第77話 次の計画
「まだ一か月しかたってないのに、もう次の仕事ですかい?」
ダルカムが愚痴った。
「仕方ねぇだろう。金がねぇ」
ダニエマルカムは不機嫌そうに返事をした。
「やはり前回の失敗はまずかったですね」
ハリカムも言いたいことは言う。
「失敗じゃねぇ。撤収だ。予定よりタイミングが少し遅れただけだ」
ダニエマルカム達がいるのは恒星間の真っただ中。近くの星から数10光年は離れている。ここで次のクライアントとの打合せのために、いつもの軽巡洋艦で来たのである。
「次は楽な仕事だといいなぁ」
ダルカムの愚痴は止まらない。
「アルラティア星の仕事も楽だったろう?」
「最初だけですぜ。最後はぐちゃぐちゃ」
「今回の仕事にバハムたちは呼ばなくて大丈夫ですか?」
ハリカムが確認した。これで何度目かわからない確認だ。
「けがで引退した。ってことにしてるからな。あの3人はいざというときの保険だな」
「今度のクライアントは誰でしょうか?」
ハリカムが聞いてきた。
「まだ言ってなかったっけ? また、あの女狐さ」
「またですかい? ヤバい匂いしかしねぇ…… 」
ダルカムが愚痴った。
「前の失敗、ではなかった、撤収したにも関わらず、また指名ですか?」
「そもそも前の失敗はあいつが原因だぜ。女神がいない今なら侵攻できるとか適当な情報を流しやがって」
「撤収のタイミングを誤ったのは忘れないようにしないとですな」
ハリカムの突っ込みに、ダニエマルカムは苦笑いした。
言い返せねぇ。
「とにかく失敗は取り返さねぇとな。もう仕事は選べねぇ」
今の俺たちに、まともな仕事が来るとは思えねぇ。
おそらく今回はもっとヤバい仕事な気がする。
「ま、何とかなるさ」
今まで危ない橋を切り抜けてきた。
今度もだいじょうぶさ。
そう自分に言い聞かせて、ダニエマルカムは女狐の到着を待った。




