暗闇
...暇だ。
何もすることがないから、とりあえず窓の外を覗いてみるが、見えるのはたくさんの木々だけだ。
暗くなってきたからか、それとも、僕が泣くのを堪えているからかは分からないが、その木々達すらもぼやけ、形をなくしてきている。
僕は首に繋がれた鎖に触れてみた。
冷たくて、硬い。
今僕が座っている床も、持たれている壁も、さっきまで触れていた窓も。
心も...
全てが冷たく、凍っているようだ。
なんで、こんな思いしなきゃいけないんだろ。
僕は、道具。
神にとって、都合のいいだけの、ただの道具なんだ。
ミチヒトに、とって、も、、?
「っ...そ、う、だったら、辛いなぁ、、」
ほんと、どうしてこうなったんだろ。
ただ、誰の迷惑にもならないように生きていただけなのに。
ああ、違う。
母さん達には迷惑しかかけてなかったなぁ。
僕が生まれてしまったから...。
僕の存在が、迷惑になっていた。
僕の存在が、全てを壊した。
僕の存在が、家族を狂わせた。
ごめんなさい、、生まれてしまって。
ごめんなさい、、
周りはどんどん姿を無くしていき、暗闇が広がっている。
手足と首に繋がった鎖すらも、もう見えない。
このまま、僕の存在も暗闇とともになくなってしまわないだろうか。
ああ、この暗闇とともに堕ちていきたい。
この暗闇に、溺れてしまいたい。