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第三十七話
グリムの鎌から緑色の光がのぼっている。
何を言っているのか聞き取れない呪文をぶつぶつ唱えながら、鎌に念を送っているようだ。
もう無理なのかな。
逃げても無駄、、。
気絶とかさせられたら…。
何もしないよりましだ。
少なくともあたしに被害を与えようとはしないだろう。
あたしはダメもとでグリムの首の後ろに回り込んで、首めがけて力一杯腕を振り下ろした。
その手は、首に達する前に止められた。
「なーにしてんの?そんなんじゃ死神はびくともしねーから」
手を離す気はないようだ。
「おーわった」
鎌が発光をやめて、もとの銀色の鈍い輝きに戻った。
や、やだ。
グリムが鎌を構える。
こんなのってないよ。
腕を掴まれているから、抵抗さえできない。
ひどく鎌の動きがゆっくり見える。
振り上げられた鎌が、こちらに向かってくる。
聞こえたのは、ぱしっという音だった。
なにも、起きないーーー?
固く閉じた目を恐る恐る開ける。
「えっ…」
驚くと同時に、心臓が大きくはねた。
久しぶりの感覚。
緊張とはまた違った胸の鼓動。
目を開けた先には、グリムの手を掴んで止めている死神さんがいた。
「…っ、死神さん…!」
かすれた声がやっと出た。




