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第二十九話:キス

アルクエイドは直接、謝罪に訪れたマリックを落ち着かせた後、謝罪は受け入れこれまでの事は水に流すと伝え、屋敷へ帰るよう促すがマリックは・・・・


「ロザリオ侯爵閣下、私を弟子にしてください!」


「はい?」


突然の弟子入り発言にアルクエイドは首を傾げた


「弟子とは?」


「はい、ロザリオ侯爵閣下は武術の達人だと父から伺いました!」


「ああ、そういうこと。」


アルクエイド(転生者)は前世の空手&合気道「両方、段位持ち」、そして異世界では体術の他に剣術、杖術、小剣術(小太刀術)、弓術、水泳術、投擲術(投げナイフ等)等を達人級の腕前を持っていた


「それだけではなく王太子殿下を狙った刺客を切り捨てたと事も!」


「(そういえば、そんな事があったな。)」


7年前にアルクエイド(当時20歳)が伯爵になってから1年が経った頃、王太子グラン・ガルグマク(当時11歳)が刺客7人に命を狙われた事件が発生した。偶然、その場に居合わせたアルクエイドが騎士から剣を取り上げると、あっという間に刺客7人を斬り捨てたという


「(よく覚えてないんだよな、いつの間にか剣を持ってたし、しかも刺客も死んでたし、おまけに私の服が血塗れだし。)」


王太子グランから命を救ってくれた事に感謝を述べると同時に、「刺客よりもロザリオ伯爵の方が恐ろしかった」と率直な感想を述べられた時はアルクエイドは思わず「へっ?」と王太子の前で言ってしまった。理由について王太子グランや警護にあたった近衛兵曰く、アルクエイドが血走った眼と鬼気迫る凄まじい表情、そして「キエエエエエエ!!」と奇声をあげて刺客に斬りかかったという。7人の刺客は突然、奇声をあげ凄まじい形相で襲い掛かるアルクエイドに怯み、迎撃する暇もなく、ばっさりと斬られたという。それがきっかけで【成金貴族】と呼ばれる前は【武闘派貴族】と呼ばれるようになった。王太子を救出した功績でアルクエイドが国王から勲章を賜ったのは後々の語り草になったのは言うまでもなかった


「父から閣下の武勇伝を聞いた時は私はとんでもない御方を敵に回したと痛感しました!」


「は、はあ。」


「お願いします!どうか私を弟子にしてください!」


「無理です。」


「な、何故。」


アルクエイドの口から「無理」と答えた。マリックは理由を尋ねると、アルクエイドは「私は多忙故、教える暇がない」と答えた


「だったら時間がある時でも!」


「その時間はアシュリー嬢との交流に使うから無理です。」


マリックはガーンとした表情で浮かべた後、力なく立ち上がりトボトボと帰っていった


「悪い事したな。」


「気にする必要はございませんよ、閣下。」


そこへ身を潜めていたアシュリーが現れた


「あの者は自分の都合しか考えていませんから、どっちにしても迷惑ですわ。」


「まあ~、その通りだが・・・・」


「それにしても閣下にそのような武勇伝があったとは存じませんでした。」


アシュリーはアルクエイドが【成金貴族】と呼ばれる前は【武闘派貴族】と呼ばれていた事に驚いたという


「何故、御隠しになされるのですか?」


「いや、別に隠すほどではなかったのですが、てっきりゴルテア侯爵閣下から聞いているものと思っていたのだが?」


「初耳ですわ。」


「・・・左様か。」


「閣下。」


「何でしょうか?」


「実は私、閣下とマリックの決闘を見ていたのです。」


「えっ!」


これにはアルクエイドは驚いた。アルクエイドとマリックの決闘を眺める野次馬の中にアシュリーもいたという事に気付かなかったのである


「因みにどこで?」


「はい、他の御令嬢と御茶会をしていたところ、閣下とマリックの決闘を耳にしまして私も見学していたのです。あの時の閣下は凛々しく颯爽としたお姿でした。私だけではなく他の御令嬢も見惚れていましたわ。」


「左様か。」


「中には紹介して欲しいという、はしたない娘もいましたが私の婚約者だと言って牽制しました。」


「左様か。(この娘、意外とヤキモチ焼きなのね、嫌いじゃないけど。)」


「という事わけで。」


するとアシュリーがアルクエイドに抱き付いた。意表をつかれたアルクエイドは内心、喜びつつも表には出さず冷静に対応した


「アシュリー嬢、どうされたのですか、いきなり?(うひょおおおお!)」


「・・・・閣下の鈍感。」


「これは失礼・・・・(ジュード。【アイコンタクト】)」


「(畏まりました。【頷く】)」


アルクエイドがアイコンタクトを取ると、ジュードは使用人と共にその場を立ち去った。残ったアルクエイドとアシュリーは互いに抱き締めあった。アルクエイドはアシュリーの柔肌の温もりと柔らかさ、そして豊かに実った乳房と甘い香りが五感を刺激した


「閣下、心臓が音が激しいです。」


「私だって男ですから。」


「嬉しいです、私にドキドキしてくれて。」


「えぇ、他ならぬ婚約者である貴方ならね。」


2人は抱擁した後、自然と互いに顔を近付け目を閉じ、そのままキスをした。それから数秒間キスしあった後、静かに離した。互いに照れくさくなりつつ、感想を述べあった


「キス・・・・しちゃいましたね。」


「え、えぇ。」


「キスは・・・・初めてです。」


「私がファーストキスの御相手ですか。」


「え、えぇ。」


「光栄です。」


「閣下・・・・もう一度。」


「ええ。」


その後、アルクエイドとアシュリーは何度もキスをし合った。隠れて見ていたマリアンヌ等の侍女たちはウキウキしながら見ていたがジュードに注意され、そそくさと退散するのであった。そこからはアルクエイドとアシュリーだけは長い時間をかけてキスしあうのであった




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