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あと解散する時間まで僅かという所だがしっくりとする部活はなかなか見つからなかった。 名目幽霊部員として参加しておかなきゃいけないからしっかりサボれる所にしないとな!



「なかなか楽そうで居ても居なくてもいい部活ってないねぇ」


「だな、あ! 読書部なんてあるじゃん、あそこは如何にもサボれそうだな。 行ってみよう?」


「本当だ。 名前からしてよく眠れそうね」



俺は読書部兼図書室の扉を静かに開けた。 ああ、この雰囲気。 まさに俺が求めていた場所だ。 俺達が入ってきたにも関わらずあまり関心がないような部員? 部員なのかすら本を借りに来た奴らすらわからない。 うってつけだ。



「ねえ、ここ良さそうじゃないかな? 神城君の探してた通りの場所じゃない?」


「ああ、やっと見つけた…… これで下手な部活に入らないで済みそうだ」


「あははッ、私もここなら楽そうでいいかも。 ってあれ? あそこに海さんと井上君も居るよ?」



佐々木が指差した方向を見ると隅っこの方に海が見えた。 あいつもここに辿り着いたか、まぁそうだろうな。 ていうかあんな隅で何してんだ?



俺が海を覗き見ると海が俺に気付いた、その途端安心したような顔になり井上を置いて俺の所へ真っ直ぐ来た。



「陸もやっぱりここに来たのね、考える事同じね」


「そうだな、ここに入る事に決めたよ、海もそうするのか?」


「私は陸が入る所なら別にどこでもいいけどね」


「神城も来ちゃったかぁ、いい場所だと思ったのに神城見つけた途端夕凪すぐお前の方に行っちゃうんだもんなぁ」



井上がやれやれといった感じて俺達の所へ来た。 こいつにとっては邪魔しちゃったかな。



「陸と佐々木さんは他にどこの部見て来たの?」


「私達はコンピュータ部とか茶道部とか。 楽しかったよ、ね? 神城君」



佐々木が俺にニッコリ笑い掛けるのを見て海は頬を膨らませて少しむくれていた。



「佐々木さんはどこの部活に入るの?」


「えっとね、私もここにしようかなって思ってる所」


「じゃあ夕凪が入るなら俺もここに入部しようかな!」


「あはは、そんな難しい顔しないで海ちゃん。 仲良くやろうね!」



哀れ井上…… お前会話スルーされてるぞ。



「別に私そんな難しい顔なんてしてないし佐々木さんが入りたければ好きにしていいよ」



そんな事言って機嫌が悪そうな海である。 言い方にもなんかトゲがあるし……



「うん! じゃあよろしくね!」



佐々木はそんな海の態度を物ともせず海にもとびきりの笑顔を見せた。



「おーい、俺もここに入部しようかな…… なんて……」



放っておかれていた井上が遠慮しがちに俺達にそう言ってきた。 なんか可哀想に思えてきた……



「あ、井上君も入部するの?」



そんな井上に佐々木が気付いた。 良かったな、俺が話し掛けようと思ったけどな。



「陸、そろそろ時間だから帰ろう? 空も待ってると思うし」


「うん、そうだな。 じゃあ俺達これで帰るよ」



そう言って図書室を後にし空の所へ向かおうとしたら空から電話が掛かってきた。 もう校門の所で待っているとの事だった。



「空の奴もう校門で待ってるってさ」


「そっか。 ねぇ陸、やっぱり佐々木さんって陸と特別仲良くしたそうだね?」


「え? そんな風に見えるか? ただの友達なんじゃないのか……な?」


「じゃあ私と陸と空は何? ただの幼馴染?」



うん? どうしたんだ海の奴…… そんなに俺と佐々木の事が気に食わなかったのかな?



「うーん、幼馴染だろ?」


「違う」


「え? 違う?」



海は歩みを止め下を向いた。 なんだ…… 様子がおかしいぞ。



「私もうずっと前から陸の事好きなの。 私だけじゃない、空も陸の事好きなのよ? 陸は気付いてた?」


「え……」



一瞬時間が止まったかのような感覚になる。 海と空が俺を好き? 幼馴染としてではなく異性として?



そうだとしたらあれもこれも俺の事が好きだったから最近のこいつらは俺に対して大胆な行動を……



「陸だから…… ずっと私達陸だからって言ってたよね? それは陸の事が好きだからって事よ? 」


「海、俺は…… 海と空と3人でいるのが楽しくて……」


「うん、私も陸と空と3人でいるのがとても大好き。 だけどね、陸が欲しかった。 空も陸が好きなんだってずっと前から気付いてた。 この関係を壊したくないって私も思ってたけど私や空以外に陸が取られちゃうなら私がッ」


「海ちゃん……」



校門で待っていたはずの空がそこに居た……





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