも、誰かの気配を感じるというのは安心感がありました。出産後「見学させてくださってありがとうございました」と言ってくれましたが、こちらこそですよ。
学生さん、今回もありがとう!
で。
「まだ駄目!」と言われた時にいきんでしまった長男の頭には、その時の跡がついてしまいました……わっかの取れた孫悟空のよう。頭が長い。……ごめんね~(;゜∇゜)
でも学生さんたちは可愛い~♡って言ってたよ!本当だよ!
まあ、大きくなるにつれ普通の形になりましたけど。フゥ……(笑)
そんなこんなで、3人目の長男は破水から30分で誕生しました(笑)
3008g。次女よりちょっと大きいだけなのに、すごく大きく見えました。
さあ、存分に足を伸ばすがいい! マジで蹴りが痛かったからね!
姑を連れて分娩室に戻ろうとした旦那は助産師さんにお産が始まったと言われそのまま廊下で待て状態に。
夜も働いていた姑がそろそろ行くわと言う頃に「産まれましたよ!」と声をかけられ、2人で笑ったそうです。だよね~。
そして、姑を見送った旦那がやってきて、長男を抱いた私に笑いながらお疲れと言いました。今回も旦那は元気です(笑)
しかし、こんなに早いとは私も思ってませんでした。
なので、二人で笑いました。
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現在も3人はすくすくと育っています( ´∀`)
最後の砦、末っ子長男に身長を抜かされる日ももうすぐみたいです。
……育ったな~。
なにより。
何だかんだとありましたが、順調に育って産まれて育ってくれて、ありがとう、こどもたちよ。
ためになることは特にないですが、こんな出産もありましたということで。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。