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【書籍化】脳筋聖女は、すべてを物理で解決する。(web版)  作者: サエトミユウ
8章 聖属性の魔法使い、イベントをこなす!

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第95話 とんでもない少年に目を付けられていたのである

 忍者みたいな魔法を使ったおじさんは、お亡くなりになってしまいました。

 あの黒いの、焦げたんじゃなくてヤバい有害物質みたいな感じのが全身から噴き出したらしい。

 よくわかんないんだけど、聖火によって浄化が働き、それによって有害物質が体から溢れてきて、その有害物質が全身に回っていたおじさんは、逆にその有害物質によって生きていたのに浄化によって外に出ちゃったため、生きていられなくなっちゃった、みたいな? 解説してくれたほうも、たぶん、恐らく、メイビー……みたいな感じで、聞いてる私もよくわからんかった。

 あ、毛は燃えた。つるつるになったみたい。残念ながら突起物は無事だった。


「そもそも、闇属性は先天的には存在しないのです。これは、後天的に使えるようになります」

 と、コーデリア・セイジクラウン先生が解説してくれる。

「やはり、『今宵も私の右目が疼く……』みたいな感じのことを言わないと使えないのか……」

 ポーズを決めながら呟いたら、コーデリア・セイジクラウン先生から睨まれたし。え、本気で言ってますがなにか?

「これは、一種の『呪い』のようなものです。その方法は闇ギルドの一部の者しか知らないため、私もこれ以上の説明はできません。……ですが、呪い自体は知っているでしょう? リリス・ヴァリアント」

「あ、はい。父の剣がそうだったらしいです」

 魔剣とか言ってたな。魔剣もまた厨二溢れるワードよねー。

「あなたの父の剣は、ドラゴンの血によって呪いがかけられました。……そしてあの男も、どうやら自らの血を媒介に闇魔法を使っていたようです」

 と、説明を受けたよ。

 なるほどねー。血が呪われていて、それを浄化しようとして外に出たら真っ黒い血が外に出ちゃって死んじゃったのか。それはかわいそう。

「もしかして私、闇魔法の天敵だったりします?」

 私が尋ねたら、コーデリア・セイジクラウン先生はキッパリうなずいた。

「でしょうね」

 そうか、私は光属性だったのか! いや聖属性か。

「せんせー。逆は光属性だと思うんですけどー、光属性ってありますかー?」

「ありません」

 先生が端的に答えた。

 そっか、ないのか。じゃあ闇属性ではなく、魔属性とか呪属性とかつけるべきだったんじゃないかな?

 私が考え込んでいると、レイヴンに声をかけられた。

「リリス、何を考えている?」

「闇ギルドだから〝闇属性〟ってつけたんだろうけど、〝魔属性〟とか〝呪属性〟とかつけるべきだったんじゃないかって考えてる」

「ものすごくくだらなかった」

 せっかく答えたのに、レイヴンがひどいこと言ってきたよ。


 あの少年、ヴィクター君からいろいろ聞きだしたらしい。

 最初は黙秘したり「自分は公爵令息だ」って言うだけのふてぶてしい態度だったらしいんだけど、養子縁組してないから子爵だし、公爵家は養子縁組を白紙にして子爵家へ戻すって言ってるし、子爵家は受け取り拒否をしているって聞いたら逆上してベラベラ話し始めたらしいよ?

 なんでも「義姉にそそのかされた」って言ってるらしい。

 いや、なんでそそのかされたからって知りもしない私の暗殺を頼むのよ? あの勘違い王子だってそこまでしなかったわ。

 また、スコール君に対して隷属魔法をかけたのは、要約すると『陽キャでムカついたから』だそう。つまりは嫉妬だろうけど……。

「すごいね……。お姉さんにそそのかされたってだけで見ず知らずの人間の暗殺の依頼をかけて、気に入らない奴には隷属魔法をかけて、挙げ句、諸共殺しちゃうんだー」

 ひと言で言い表すと、病んでるよね。


「まだ一年生で幼いといえば幼いのですが……。陛下がご来場されたときに事件を起こしたことや、今回は魔法科の二年生全員を殺害しようと企みましたからね。あまりにも悪逆非道な行いで、年齢を加味しても減刑は難しいようです。また、闇ギルドを使ったことが非常に問題視されています」

 ってコーデリア・セイジクラウン先生が沈痛な面持ちで言った。

「いつまでも少年の心を忘れない……みたいな名前のギルドに頼んだらまずいんですか?」

 って私が言ったら先生、『ナニ言ってんだコイツ』みたいな顔をしたわよ。

「この場合、表沙汰にできなくなるのです。……そもそも、そうとうの金を積まないと引き受けないでしょうから……公爵家の金銭で行ったのでしょう。子爵家の少年が払える金額ではないはずです。ドラマティカ公爵がそのようなことを行うはずも許すはずもありませんから、窃盗の罪にもなるでしょうね」


 うわぁ……。

 確かによくよく考えればひどい話よね。しかも、ケルベロス事件のときなんてまだ一年生にもなってないよね? なのにそんな裏稼業を知ってて頼むのかー。将来が末恐ろしいね……。

「表向きは、何もなかったことになります。幸いにも被害者はゼロ。ヴィクター・ダスクモアは公爵家との養子縁組が白紙となったため、またダスクモア子爵家は養子となる予定だったためにすでに除籍していた、という理由で自主退学したことになります」

 …………。

 表向きは、ってことだから、なんらかの罰を受けるんだろうね。平民落ちですでに罰は受けている感じだけど。

 じゃあ裏向きは、って聞いたら答えてくれるかもしれないけど、私が何か言っても刑は変わらないだろうなと思って聞かなかった。

 王様を危険な目に遭わせた犯人が捕まったのなら、王様が裁くでしょう。

 私は危険な目に遭ってないので。


【お知らせ】

 現在、電撃の新文芸のXにて『イラストコメンタリー』がポストされております。

 オーディオコメンタリーのイラストバージョンだそうです。

 作者、映像系は非常に疎くて知らなかったのですが、わりと有名なんだそうでして……。

 平たく言えば、イラストを見て主人公二人がツッコミを入れています。

 3つほど書きまして、現時点で1つめがポストされています。

(リンクは活動報告に貼っておきます)

 とよた先生のキュートなイラストとともにお楽しみください!

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1306348/blogkey/3689847/

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2026年8月17日 電撃の新文芸より発売
脳筋聖女は、すべてを物理で解決する。2


著者:サエトミユウ / イラスト: とよた瑣織



― 新着の感想 ―
表に出せない → 証拠隠滅 → 人生\(^o^)/オワタ
中二病組織だから引っ込みが付かなくなったんだろうけど、組織を潰す程の人員投入とか。公爵家の家宝の宝石とかごっそり盗んだのかな? まあ幽閉とか修道院送りとかも無いだろ。というか実家の子爵家は例え席抜いて…
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