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「じゃあ仲良くなった記念にここからの景色見せてあげるよ?」
そう言って芹香は姫花に手を差し出した。 ハシゴがあるんだからそこから上がれば良いのにと思ったけど水を差さないようにする。
姫花が手を掴み芹香が引き上げようとするが小柄な芹香が大きい姫花を持ち上げるのは不可能……
「ひ、姫花重い……」
「お、重くないよ! 重くないからね?陸君!」
何故か姫花は俺にそう言ってきた。 まぁ芹香にしてみれば重いんだがその横で重いと言われた姫花を海はクスクスと笑っていた。
重いネタが姫花に移って愉快なんだろうな。 そうして芹香が姫花を持ち上げようとしていると……
「あッ!!」
あまりにも予想通りの事が起きたので俺は芹香の足を掴んだ。 姫花が重くて引き上げるはずの芹香がずり落ちそうになった。
だけど予想していたより2人分の体重が掛かり流石の俺もずり落ちそうになった。 もしかしてヤバい? 海も状況を把握したのか真っ青な顔になっていた。
「りっくんッ!!!」
空が鬼気迫る表情で俺の腰を掴んだ。 あれ!? いつの間に? 部活は?? どっから出てきた? まるで瞬間移動してきたかのような空の行動に俺は戸惑ったけど助かった。
「よ、良かった、間に合った……」
「え!? なんで空がそこにいるの?」
「ええと…… 部活の休憩中にたまたまりっくん見掛けて」
「え? あ、うん…… でもなんで? いつの間に…… まぁ助かったけど」
「は、離せバカ! スケベッ!」
「いや、離したら芹香落ちるだろ? ていうか後ろ向いてるしそこにハシゴあるから海と姫花そっちから上がって来いよ」
「う、うん! そっちから行くね芹香ちゃん。 陸君…… ていうか空ちゃんいつの間にいたの?」
「さっき言ったようにたまたまだって」
そして海と姫花が屋根の上に来る。 そして上から見下ろすと中途半端な高さなので屋上の床しか見えない。
「なんか…… 屋上がよく見えるね…… 」
「これはこれである意味いい眺めだけど」
「ね? よく下が見えていいでしょ?」
海と姫花が割と大した事ない風景を眺めていると芹香の視線を感じた。 俺が芹香を見返すと芹香はそっぽを向く。 ていうかそれよりなんで空が? 俺体育館なんて行ってないぞ?
「さあ、なんか丸く収まったようだし図書室戻ろっか? 行こう陸。 てか空が私には不可解なんだけど……」
「さっきも言ったじゃん? たまたまりっくん見掛けてこっそりついて行って脅かそうと思ったらって」
「だったら私達も空がここに来る途中ばったり遭遇しそうだけど……」
「ほら! あたし運動神経いいからさ。 みんな行こう? あたしもそろそろ部活戻らなきゃ」
「そうだよな、流石に空は休憩し過ぎじゃね?」
「あうう…… 絶対怒られる」
「あ、私も行く! 芹香ちゃんも行く?」
姫花は芹香を誘った。
「え? あ、うん。 じゃあ図書室の前まで一緒に行こうかな。 それからは邪魔しちゃ悪いし」
「え? 芹香ちゃん来ないの?」
「私空気読める良い子だから。 でもまだよくわかんないなぁ。 海ちゃんも空ちゃんも姫花まで陸のどこが良いの?」
ああ、さっきの視線はそういう事か。
「好みは人それぞれじゃない。 私は陸がいいの」
「あたしも海ちゃんに同じく!」
芹香の問いに海はそう答えた。
「海ちゃん空ちゃんは幼馴染らしいしさ、なんとなくわかる気もするけど」
「私は…… 陸君は私が初めて男の子としてこの人好きだって思った人だから。 私それまでそういうのよくわからなかったって言ってたよね? でも陸君は初めてそういうキッカケを持てた人なの。 だから陸君は特別」
「ふぅん。 それがこんなややこしい事態になってるわけね」
「うん、ややこしいけどそれがあたし達だからさ」
なんだか知らんうちに空が纏めた。 図書室まで芹香と空は一緒でそこから別れた。
「はぁ、なんかドタバタしたけど良かったな姫花」
「うん、陸君に海ちゃん空ちゃんが居てくれたお陰だよ」
「いや、俺達ほとんど何もやってないけどな。 てか空が居た事にビックリだったけどさ」
「そうよね。 少し空の話おかしいけどまぁなんか陸も危なそうだったから空が居てくれて良かったわ」
本当あの時空が居なかったら…… いくら高くなくても態勢がヤバかった。 芹香は首から落ちて俺はその芹香を圧し潰していたかも。
考えるとゾッとしたが結果オーライ。 後で空に何か奢ってやろう。 そして空が部活の時間が終わるので迎えに行くと空は怒られていた。 まぁあれだけ抜けてたらそうだろうな。
「うえ〜、怒られちゃった」
「まったく…… まぁでもありがとな空」
「にしし、りっくんに褒められたからいいや」




