21
「神城君はあまり活動的じゃなくて適当な部活を探してるって事は文化部系よね?」
「うん、そういう事になるかな。 コンピュータ部とか如何にもな所があるけど」
「じゃあそこから行きましょう?」
俺と佐々木はまずコンピュータ部を見学する事にした。 俺達の他にも何人か見学に来ていた、なんか結構賑わっている。
検定や資格を取れるみたいだ。 インターネットも出来るようだけど今時はそんなの普通だな…… 多分海も俺と一緒の部になると思うし。
「やぁ、君達も見学かい!? 遠慮しないでどんどん見ていってくれ、特に君!」
部長と思わしき膨よかな体型のオタクっぽい先輩が佐々木に食いついた。 佐々木は可愛いもんな、俺は眼中になさそうだけど、あはは……
「あ…… はい、どうも」
「ほ、ほら! 席空いてるからさ」
「わわッ!」
先輩は佐々木の手を掴んで席に座らせた。 仕方ないので俺も席につこうかと思うと先輩は佐々木の隣に座り教え始める。
ええ? この人見た目によらず結構強引だなぁ。 佐々木も少し困ってるし…… 仕方ない。
「佐々木もう行こうか?」
「神城君? あ、うん。 すみません先輩、今日は時間がないので雰囲気だけ見に来たんです」
「え? そうなの? じゃあ是非コンピュータ部入部の検討よろしく!」
「あはは…… 」
佐々木はそそくさと部室を出た。
「はあ〜、神城君ありがとう。 あの先輩にちょっとびっくりしちゃった」
「まぁ佐々木って可愛いからな」
「え?」
あ…… 可愛いってつい言ってしまった。 だけど佐々木は実際可愛いしさっきみたいに男からモテそうだし言われ慣れているかもしれないし大した事ないよな?
「神城君…… 私の事可愛いって思ってたんだね?」
「…… あー、まぁ他の人から見たって佐々木は可愛いと思うし」
「他の人はいいから。 でもありがとね。 素直に嬉しい、じゃあ次の部活行きましょう?」
佐々木は笑みを浮かべて俺の肩に自然と手を乗せて俺の顔を覗き込むようにそう言った。 なんかちょっとそういう風にされると俺だって照れくさいな。って海と空に怒られる。 俺は佐々木から顔をそらして言った。
「佐々木はどこか見てみたい所とかあるか?」
「え? 私も選んでいいの?」
「当たり前だろ? せっかく一緒に回ってるんだし」
「ありがとう、じゃあ茶道部とかあるから見てみたいな」
茶道部とはなんか渋いな佐々木。 着物姿でお茶を作る佐々木を想像してみる。 あれ? でも佐々木がやると結構いいんじゃないか?
「神城君?」
「ああ、ごめん。 佐々木がお茶淹れてる所想像してしまった」
「え? あははッ! 何それ〜? あ! でも神城君が私にお茶淹れて欲しいならしてあげるよ? ほら、行ってみよ!」
そして俺と佐々木は茶道部にお邪魔してみた。
「な、なんか少し緊張するね?」
「なんていうか独特な空気だな…… 部活なのに」
そんな事をコソコソ話す俺達に先輩がキッと睨みをきかせた。
そして俺達は先輩指導のもと、それらしい振る舞いをして茶を点てる。 この年季の入っていそうな容器…… なんか別の空間に来たみたいだ。 部室に入った時から既にそうだったけど。
宇治抹茶か。 お茶をかき混ぜる某…… 茶筅って言ったっけ? かちゃかちゃとかき混ぜ飲んでみる。 あ、意外と美味しい! 普段コーヒーばっか飲んでるけどお茶も悪くない。
「神城君、神城君!」
小さな声で佐々木に呼ばれた。 佐々木の方を見ると佐々木は俺にお茶を出していた。
「飲んでみて?」
佐々木のお茶を飲んでみる。 俺の淹れたお茶とあまり味は変わらないけど、でもなんか淹れてもらうと美味しい気がした。
「オホンッ!」
そんな事をしているとまた先輩にキッと睨まれた。 ははは……
そして茶道部を出た。 やっぱり独特の緊張感があったなぁ。
「ふぅ、なんか緊張したね! 私の淹れたお茶どうだった?」
「そうだな、でも佐々木のお茶美味しかったよ」
「良かった、私も意外と美味しくてびっくり! 」
あれ? 佐々木も飲んだのか? てことはあのお茶…… 佐々木と間接キスをしてしまったのでは?
「どうしたの? 神城君」
「あ、いや。 なんでもない」
これは海と空には言えないな、勘付かれるかもしれないし茶道部見学した事は内緒にしておこう。




