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「空…… 今の聞いてた?」


「…… うん」



海の問いに空は複雑そうに答える。



「私がそうだったように空だって私がそう思ってたの知ってたよね?」


「知ってたよ…… 海ちゃんがりっくんの事好きだって事。 あたしだってりっくんの事がずっと好きだったから」


「でも陸はそんなの望んでないのかなって。 ずっと私達仲良し3人組でいたいのかなって思って我慢してたの」


「2人が俺の事好きだっていうのはわかったよ、ていうかありがとう。 あ、あれ? こんな事言ってる場合じゃないのにあれ? ……」



そう、こんな雰囲気に居たたまれなくなった俺は混乱してしまった。 自分で今何を言っているかすら定かじゃない。



「ほら、今のは聞かなかった事にするからさ…… 一緒に帰ろうぜ?」


「陸、認めたくないのはわかるけど逃げないで! ていうか認めたくないほど私達の好きって感情が嫌なの? 悲しくなってきた……」


「嫌ってわけじゃ…… でも俺急にそんな事言われて……」


「海ちゃん! どうしたの? 海ちゃんらしくないよ? あたし確かにりっくんの事は好きだけどいきなりそんな事伝えたら今みたいになるからずっと言わないでおいたのにそれなのにいつもあたし達を上手く纏めてくれてる海ちゃんがどうして?」


「空…… 空は見てないからわからないんだよ? このままじゃ佐々木さんに陸取られちゃうよ。 私もし陸が空を選ぶんだったらまだわかる。 だけど私か空以外なんて私は考えられない!」


「え…… 姫花と……? りっくん、どういう事?」



俺は…… 俺は佐々木にそんな気持ちは抱いてない。 だけど海はそう感じ取ってしまったって事か?



少し頭の中を整理しなきゃ……



2人はもうずっと前から俺の事が好きだった? いつから? いや、今そんな事はどうでもいい、俺の事が好きだったって事なんだ。



そして佐々木は俺の事を好きかもしれないって海は思って海自身は俺が付き合うんだったら海か空、どっちかにして欲しい、そういう事か?



だけど今日の佐々木と俺の様子を見て海は我慢出来なくなって俺の事を好きだと伝えた、そしてそこに空も居合わせてしまった。



そして流れで空も俺の事を好きだと知った。 俺と海と空の関係が崩壊してしまう危機に今俺は直面している。



ていうかなんで俺はこんな他人事みたいな分析を…… どうすればいいんだ!?



「俺、佐々木の事は別に特別な感情なんてないよ。 佐々木がもし俺を好きだったっとしても……」


「りっくん、もし姫花に迫られても特別な感情抱かないって思える?」


「俺は海の言った通りずっと海と空と仲良くいたかったんだ、俺は海と空は同じように好きなんだ」



俺は2人の好きという気持ちになんていい加減な返答をしているんだ? 同じように好きってつまりどういう事なんだ?

自分で言っていて意味がわからない……



「陸はやっぱり私と空の事は恋愛対象として見れないって事?」



海が暗い眼差しで俺を見てそう言った。 恋愛対象? 海と空を? だってそんな事したら俺達は……



「海ちゃん、りっくん困ってるから! 落ち着こう? そんなんじゃりっくんもなんて言ったらいいかわかんなくなっちゃうよ! ね?」



空が海を必死で宥める。 いつもとまったく逆の光景に俺はどうしようという焦りが出てくる。



「りっくん海ちゃんとりあえず帰ろう? ほら!」



空は俺と海に腕を回して引っ張る。 必死に場の雰囲気を落ち着かせようとしている空の姿がなんだか痛々しくて俺は2人に顔を合わせられない。



俺は海と空、どっちかを選ぶなんて出来そうにない。 それに…… やっぱりこのまま3人一緒にいたい。



学校を出るとさっきまで俺達を引っ張ってくれた空も思考が回ってきたのかだんだん元気がなくなってきた。



「どうすればいい?」



何か言わなきゃと思いやっと出た言葉がこれだった。



「「え?」」



2人が俺の表情を伺いながら疑問を疑問で返す。



「俺やっぱり海の事も空の事も好きだ。恋愛感情なのかよくわからないけど…… 2人は俺にとって大切だってのは確かなんだ。 佐々木や他の子達よりも…… 今はこれだけしかわからないし海と空と仲違いなんてなるのはもっと嫌だ」



自分の正直な気持ちを言った。 ハッキリとした2人の感情にこんな曖昧な答えだ、呆れるだろうな。



「呆れた……」



海はポツリと言った。 そうだよな、今まで一緒に居て海と空の想いに気付かなかった俺だもんな。 仮に気付いたとしても俺は逃げていたかもしれない。



「海ちゃん……」


「ごめん、呆れたのは自分自身。 空だってこうなるってわかってたのに私が気不味くさせちゃうなんてね…… ごめん陸、空」


「海ちゃんもういいよ、あたしりっくんが好き! 海ちゃんもでしょ?」


「え? うん……」


「あたしちょっと嬉しかったよ? りっくんがあたしか海ちゃんどっちか選んだとして、それが海ちゃんだったらあたしだって海ちゃんならって思うもん。 こんなダメダメなあたしでも海ちゃんってあたしの事認めてくれてたんだなって思って嬉しかった」


「空はダメダメなんかじゃないよ。 逆に私が……」


「そんな事ない、海ちゃんは凄いよ、あたし海ちゃんみたいになりたいなっていつも思ってるもん、それにりっくんにあたし達が好きだって事もうわかられちゃったんだしさ、意識してもらういいチャンスだって割り切ろうよ?」


「空…… 空に励まされちゃうなんてね。 うん、でもそうだね。 空のそんな所私も見習いたいって思うよ。 陸なんかごめん。 でも陸のバカ! 鈍感! そういう事だから!」



海と空はこれから自分達を異性としてしっかり見てと俺に言った。 2人からは俺達の関係が悪くなるとかそういうのは感じさせなかった。




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