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セカンドファイア  作者: ぐれこりん。
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第9話 プレッツェルン財団

翌日、ククルから連絡電話が掛かってくる。


ククル

『おはようございます。教授、スコープの所在なのですが、分かりました』


花丸

「…も、もうか?誰だったんだ」


ククル

『それがですね…。学会員にコネのある団体でした』


花丸

「…そうか…。ククルさん、疑って悪かった」


ククル

『そんな。まだ盗んだ団体を特定しただけで取り返した訳ではありません。スコープは現在プレッツェルン財団にあります』


花丸

「プレッツェルン財団…?」


ククル

『そうです。そしてその財団内部にある脳神経外科学研究所にある人物から譲渡されたものらしいです』


花丸

「そうなのか…。取り返せそうか?」


ククル

『難しいですね…。プレッツェルン財団の代表取締役はアイリス・プレッツェルン。創始者は先々代にあたるスペア・プレッツェルンで、その化学力たるや名だたる大学研究所も目を見張るものらしく警備レベルも相当なものです。まず入口を突破するのも至難の業でしょう…』


花丸は頭をかく。どうすれば取り戻せるのか全く分からない。半ば諦めかけていた。


花丸

「…クソっ!どう頑張っても無理なのか…」


ククル

『花丸教授。どうか気を落とさないで。作戦があります。マテリアルスコープがまだ未完成である事と白峰教授が財団に協力的であるとリークします。そして白峰教授に研究所への招待が来るように誘導するのです』


花丸

「…つまり僕に潜入しろってことか…?」


ククル

『安心してください。弊社はいくつも海底トンネルを有しています。財団の地下から教授を救い出すことも可能なのです』


花丸

「…!?めちゃくちゃ大規模な事をしようとしていないか…?簡単に穴を開けられる訳でも無いし!」


ククル

『いえいえ、それが開けられるのですよ。弊社の削岩技術は世界一です。ええ、胸を張って言えますとも。1日10、20mが常識でしたが、弊社は1日5キロを掘り進む事に成功しました。革新的な移動技術と先進的な技術開発の賜物ですね』


花丸

「あ、ああ。わかった。あんたらは穴掘り事業に絶対的な自信があるんだな…。その、なんだ?僕が開発したものを向こうが取ったとして、財団は僕の技術を本当に欲してくれるものかな…?」


ククル

『それは任せてください。こちらで段取りします。では穴掘りはもう始めていますので度々ですがまた連絡が来るのをお待ちください。それではまた!』


そういうとククルは電話を切った。


花丸

「…大丈夫なのか…?」


そのまた翌日。花丸はククルとの会話を光に伝えた。


「えっ!プレッツェルン財団が今スコープを…?」


花丸

「ああ、ククルさんがそう言ってた。僕はそれを取り返すために潜入することになりそうだ」


「プレッツェルン財団は昨今のテレビやら携帯タブレットを飛躍的に進歩させた財団ですね。空中に浮くスクリーンをスマホみたいにスクロールさせたりタップできるんです。その他ベッドに寝転んでいる時に目の前に映像を出現させたり?近未来にできるだろうと思われたことを実現させた団体ですね」


花丸

「ああ!あそこだったのか…」


「まだまだありますよ?夜空の星の光を拡大して地表を細かく見たりその裏側を見ることができる技術、ダークサイドムーンとか」


花丸

「映像革新技術を開拓した団体かぁ。スコープを欲しがるのも何となくわかる気がする」


「ええ、喉から手が出る程欲しがると思います。なんたって幽霊が見える機械ですからね」


花丸の携帯から電話がかかってくる。


花丸

「ククルさんか?」


ククル

『教授、成功です。財団はあなたを引き抜くよう近々アプローチしてくるはず』


花丸

「え、おお。でかした。ククルさん。色々と悪いな…。僕はまだあなた達に何も出来ていないのに…。ありがとう」


ククル

『いえ、いつかきっと今回以上の成果を弊社にもたらしてくれると僕は信じています。そのための先行投資だと思ってもらえれば』


花丸

「…そうか。重ねていうぜ。ありがとうな。それじゃあ僕はプレッツェル財団からの連絡を待ってればいいんだな?」


ククル

『そうですね。2、3日も立たずに来ると思われます』


すると研究室の扉がノックされる。


係員

「白峰教授?お客様がお見えです」


花丸

「えっ!?わ、わかった。すぐに行くよ」


花丸は戦々恐々としながら訪問者の元へ行く。

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