表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/8

幕間

「おっ、いるね」

 風防越しに見える景色にある黒点を数えていく。

「機長、敵艦隊発見の報は?」

「ひいふうみ……ざっと、15隻か。艦影が分からないから、もう少し続けたいんだけどね。ただ、欲をかいてもしょうがないかなぁ」

「雲量が多いので、完全を期すならば、もう少し接近すべきでしょうが」

 言外に哨戒している敵機への警戒がうかがえる。我が相方のやさしさには涙が出るね。

 今日の空は、視界不良。雲量多く、こちらも見つかりにくいが、敵も見つけにくい。

 絶好の忍者(偵察飛行)日和なんだけど、確かに相手さんを考えると怖い。

 北域洋上国家、アリステイル。

 そこに滞在しているであろう一つの航空団。


 Red of(呂布) VaviroNという航空団。


 見つかれば最後、私は手も足も出ずに落されると確信を持って言える。怖くもありあこがれの存在。 


 一番機、コールネーム:ポーラスタ。

 全ての伝説の頂点。チーム名の異名たる根源。

 女性にして陸では、気さくでさばさばした口調。男らしい振る舞いから女性プレイヤーからの人気が高い。空では、その技量の高さから、古の一騎当千の猛者になぞらえて呼ばれる畏怖の象徴。

 ソロにして、一個師団戦力と呼ばれた彼女が、メンバーを増やしたとの情報は私も含めて、サンタマリアの空内に激震として走った。


 二番機、コールネーム:ポラリス。

 伝説に参画した新たなプレイヤー。

 私と同じ偵察機乗りで男性。私も含め大多数のポーラスタファンの羨望と嫉妬を受けている諸悪の根源。

 技量がずば抜けて高い訳でもなく、なぜ、彼が僚機を射止めたのかはわからない。

 正直言って、偵察気乗りが良かったのなら私にもチャンスはあったと思う。こう見えて私も偵察気乗りの中では、古参でランカーだと自負している訳だから。


「機長。敵艦隊を完全に視認。空母2、護衛艦10、補給艦3の構成です」

「よし、すぐに無線封鎖を解除。本隊に情報おくれ」

「了解しました」

 とりとめもなく考えていたら、敵艦影を区別できるまで近づいていた。気を引き締めないと。いつ怖い鬼がやってくるかもわからない。


 カン


「っつ!?」


 音に驚く。今のは、弾が装甲にあたった音。抜かれてはいないと思うけど、当てられた。

 風防から見える全天をあわてて見回す。

「レーダー」

「No」

「目視」

「No」

「方角」

「……算定五時の方角。斜め後方」

「推定」

「遠距離による狙撃。12.7㎜アンチマテリアルライフル相当。装甲の厚さと衝撃緩和材に守られました」

 急旋回。算定された方角に目を凝らす。

 視界が悪い。

「情報」

「本隊送信完了」

「引き続き接触を試みたいところだけど」

「機長。離脱を進言します。問題多し」

「だよね。これより、離脱を開始する」

 一発だけ、撃たれたというのがすごく気にかかる。

 機銃弾ではなく、相方の分析が対物狙撃銃というのがとても気にかかる。いや、いやな予感がする。そう、手におえない何かに這いよられる感じ。

 背中の悪寒。それに従って、反射的にフットバーをけりこんで機体をひねる。


 カン


 それでもあたった。まるで吸い込まれるように。

 これが呂布だというのだろうか。


「レーダーに機影確認。1時の方向、距離1000」

「相対速度」

「ほぼ等速。見えませんか?」

「雲が厚すぎてわからない。でもいるのね」

「はい、います。単機です」

「上等、つっこむよ」

 わずかに速度をあげ、視界の悪い雲海に愛機を突っ込ませる。即座に距離がつまるはずだ。

「すれちがいます」

 巡航速度から加速した機体。その流れる風防から見えたのは同じ偵察機。

 ちらりと見えた搭乗者の手には、なにやら銃らしきものが抱えられているのが見えた。

「あれで撃ったというの? 」

 つぶやきに誰が答えるわけもなく、ただ、離れていく。

「機長。逃走を」

「言われるまでもなく。あれがポラリス……」

 機体を雲海に突っ込ませて、逃走を図る私。無様でも生き抜くことが勝利とは言え、何とも口の中に苦味の広がる逃走だ。

 呂布の二番機は、やはり呂布なのか。たぶん誰に話しても信じてはもらえないだろう、この邂逅は。それだけ奇天烈なプレイヤーだということか。








         ――Red of VaviroN――


概要

 トップ航空団の一つ。あまりの一騎当千ぶりから呂布という将号がある。もとはソロ航空団の名称。現在は、偵察気乗りを加えたコンビ航空団である。

解説

 1番機、ポーラスタのコールサインを持つ、ミオ・アカイ二佐。別称として、一騎当千、カミカゼ、赤い薔薇姫、八咫烏を連れる者。総飛行時間公式発表1000時間オーバーの猛者。エースオブエース。参加したイベントでの参加勢力の敗北はないなど、ソロ時代の伝説のままに語られる。

 2番機、ポラリスのコールサインを持つ、アオバ・カンザキ一尉。別称としては、神弓。偵察気乗りとしては、ランキング上位を争い、また、曲芸撃ちを持つ。




エピソード

○各イベントに書かれていることが多いので割愛。



 《大電脳遊戯事典 サンタマリアの空/航空団一覧より》


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ