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セカンドファイア  作者: ぐれこりん。
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第13話 存在証明

山茶花

「存在するか否か。ええ、存在します。人間は無意識にアカシックレコードから必要な情報を選別して引き出すのです。得られる情報の難易度も変わってきますが、恐らく【あなたの開発したマテリアルスコープもアカシックレコードから引き出されたもの】」


花丸

「僕が長年研究した成果はアカシックレコードから引き出された情報だと言うのか…?はは、なんだか常識と脳科学を否定された気分だ。アカシックレコードが実際にあったとしてそれはどういったものなんだ?」


山茶花

「人の開発するあらゆる物は全てそうなのです。ええ、確認された事例は沢山あります。例えば葉っぱに暗号のような文字の羅列、図書館の本、パソコンのモニターに映し出されるもの。アカシックレコードは様々な形をとって人間にアイデアを提供する存在です。ですがそれは引き寄せた1部の情報でしかない。私達が欲しいのは便利ツールのように気軽に情報を引き出せるものです」


花丸

「おたくらがアカシックレコードを探し出して何を目指すのかは知らないが僕はその研究に役立つかは保証できないぞ?いいのかベラベラ話しちゃって。光くんなんて口が軽いかもしれないぞ?」


「急に話に混ぜないでくださいよ…。ですがあらゆるものを開発する為に設計図をボンボン出してくれる便利ツールがあればこれ程心強い物はありません。冗談無しに先駆ければ世界の覇権を握れます」


山茶花はニヤリと笑った。


山茶花

「ふふふ、そうです。世界には夢を記録する人がいまして、その中から開発されたものも多い。夢の全ての情報が正しいものとは限りませんが確かな実績があるものです。決して無下にできない。そして花丸教授のマテリアルスコープです。あなたの開発したマテリアルスコープがあればアカシックレコードから直接情報を引き出すことが出来る可能性がある!」


花丸

「ふぅ。まぁ精神世界ってのもアカシックレコードにも大いに興味がある。実際協力したい気持ちはあるぜ」


山茶花

「ありがとうございます!花丸教授ならきっと我が財団に多大な功績を残してくれると確信しております。こちらも協力を惜しみません。共にアカシックレコードを見つけ出しましょう」


「所で誰の精神世界へ入ってアカシックレコードを見つけるんですか?既に被験者はいるのでしょうか」


山茶花はパソコンの前に移動するとモニターの画面を変更した。


山茶花

「いいご質問です。こちらをご覧下さい」


パソコンのモニターには彫刻の人物が映し出された。


山茶花

「この方はご存知でしょうか?神の声を聞き海を割ったとされるモーセです」


花丸

「モーセ?十戒の?」


山茶花

「そうです。そのモーセです。ある霊媒師にモーセの霊体を憑依させ、その状態でナイトダイバースコープで精神世界へ行くのです」


花丸

「そんな事が可能なのか…?…いや、可能かもしれない。マテリアルスコープがあるからな」


山茶花

「ええ、マテリアルスコープを利用しての試みです。杖が蛇になる、手を癩病レプラで雪のように白くし、ナイル川の水が血に変わる。擬似的にその奇跡を起こさせ」


花丸

「え、え、ちょっと待ってくれ。奇跡を起こさせた?」


山茶花

「ええ。マジックでもなんでもなく【それを成すことが出来ました】。私も驚きましたが目の前でそれをやってのけたので信じざる得ませんでした」


花丸

「…モーセの霊体を発見したのもそうだが奇跡を起こす事が出来たなんて眉唾物だな…。本当に海を割ることも出来るんだろうか」


山茶花

「それは条件が揃っていないとできないらしいので見てはいませんが、アカシックレコードに繋がっているであろう可能性のある霊体である事に間違いはありません」


花丸

「おたくらはその神の声はアカシックレコードからの声だと言うんだな?」


山茶花

「ええ。ですので花丸教授には精神世界へ旅立つであろう人達のサポートをしてもらう研究をお願いしたいのです。どうですか?」


花丸

「…構わないが実際どんな風に使うのか見てから決めて良いか?あまりに突拍子のない話の連続でまだ頭がついていけてないんだ。とてもとても現実離れしすぎている」


山茶花

「ふふ、まぁそうですよね。明日、精神世界へダイブする被験者14名をこの場に集めます。実際に見てから決めて頂いて結構です。もし気に入られなかったらマテリアルスコープは返却します。とても残念ですが盗品となれば本人にお返しするのが筋というもの」


花丸

「お、おお。返してくれるのか。もう戻ってこないんじゃないかと不安だったんだぜ」


山茶花

「ですがナイトダイバースコープはこのままここで使わせていただきます。マテリアルスコープにはまだ権利がありませんから」


花丸

「…」


花丸は山茶花を少し睨んだ。開発した情報が盗まれたままならマテリアルスコープを盗られたのと変わらないじゃないか。それを口に出すのははばかられたが、それを何とか取り返すのが真の目的である。花丸と光は機械を眺め確認した後、その日はもう遅かった為用意された部屋で就寝した。

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