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空の家から出て俺達は3人で学校に向かっている時、俺は海を見て昨日の学校の出来事を思い出していた。
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「クラスが一緒だったのは超嬉しいけど席までは一緒になれなかったねぇ……」
「苗字順だから仕方ないじゃない。私なんて空も遠いし陸なんて1番離れてるよ…… なんか遥か彼方に感じるわ」
海はシュンとしてそう言った。
「大袈裟だな、同じクラスメイトなんだからいいだろ? それにお前らの周り賑やかじゃん、男子からも女子からも」
「あたし興味ないもん!」
「私もだし」
「海も空も知らないうちに好きなやつとか出来て彼氏なんか作ってんじゃねぇの? 小中までと違って知らない奴ばっかだし気にいる奴とかさ」
「「ありえない!」」
ええ!? そこまで否定するなよ…… なんか怒ってるし。 でもこいつらにもし彼氏とか出来たら今のこの関係は成り立たなくなりそうだな。 それはそれで寂しいような気がする。
「りっくんこそ隣女子じゃん。 しかも可愛い」
「そりゃあ学校なんだから女子くらいいるだろうし隣にもなるだろ?」
「そ、そりゃあそうだけど…… う、海ちゃん!」
「空が言いたいのはね、もしかして陸はその子の事が好きになって自分だけ抜け駆けして彼女なんか作らないかって事よ」
そう言うと空はうんうんと首を振っている。 なんで好きになるんだよ? だったら小中でも言える事じゃないか。 あれ? でも俺って実際の所どうなんだろう? いや、別にピンとも来ないし考えるまででもないか。
学校に着き席に座るとまだ名前も定かではない男子に話しかけられた。
「ええと…… あ、神城だ! 俺は新井 奏太。 それで神城ってさ、あの2人と仲良いんだよな? 入学式から一緒にいるようだし」
「ん? ああ。 あの2人とは幼馴染だからな」
「そういう事か! で? 神城ってあの2人のどっちと付き合ってるんだ?」
「付き合う? どっちとも付き合ってないぞ? なんでそうなるんだよ?」
どっちかなんて選べないよな。 それにそんな気は俺にはないし。 2人もそうだよな? だっていつも3人一緒がいいだろうし。
「ふぅん? 幼馴染であんなに仲良くて神城君とは付き合ってないねぇ」
突然隣に座っていた女子の佐々木 姫花が話に割り込んできた。 佐々木は隣になってからよく俺に話し掛けてくれた。 佐々木もあまりこの高校に知り合いがいないらしく同じだねと言って意気投合したのだ。
だけどクラスが決まったその日にもう佐々木は結構友達が出来ていた、まぁ佐々木も海や空と同じで見た目がいいからそうなるだろうし愛想もいいからな。
「え? 佐々木もなんか気になるの?」
話に入ってきた佐々木に新井はそう言った。
「うん、だってあんなに可愛い2人と神城君凄く仲良さそうだったからね。 モテるんだなぁって思って。 そっかぁ、幼馴染で仲が良かったのね? じゃあ神城君は2人のうちどっちか好きなの?」
「え? いや…… あんま考えた事なかったな」
「そっか、じゃああの2人はフリーなんだな? それが聞きたかったんだわ」
そうして新井はこちらを見ていた空の方へ行った。
「フフッ、新井君は星野さんが目当てだったのかな?」
「ああ、そういう事か」
「平気なの? 幼馴染取られちゃうかもよ?」
「いや、大丈夫だろ。 空は中学でもモテてたけど誰とも付き合わなかったし」
「なんでだろうね?」
佐々木は含みがこもったような感じで言った。 そういうのは空も海も考えてないって言ったから別に誰と付き合うとか興味ないんだろ。
「だってあいつら誰かと付き合うのとかそういう事はまだいいって言ってたしな」
「本当にそうかな? 神城君もそうなのかな? 例えばあの2人じゃなくて誰か別な人とか」
「うーん、どうだろ? 俺は別にモテる方でもないけどまぁ今の所学校に慣れるのが1番かなって思ってるし」
「そうかな? 神城君は少し自分の事過小評価してるんじゃない? 結構かっこいいわよ?」
「あはは、お世辞でも嬉しいよ」
そう言うと佐々木は笑ってお世辞じゃないよと言った。 やっぱ佐々木はサラッとそんな事が言える辺り人付き合い上手そうだな、すぐに友達出来たのも納得だ。
そして新井が空の方からこちらに戻って来た。
「ダメだぁ、撃沈だわ。 俺にまったく興味なさそうだわ、ありゃあ誰か好きな奴居たりして」
「好きな人が居るんじゃなくてあいつは別に誰と付き合おうとか思ってないんだよ」
「そうなのか? だったらまだ俺にもチャンスあるかもなぁ、次は夕凪にでも声掛けてみようかなぁ」
切り替えが早いけど同じだと思うぞ? と思ったがやめておいた。 言っても聞かないと思うし俺がとやかく言うのはおかしいしな。 そして新井は一旦席に戻った。
「幼馴染なだけあって夕凪さんと星野さんの事信頼してるんだね?」
「んー、信頼か? でもまぁあいつらを好きにさせるのって結構大変だと思うな」
「うん、私もそう思ったよ、それに神城君もね」
「へ? 俺が? さっきも言ったけど俺って大した事ないからそこまでするほどの奴じゃないって」
佐々木はそうかな? と言ってHRの時間が始まり先生に俺と佐々木は顔を向けた。




