12話 自分のステータス
リカードさんが持ってきたのは、石の台座に、俺のかおくらいの、大きな丸い水晶みたいな物が付いた物だった。
それをドカッと机の上に置くリカードさん。カーライルさんに壊れるだろう、静かに置けと注意されていたよ。
「大丈夫だって、これくらいじゃ壊れないから。良いか、坊主。記憶がないってことは、子供の頃、どこで判定してもらったかは分からんが。この道具のことも忘れてるだろう?」
「はい」
「この道具はな、この判定の石に魔力を流すと、自分の能力が分かるって道具だ。で、能力が分かったら、それをこれに登録する。このプレートだ」
リカードさんが判定の道具の隣に出してきたのは、金属みたいな物でできている、ドッグタグのような物だった。
「リカード、魔力は?」
「練習したから大丈夫だ」
「よし。じゃあサッサとやっちまおう。なに、魔力を流すだけで、簡単に判定は出るから、緊張することはないぞ。手を付けて魔力を流せ」
緊張するなって言われてもな。自分の能力が分かるんだから、やっぱり緊張はするし。それと同じくらいにドキドキ、ワクワクしているんだよな。
地球での歳は36歳で、そんな歳をしておいて、ドキドキワクワクもないだろう、って言うかもしれないけど。やっぱり憧れていた異世界だ。こうならない訳がない。
俺はそっとそっと、水晶みたいな判定の石に触れる。それから今までに習った通り魔力を溜めて、その魔力が手から判定の石に流れることをイメージした。イメージは大事。最初に習った事だ。
すぐに魔力に反応が起こり。胸に集まっていた魔力が手の方に移動。そしてどんどん手から魔力が出ていく感じがした。すると判定の石が、少し強めに光り、その後すぐに小さな光になると、そのまま止まった。
「よし、成功だ。手を離して良いぞ」
手を離すとカーライルさんとリカードさんが、判定の石を覗き込んだ。どうやら判定の石その物に結果が現れるようで、俺もすぐに覗いてみたよ。すると判定の石に、たくさんの文字が浮かび上がっていた。
【ステータス】
*名前:リョウ
*種族:人間
*年齢:14歳
*性別:男
*魔力量:30000
*スキル
魔獣使い9、風魔法1、火魔法1、水魔法1、土魔法1、光魔法1、闇魔法1、感知魔法1、剣術1 言語理解10
*耐性
精神的耐性8
*固有武器
扇風機(レベルアップにより様々な用途に合わせて進化可能)
癒し3、トリミング3、防御1、攻撃1、飛行1、自動修復10
おお、いろいろあるな。今の俺は14歳らしい。俺の思った通りだった。それに……、あった!! 魔獣使い能力がある!! これでフェアリーラビットと契約することができるぞ!!
それに言語理解、これのおかげで、もしかしこの世界の言葉を話せて、書くこともできる感じか?
ただ、う~ん。最後ちょっと気になる物が……。まぁ、それは後で考えるとして、隣の数字は何だ?
俺は顔を上げる。と、カーライルさんとリカードさんが、微妙な顔をして判定の石を見ていた。何だ? 何か問題があるのか?
「……あの、これはどうなんですか?」
恐る恐る聞いてみる俺。と、2人はハッとした後、俺の方を見てきてまた何とも言えない顔をした。
「あー、何て言えば良いか」
「良いんだか悪いんだか、よく分からん。なぁ、カーライル」
「ああ」
良いんだか悪いんだか分からん? 一体どういう事だ? そこから詳しく、力について説明を受けることになった俺。
まず魔力に関して、良い方から。俺は人よりも魔力の量が多いらしい。それもかなり多いらしく。平均的な魔力が15000くらいで、Aランクの冒険者にもなると20000。それ以上にもなれば25000をこえてくるらしい。
魔力は訓練により上がる人がほとんどで、カーライルさんは今、20000ちょいの魔力を持っているけれど、子供の頃は5000だったと。
他には、もともと生まれた時から、魔力が多い人もいるみたいだけど。そんなに多いわけではなく。この町では1年に5人産まれるかどうか、くらいらしい。
ということは、俺はどうなんだ? と考えていると。どうやら俺は魔力量は、SSランクの中でも、かなり多い部類に入るらしい。まぁ、今話を聞いた感じ、30000もあるからな。
だからもしも、俺が魔法を練習して、たくさんの強い魔法を使えるようになれば、俺は上級冒険者になれる事間違いなしだと。
が、しかし。ここで問題なのが魔法だった。魔法の隣に1とか3とか100とか、数字があるだろう? あれが魔法のレベルらしくて。
魔法のレベルは1番弱い1から1番強い10までで。俺は判定の石を見直すと、俺の魔法はほとんどが1ばかりだった。
「本来なら、お前の歳でこれほどの魔力量の持ち主なら、たいした訓練をしなくても、魔法レベルは5あっても良いはずなんだ。ああ、平均は5だぞ」
「しかしな、お前は魔獣使いと言語理解以外、全て1だろう。これが悪い知らせでな。時々いるんだよ魔力が高いのに、魔法がぜんぜんダメな奴が。あー、なんていうか。……ここで言葉を濁してもな」
「お前の場合、記憶喪失で、これまでどんな生活をしていたか分からないから、これからあらためて訓練をすれば、レベルが上がるかもしれんが。しかしもしかしたら、悪い方に考えると、ほとんどの魔法と剣術で才能なしの可能性が……」
……は? 魔法と剣術の才能なし? は?




