【空白(ブランク)】
異世界転生したら即バトル!?
目が覚めたらそこには魔王がいた。
こんなのって、
…………無理ゲーで草。
「なァなァなァなァ!!!!」
カラスのような声。
その場に居た全ての人間が見上げた。
大きな羽 バサバサの黒い髪 異形の姿 大きい口から覗く尖った歯
そこから発せられるしゃがれた声。
ここは大神殿。
今まさに人々は
この魔王を倒すための召喚の義を行っていた真っ最中だ。
「バ、………化け物だぁぁあ!!!!」
誰かの声で1人また1人と正気に戻る。
その絶叫が歓声にでも聞こえているのだろうか、化け物は楽しそうに大きな大きな口を持ち上げた。
「ギャハハハハハ!!
そんなに歓迎すんなよなァ!?
はしゃぎてェ気持ちもわかるけどよォ
俺よりはしゃいでんじゃねェよ。」
黒い羽がひらりと舞う
はらりはらりと雪のように落ちていく。
その羽が落ちる最中に鋭い刃へと姿を変え
大衆を襲った。
叫び声。
逃げ惑う人々は混乱し
祭壇に上がっている勇者のために用意された数々の装備や食事すらも薙ぎ倒して
我先にと出口を目指した。
「ギャァァァアア!!!」
「だれか、だれかぁ、助けてぇ……!!」
「勇者様、勇者様、どうかどうか、私たちをお救い下さい……!!!」
「アハッ♪そうそう、人間はこうじゃなきゃなァ♪
こういう時の人間が1番良い声で鳴くんだよ」
ドチャリ
地面に降り立つと濡れた音が響く。
歩くと肉塊を踏む。
たまにバキリと鋭い音もした。
この感触も心地良いなと鼻歌を漏らす。
「あ゛〜?これかァ……?
どうやるんだ、こうか?
……チッ、めんどくせェなァ、おいッ!!
さっさと来いよ、俺様と遊びやがれオラァ!!!」
祭壇の前、光り輝く魔法陣の前。
そこに自分の魔力を流し込んだ。
"カミサマ"とか言う特有の力にビリビリと痺れを感じる。
胸糞悪いが久々の刺激にぞくぞく高揚感を感じて笑みが滲んだ。
「アハッ♪」
手から、魔法陣から光が溢れる。
眩い光の中に人の影がある。
「…………ここは、……」
「コンニチハ、勇者サマ♪」
「は……、?」
音もなく勢いで小さな頭を掴む。
ゆっくりと動く戸惑う素振りの生き物。
「それじゃあ、遊ぼうか。」
そのまま力を入れると骨の軋む音がした。
手を解こうと暴れるその生き物。
面白いなぁ、可愛いなぁと思いながら
ぱきょん。
聞こえた音の後その生き物の身体からだらりと力が抜けてしまった
「…あ?
…………は?死んだ??
はァ!?折角?????わざわざ???????俺様がここまで来てやったのに????????
巫山戯んなよッ!!!!!!!!
……ッチ、次だ次ィ!!
もっとマシなヤツ呼べや、神サマよォ!!!」
悪態を吐きながら握りこんでいた死体を肉塊の転がる床に投棄てる。
ぐちゃりと祭壇近くに転がる勇者のためだった剣にブチ当たり、なんて皮肉だよと少しだけ機嫌を直した魔王は再度魔法陣へと手を伸ばすのであった。
【空白】
不定期に更新していきます。
暖かい目で見守ってください……
誤字脱字多いかと思います。
是非探してみてください。




