第16話 マジかよW 天使アミムラのめちゃめちゃ展開②
別のホールスタッフの女が、『味噌煮込みうどん』の入った鍋を運んでいる。
このホールスタッフの女も忙しそうだ。
年齢は20代前半ぐらい。
黒髪のロングウェーブ。
『味噌煮込みうどん』は、グズグズと煮込みの音を立てている。
見るからに熱々である。
『味噌煮込みうどん』の女は、チン毛大根達のテーブル席を通ろうとする。
「嫌な予感がする」
チン毛大根は身構える。
だが、普通に通り過ぎる!!
「あれ?」
チン毛大根は、肩透かしを食らう。
「よかったじゃない。私、あれ(味噌煮込みうどん)が、チン毛大根にぶっかかると思ってた」
オルーレは言った。
「俺もそう思ってた」
チン毛大根は言った。
『ミートソーススパゲティ』をぶっかけた女が、『調理場』から『激辛キムチ鍋』を運び始める。
『激辛キムチ鍋』を運んでいる女は、チン毛大根達のテーブル席を通ろうとする。
ちょうど、その時、『味噌煮込みうどん』の女が引き返してきた。
「あっ!!」
『激辛キムチ鍋』の女と、『味噌煮込みうどん』の女が、チン毛大根達のテーブル席でぶつかる!!
『ミートソーススパゲティ』をぶっかけた女が、今度は『激辛キムチ鍋』を、チン毛大根の頭にぶっかけた!!
同時に『味噌煮込みうどん』の女が、『味噌煮込みうどん』をチン毛大根の頭にぶっかける!!
「あちちちちちちちちちちち!! 熱い熱い熱い!! 目が染みる!! 辛い!!」
チン毛大根は悲鳴を上げる!!
「再び大変申し訳ございません」
『ミートソーススパゲティ』と『激辛キムチ鍋』をぶっかけた女は、再び頭を下げる。
「私も大変申し訳ございません」
『味噌煮込みうどん』をぶっかけた女も頭を下げる。
「アㇵㇵㇵㇵㇵッ!! やっぱり、ぶっかけるわけね!!」
オルーレは爆笑する。
チン毛大根の顔と髪の毛は、ぐっしょりとなる!!
『激辛キムチ鍋』の濃い赤色の汁。
『味噌煮込みうどん』の黒い汁。
両方の汁が混ざり合っている。
『ミートソーススパゲティ』と『激辛キムチ鍋』をぶっかけた女が、タオルやおしぼりなどを持ってくる。
続いて、『味噌煮込みうどん』をぶっかけた女が、掃除用具などを持ってくる。
「あーーーーーーもう最悪!! マジ最悪!! ありえねぇ!! なんだよ、これ!?」
チン毛大根は、タオルやおしぼりなどで、顔、髪の毛、体などを拭く。
「でも、おもしろかった!!」
オルーレは楽しそうだ。
掃除が終わり、ぶっかけた女達と改めて話をする。
謝罪やお会計、クリーニング代などの話である。
その後、チン毛大根達は、テーブル席を変更して一段落する。
「さ・て・と、そろそろしゃべったらどうだ? アミムラ」
チン毛大根はそう言って、アミムラを見る。
「まだ、やめとく」
アミムラは口を開く。
「これは、おまえが考えたことなんだろ? 『なんでもできる力』を使って」
チン毛大根は確認する。
オルーレは同調するように、
「そうだよね。こんなこと、実際は起きないよね」
と、言った。
「まだ、その話をするのは早い」
アミムラは淡々と言った。
「あぁ、そうか。まだ1つ残ってるのか。『注文したすべてのものが激辛』、『ホールスタッフのぶっかけ』、これで2つ。あと1つ、何か起きるんだよな?」
チン毛大根は確認する。
「ふ~ん。そう考えたか。それなら、2つは前菜。最後の1つは、メインディッシュ(主菜)ね」
アミムラは淡々と言った。
「えっ!? これが前菜!?」
チン毛大根は驚く。
「へぇー。それは興味深いわね」
オルーレは言った。
チン毛大根は不安そうに、
「すっごい、嫌な予感がするんだが」
と、言った。
チン毛大根達のテーブル席に、40代のスーツ姿の男がやってくる。
男は眼鏡をかけている。
「店長の黒岩です。今日は本当に申し訳ありません」
男は頭を下げる。
「もういいですよ。終わったことです」
チン毛大根は言った。
「その器の大きさ、すばらしいです。最近の子は、器が小さいというか、心に余裕がない子が多い。どうですか? ウチで働いてみませんか?」
店長は言った。
「ええっ!? いや、いきなり、そんなこと言われても」
チン毛大根は戸惑う。
「では、1日だけ体験入店でどうですか?」
店長は言った。
「1日だけか。う~む……」
チン毛大根は考え込む。
「いいじゃない、1日だけなら。何事も経験よ。出会いとかもあるんじゃない?」
オルーレはそう言って、後押しする。
「出会いか……」
チン毛大根は想像する。
かわいいウェイトレスとの恋愛を。
ファミレスは、出会いランキングでも上位に入ってる。
そういえば、クラスの奴らもファミレスバイトがきっかけで、付き合ったとか言ってたな。
ファミレスの出会いから恋愛へと発展する、ギャルゲーもあったし。
ファミレスの出会いから恋愛へと発展する、恋愛アニメもあったし。
ファミレスの出会いから恋愛へと発展する、恋愛ドラマもあったな。
本当にそんな出会いがあるのか、わからない。
でも、経験してみることは大事だ。
「まぁ、そうだな。じゃあ、1日だけ」
チン毛大根は言った。
「では、こちらに記入を」
店長は、用紙をチン毛大根の目の前に置く。
用紙には『雇用契約書』と書かれている。
チン毛大根は記入する。
そのまま5分ほど経過。
「書けましたか?」
店長は聞く。
「はい」
チン毛大根は返事する。
店長は『雇用契約書』を回収する。
「では、早速、今から始めましょう」
店長は言った。




