10話 この世界へ来て2週間、初めての街へ
「ここがライアーナ……。大きな壁ですね」
「おう、街の周りには必ず街を守る壁が、2重で建ててあるぞ」
俺がこの世界へ来て2週間。俺は今日初めて、この世界の街へと来ていた。
これまでにカーライルさん逹には、いろいろな事を教えてもらったよ。まず魔法だけど、基本魔法として、火魔法のファイヤー。これは言うまでもないが、火を出す事ができる。
俺はまだ習ったばかりだから、威力はとても小さいが、レベルが上がると、ファイヤーでも十分に攻撃の手段として使えるらしい。
そしてこれも大事な、光魔法のライトだ。これを使えるようになった事で、だいぶ夜動きやすくなった。
風魔法では、エアドライを習った。軽い風を発生させ、何か物を乾かしたり、部屋のホコリやゴミを吹き飛ばして、簡単な掃除をする。
もう1つは土魔法で、アースポットという魔法を習った。土を固めて、鍋みたいな物を作り、それを調理器具として使う事ができる魔法だぞ。
これでとりあえず、今俺が使える魔法は、ウォーターと合わせて5つになった。他の魔法については、訓練次第らしい。まぁその辺はゆっくり練習して、できるようになればなぁと。
時間についても教えてもらった。この世界で時間を測るのは水時計で、どの家にも必ずあるらしい。1日の時間は24時間だった。
また街には時間を知らせるために、鐘を鳴らす人々がいるらしく。出かけていて水時計がなくても、時間が分かるようになっている。
また、時間と日にちだけど。月曜、火曜といった言葉はないけれど。7日を1つとして、それが4つで1の月と言い。それが12個で新しい年になると。
例えば3ヵ月目の2週目の3日目だったら、3の月の2つ目の3日目というらしい。ちょっと慣れるまでは、言いにくいけれど。数的にはほとんど違いがないので助かった。
それから魔獣のことを教えてもらうついでに、森についても教えてもらった。まさかこの辺にある森の中で。いや、カーライルさん達が住んでいる国の中で、2番目に危険だと言われる森だったとは。
危険な魔獣が多いため、普通の人間はほとんど森に近づかず。たまに冒険者は来るようだが、それも余程のことがない限り来ないと。そのため、カーライルさんの知り合い以外、俺のような知らない人間そ見たのは半年ぶりだったらしい。
まさかそんな危険な森にいたなんて。俺、よくすぐに殺されなかったな。と、落ち着いてからその話しを聞いて、後から怖くなったよ。襲われていた時は、木の棒で対抗しようとしていたのにな。
また、今話しに出てきた冒険者だけど。これはライトノベルと同じ感じで。この世界には、依頼をこなしたり、宝物を探したり、魔獣討伐をしたりと、そういった事をする、冒険者という人々がいるらしい。もちろん冒険者といえば、冒険者ギルドという事で、冒険者ギルドもあるぞ。
また、冒険者ギルドとくれば、やはり商業ギルドもあり。どちらも大きな街や、中規模の街には必ずあると。小さな街や村にはないことが多い。
そして、どちらとも、これまたライトノベル同様、所属している人々にはランクがあり。1番上はSS級で、S、A、Bと下がっていき、1番最低ランクがEランクだ。登録したばかりの新人は、皆Eランクから始まり。実績を積んでランクを上げていく。
ただ、SSランクは、そう簡単になれるわけもはなく。今のところ世界に10人しかいないと。
ちなみにカーライルさんだけど。なんとカーライルさん、Sランクの冒険者だった。まさかそんな高ランクの冒険者だったとは。
まぁ、国の中で2番目に危険と言われる森に、タイラー達がいるとはいえ単身で住んでいるんだから、強いに決まっているよな。最初に出会ったのがタイラーさん達で、本当に良かった。
と、こんなふうに、いろいろと教えてもらった俺だけど。今日俺が街へ来たのは、俺のことを調べるためだ。
冒険者ギルドや商業ギルドには、自分の名前や歳といった基本的な情報から。自分がどんな力をどれ程使えるか、分かる道具があるらしく。
それを見る事で、少しでも俺の事が分かればと。カーライルさんが冒険者ギルドのある大きな街へ、連れて来てくれたんだ。
もちろんフェアリーラビットも一緒にな。あの初めて話しをした次の日。すぐにタイラーに通訳してもらって、フェアリーラビットと話しをした。
すると、俺は最初の日、何故かフェアリーラビットが話していることが、なんとなく分かっただろう? まさかそうかなと思っていた事が、本当に当たっていたとは。タイラーの通訳を聞いて本当にビックリした。
そして俺と子フェアリーラビットの、話しを聞いたタイラーは。話しが分からないのに、なんとなくそう言っていると感じたということは。俺とフェアリーラビットの相性がかなり良い証拠だと。
だからもしも今日、能力を確認した後に魔獣使いの能力があるのならば、契約すれば良いと言われた。
そのため、子フェアリーラビットに家族を呼んでもらい、俺と契約をしても良いか家族に確認。そして改めて子フェアリーラビットの気持ちを聞き、俺と契約したいと言ってもらえたから。今日の能力確認の後、魔獣使いの能力があった場合は、契約する事になった。
まぁ、その能力がなくても、相性が良く、気持ちが繋がっている場合は、契約なしで一緒に暮らしている人達も大勢いるようで。だからそこまで気にしなくて良いと言われた。
それを聞いて、俺はホッとしたよ。せっかく俺と契約してくれると言っているのに、契約できずにさよならになったら、可哀想だなって。俺も寂しいなと思っていたからさ。
街は、外から攻撃に耐えられるように、街を囲むように大きな壁が2重に建てられていた。また、街に入る前には、門の前にいる騎士に身分証を出し、無害だと確認された人しか、街の中に入れないようになっていた。
そうそう、この世界には魔法だけでなく、剣を使う人々もいて。また王様や貴族といった、身分もあるらしく。これもライトノベルと同じだった。
街並みも同様だ。中世のヨーロッパ風で、ライトノベル好きの俺としては、テーマパークに来た時のような、ワクワク感でいっぱいだったよ。
すぐにでも見てまわりたかったけど、今回の目的は自分の能力を確認することだからな。そのまま冒険者ギルドへと向かった俺達。
そうして歩く事数分。俺達は、剣と炎の絵が書いてある看板がある、大きな6階建ての建物の前で止まった。




