表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/20

2.先発メンバーは?

 一塁側ベンチ。

 腕組みをして相手チームのベンチの様子をじっと窺う井川。ニヤッと笑って日下部を呼び寄せた。

「名取の調子はどうだ?」

「まあまあですかね」

「そうか。じゃあ、貰ったも同然だな」

「でも、なめてかからない方がいいんじゃないですか?」

「誰がなめたりするもんか。コテンパンにやっつけてやるさ。今日こそあの姉ちゃんの鼻を明かしてやる」

 どっちがやられるのか楽しみだと思う地の文です。

「なんだと!」

 純粋に試合を楽しみにしている地の文に切れる井川です。

「だから、彼女はあの律子さんじゃないですから」

「そんなこたぁどうでもいいんだ。とにかくやるからには勝つ」


 対する三塁側ベンチ。

 斉藤は先発メンバーを決めあぐねていた。

「ねえ、日下部さん、やっぱりピッチャーは経験者の大橋さんがいいですかね?」

「経験者と言っても野球です。大橋さんはショートがいいと思いますよ」

「では、ピッチャーは誰に?」

「律子さんでしょう!」

「えっ? 女性ですよ」

「だって、こっちは女性の方が多いですから。それに、向こうはじじぃばかりですよ」

 女性が多いのは日下部が下心丸出しでお気に入りユーザーを選んでいるからだと思う地の文です。が、そう言われて齋藤は相手チームのベンチをちらっと見る。

「なるほど」

 二人のやり取りを眺めていたりきてっくすが口を挟む。

「いっそ、日下部ちゃんが監督やったらいいんじゃない?」

「私もその方がいいかと…。日下部さんは実際にクラブチームの監督をやられている」

「齋藤さん、何を弱気なことを言っているんですか! それじゃあ、面白くないじゃないですか。ここは小説の世界です。であれば、齋藤さんの力が役に立ちます」

 弱気な齋藤を日下部は励ました。しかし、実際、書くのは日下部だと思う地の文でした。

「ちょっと! ネタばらしはやめてくれるかな」

 みんなが解かっていることを普通に言った地の文を確かめる日下部です。


 審判が両監督を呼び寄せた。メンバー表の交換し、井川と齋藤は握手を交わした。


■酔いどれ軍団先発メンバー

1番 センター 小暮

2番 セカンド 青田

3番 ピッチャー 名取

4番 キャッチャー 日下部

5番 サード 井川

6番 ファースト 浦田

7番 レフト 志田

8番 ショート 中之島

9番 ライト 須藤


■なろうファミリー

1番 サード 呂彪弥欷助

2番 ショート 大橋秀人

3番 キャッチャー りきてっくす

4番 ピッチャー かみむら律子

5番 センター 水無月上総

6番 ファースト 日下部良介

7番 レフト 寛忠

8番 セカンド 桂まゆ

9番 ライト 桜葵


 メンバー表を見た井川の表情が緩んだ。

「なんだ、向こうは女が3人も居るぞ。よっぽど人手不足みたいだな」

 本当はすごく羨ましいくせにと思う地の文です。

「なんだと!」

 地の文に心の中を見透かされて怒鳴って誤魔化そうとする井川です。

「うるさい! 黙れ!」

 井川の声に反応した審判が井川を睨み付ける。そして、いよいよ試合が始まる。


 先攻は酔いどれ軍団。なろうファミリーが1回表の守備につく…。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ