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セカンドファイア  作者: ぐれこりん。
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第18話 サバイバルホラー

花丸は急いでビルの外へ出る。


花丸

「…山茶花さん!」


山茶花

『はい。なんでしょう』


花丸

「あいつ、桃はそっちに戻ったか…?」


山茶花

『いいえ。まだ気絶も死亡もしていないようです』


花丸

「となると…。ここにいるのはまずいな…」


ビル内部から大きな音が鳴りガラガラと崩れ出した。


「どこだ先生ぇ!!」


花丸

「チッ…ヤツは不死身か…!?」


花丸は直ぐ様崩れるビルから距離をとり、携帯のナビを使い駅まで向かう。


花丸

「桃は幽霊を食べてパワーアップしてやがる。しかも既に手に負えないほどの力量差だ。現状どう足掻いても勝機が見えない…」


山茶花

『まさか被験者同士で争うことになるとは…』


花丸

「山茶花さん。桃以外の他の連中がどこにいるのか分かるか?」


山茶花

『ククル氏は先程既に2層に降りたようです。シシリィ氏は【食べられてしまいました】』


花丸

「えっ!?食べられた…!?桃にか!?」


山茶花

『はい…。恐らく桃氏が現実世界へ戻ってスコープで意識を分離させない限りシシリィさんは…』


花丸

「シシリィさんは協力してくれそうだったのに…。今の所協力してくれそうな被験者が居ないな…。1人で降りていくしかないのか」


花丸はククルとの協力関係が結ばれていることは伏せている。花丸は何とかククルと接触出来ないか思考を巡らせる。


山茶花

竜胆愛灯りんどうあかり氏と白金蒲公英しろがねたんぽぽ氏は【第一層のランディングポイントから一切動いていません。】何を考えてらっしゃるか不明瞭ですね。こちらの呼び掛けにも応えてくれません』


花丸

「なんだそいつは…。随分変わり者ばかりを集めたじゃないか。アンタら本当にアカシックレコードを発見する気があるのか…?」


山茶花

『協調性の無さに関してはぐうの音も出ません。ですが変わり者とはいえ、皆様偉業を成し遂げた人達を選りすぐっているのですよ?』


追跡が無いか気にしつつ逃亡を続ける。桃がビルの間から見えれば幽霊の影に身を隠し歩みを進める。


山茶花

『アスター・カトラリー氏とヴィヴィ・ダリア氏は…何処にいるのか分かりません。モニターは真っ暗になっています』


花丸

「そいつは自分の能力で逃走中なんだろうな。分からないなら仕方ねぇ」


山茶花

『いえ、ヴィヴィ・ダリア氏がスコープになっているのですが…彼女は目が見えないのです』


花丸

「どういうことだ?スコープは霊能力者じゃないのか?」


山茶花

『はい。霊能力者です。ヴィヴィ氏は人の姿ではなく、魂を見ているのです。それ故こちらからのモニターでは確認する事が出来ません。ですが、下には向かっているようです』


花丸

「そうなのか…。害はなさそうだが協力する事も出来なそうだ」


山茶花

『そして7組目のメンバーなのですが…。桃氏の襲撃を避ける為に既に帰還しています。また後程ダイブするそうで…。数時間後の合流になりそうですね』


花丸

「まぁ、そりゃあ桃みたいなのが暴れ回ってりゃ常識的に考えて帰還するのが妥当か。仕方ねぇわな」


山茶花

『意図を組んでいただきありがとうございます。花丸教授が協力的な被験者で心から安心致しました』


花丸

「アンタらはまだ信用出来ねぇんだがな。とりあえずさっさと倉柿教授を救出して戻らねぇと…」


山茶花

『ええ。倉柿教授を救出する為に何とか協力的なメンバーと合流し下へ行って頂かなくてはいけませんね。こちらから提供出来る情報は惜しみなくお知らせします。何とか花丸教授の信頼を得られるよう尽力致しますので』


花丸は駅にたどり着く。桃は追ってきていないようだ。


花丸

「後ろからつけて来る気配もねぇな…。桃から逃げつつ倉柿教授を救出する羽目になるとは…。とんだサバイバルホラーだぜ」


花丸は携帯のライトを付けて辺りを警戒しながら地下鉄のホームへ降りていく。

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