第二十八話 蒼聖勇装の実戦試験
翌朝。
「今日は実戦」
宿の自室。
姿見の前で、新しく作った装備を確認する。
白を基調にした《蒼線騎士服》。
胸元を守る白銀の《聖銀胸甲》。
左腕全体を覆う《聖銀全甲籠手》。
太腿までを守る《聖銀長脚甲》。
そして白い《白聖布面》。
腰の左右には二振りの《双耀聖剣》。
背には白銀の大型聖弓。
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《聖蒼銀弓》
S級
英雄級
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「やっぱり好き」
白銀。
青。
正統派の勇者装備。
昨日作ったばかりだけど、かなり気に入っている。
「今日はちゃんと戦って確かめよう」
◇◇◇
裏庭へ出る。
「ノルン、おはよう」
「ウォン!」
「今日は新装備の実戦試験」
「ウォオオン!」
「ノルンもやる気だね」
私は《転移座標》を確認する。
目的地は以前登録しておいた王都西方の森林。
ただし。
「いつもの森じゃ弱すぎるかな」
今の私はLv98。
装備も大幅に更新。
スキルも百個追加。
「もっと奥にしよう」
まず王都西方の登録地点へ転移。
「《空間転移》」
銀白色の光。
一瞬で景色が変わる。
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《空間転移》
成功
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そこからノルンとさらに西へ進んだ。
◇◇◇
三十分ほど。
森林が途切れ。
大きな岩山と草原が混ざった土地へ出る。
「ここ初めて」
《上級索敵》。
《霊脈素材探査盤》。
両方を起動する。
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《未登録地域》
魔物反応:多数
素材反応:多数
希少反応:11
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「いい場所」
まず素材。
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《自動収集》
《蒼魔草》×72
《白銀根》×48
《雷晶苔》×65
《蒼鋼花》×38
《硬晶茸》×44
《青魔樹脂》×51
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「新しいのある」
《蒼鋼花》。
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《蒼鋼花》
分類:希少植物素材
品質:良質
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青色の金属成分を蓄積する特殊植物。
主用途:
《金属強化薬》
《魔力伝導補助剤》
《青系染料》
《魔導装備素材》
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「青い装備に使えそう」
収納。
さらに。
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《鉱物反応》
距離:180m
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「寄る」
「ウォン!」
◇◇◇
岩場。
露出した鉱脈。
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《蒼銀鉱》
品質:良質
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《風銀鉱》
品質:良質
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《ミスリル銀鉱》
品質:良質
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「採掘」
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《蒼銀鉱》×140
《風銀鉱》×92
《ミスリル銀鉱》×180
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「いい感じ」
その時。
ノルンが前方を見る。
「グル……」
「来た?」
《上級索敵》。
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《蒼鋼甲蜥蜴》
Lv84~91
×12
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「ちょうどいい」
全長三メートル前後。
青灰色の金属質な鱗。
背中には鋭い棘。
十二体が岩場から這い出してくる。
「まず弓」
《聖蒼銀弓》を構える。
魔力を流した瞬間。
青い魔力線が鮮やかに光った。
「軽い」
大型弓なのに。
魔力が驚くほど素直に流れる。
「《聖魔力矢》」
白青色の矢が十二本。
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《魔力矢高速生成》
《魔力矢多重生成》
発動
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「速い」
《エクリプス・ブレスレット》。
《ヘキサ・アストラルリング》。
新しい弓。
全部が重なっている。
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標的捕捉:12
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「《多重標的射撃》」
放つ。
シュンッ!
十二本。
ほぼ同時。
次の瞬間。
ドドドドドドッ!
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《蒼鋼甲蜥蜴》
×12
討伐
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「……」
私は少し黙った。
「一発?」
「ウォン?」
「いや、一体につき一本だけど」
それでも。
Lv90前後。
金属質の硬い鱗を持っている。
「普通に全部貫いた」
《ルミナス・ミスリルアーク》を見る。
「強い」
純粋な正面火力なら。
やっぱり《ファントム・ブラック・ムーン》より上。
◇◇◇
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《自動収集》
《蒼鋼甲蜥蜴の鱗》×240
《蒼鋼甲蜥蜴の硬皮》×180
《蒼鋼甲蜥蜴の爪》×120
《蒼鋼甲蜥蜴の牙》×100
《蒼鋼甲蜥蜴の魔石》×120
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《宝箱ドロップ》
《銀の宝箱》×4
《金の宝箱》×2
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「箱もいい」
全部収納。
◇◇◇
さらに草原を進む。
今度は。
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《紅牙戦猪》
Lv88~94
×7
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大型の猪型魔物。
赤黒い体毛。
長い牙。
突進型。
「今度は剣」
《ルミナス・ミスリルアーク》を収納。
腰へ手を伸ばす。
シャリンッ。
左右。
二振り。
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《双耀聖剣》
S級
英雄級
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「行く」
七体が突進してくる。
まず。
「《疾風加速》」
風を纏う。
さらに。
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《超敏捷強化》
《超反応強化》
《上級二刀流》
発動
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一歩。
景色が流れる。
「速っ」
自分でも驚く。
一体目。
右剣。
ザンッ!
二体目。
左剣。
シュバッ!
三体目。
交差。
「《双剣連撃》!」
青白い二本の軌跡。
四体。
五体。
六体。
そして。
最後。
「《装甲断ち》!」
二振りを同時に振り抜いた。
ズバァンッ!
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《紅牙戦猪》
×7
討伐
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「…………」
振り返る。
七体がほぼ同時に倒れた。
「剣も強い」
というより。
「装備とスキル、一気に増やしすぎたかな」
「ウォン!」
「でも楽しいからいいか」
◇◇◇
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《剣系実戦熟練条件》
進行
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《剣聖》
解放進行度:
上昇
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「お」
やっぱり実戦が必要だったらしい。
「もっと剣使おう」
◇◇◇
その後も探索を続ける。
飛行型。
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《蒼翼刃鳥》
Lv86~92
×16
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《ルミナス・ミスリルアーク》。
「《疾風魔力矢》」
「《連続狙撃》!」
シュシュシュシュシュッ!
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《蒼翼刃鳥》
×16
討伐
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岩石型。
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《重甲岩熊》
Lv91~95
×4
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「硬そう」
なら。
「《黒雷》!」
黒紫色の雷。
バヂィィィィンッ!
一体。
二体。
三体。
四体。
岩石質の装甲を貫く。
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《重甲岩熊》
×4
討伐
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「黒雷かなり強い」
普通に撃てる上級魔法なのに。
威力はかなり高い。
◇◇◇
次。
草原の奥。
巨大な植物型魔物。
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《鉄樹巨人》
Lv93~97
×3
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「火に弱そう」
普通の火魔法でも倒せる。
でも。
「せっかくだから」
右手。
「《黒炎》」
黒炎が集まる。
「撃つ」
ボォォォォンッ!
一体へ直撃。
黒い炎が全身を包む。
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《鉄樹巨人》
討伐
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「一体ずつだと遅い」
残り二体。
「《多重魔法発動》」
左右の手へ。
「《黒炎》」
「《黒炎》」
二発同時。
ドォォンッ!
ドォォンッ!
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《鉄樹巨人》
×2
討伐
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「これ便利」
◇◇◇
さらに。
闇属性も試す。
前方。
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《光角大鹿》
Lv95
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白い大角。
光属性。
「なら闇」
右手へ黒紫色の魔力を集める。
「《暗黒槍》」
細長い闇の槍。
放つ。
ズシュンッ!
光角大鹿の防御光を貫く。
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《光角大鹿》
討伐
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「闇魔法もいい」
さらに。
「融合も」
別の魔物。
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《白晶鎧獣》
Lv96
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水属性が通りそう。
「《水刃》」
青い水刃。
「《闇属性融合》」
黒紫色の魔力。
融合。
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水
+
闇
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《威力大幅上昇》
《切断力大幅上昇》
《魔力侵蝕》
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「行け」
藍黒色の水刃が飛ぶ。
シュバァァンッ!
一撃。
白い晶鎧ごと切断。
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《白晶鎧獣》
討伐
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「普通の水刃より全然強い」
闇属性は。
単体でも使える。
さらに他属性へ混ぜれば高火力化。
「取って正解」
◇◇◇
昼を少し過ぎた頃。
「かなり試せた」
新しい弓。
二刀流。
黒炎。
黒雷。
闇魔法。
属性融合。
全部。
かなり強い。
でも。
「極大魔法はまだ」
周辺一帯を巻き込みそうで怖い。
「もっと広い場所か、大型ボスが出た時」
その時。
ノルンが立ち止まる。
「ん?」
「グルル……」
《上級索敵》。
大きい。
一体。
こちらへ向かってくる。
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《特殊個体反応》
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「強い?」
《上級鑑定》。
岩山の向こうから。
巨大な影。
青黒い翼。
銀色の角。
四本脚。
長い尾。
竜系。
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《蒼雷銀角飛竜》
Lv108
区分:
《徘徊強敵》
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高位雷属性を操る大型飛竜。
銀色の巨大角に雷魔力を集中し、
超高速の突進と雷撃を使用する。
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主能力:
《蒼雷纏》
《雷角突撃》
《蒼雷砲》
《高速飛翔》
《雷障壁》
《雷嵐翼》
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「Lv108」
今の私より十上。
しかも。
ワンダリングモンスター。
「ちょうどいい」
「ウォオオン!」
「ノルンも?」
「ガウッ!」
私は《聖蒼銀弓》を構える。
白銀の弓身に青い光が走る。
「新装備の本気試験」
◇◇◇
「ギャオオオオオッ!」
《アズール・サンダーワイバーン》が翼を広げた。
青白い雷が全身を包む。
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《蒼雷纏》
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一気に飛翔。
「速い!」
でも。
今の私は。
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《超狙撃》Lv10 MAX
《超精密射撃》Lv10 MAX
《予測射撃》Lv10 MAX
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軌道が見える。
「《魔力照準》」
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標的捕捉
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飛竜の口が開く。
━━━━━━━━━━
《蒼雷砲》
━━━━━━━━━━
「撃たせない」
右手。
「《黒雷》!」
黒紫色の雷を先に放つ。
バヂィィィンッ!
青白い蒼雷砲と正面衝突。
ドォォォンッ!
「相殺できた」
飛竜が高度を上げる。
「次は弓」
《聖蒼銀弓》。
白青色の魔力矢。
「《限界魔力充填》」
━━━━━━━━━━
《魔力充填》
100%
150%
200%
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「まだ行ける」
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250%
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《ヘキサ・アストラルリング》が輝く。
《エクリプス・ブレスレット》も反応。
━━━━━━━━━━
《魔力矢威力超強化》
《射撃威力超強化》
《魔力収束威力超強化》
━━━━━━━━━━
「《魔穿狙撃》」
超収束。
標的は。
左翼。
「撃つ」
シュン――。
次の瞬間。
ドォンッ!
━━━━━━━━━━
《蒼雷銀角飛竜》
左翼損傷
━━━━━━━━━━
「一発でかなり入った」
飛竜が高度を失う。
「ギャオオオッ!」
でも。
まだ戦える。
翼を強引に動かし。
こちらへ突進。
━━━━━━━━━━
《雷角突撃》
━━━━━━━━━━
「ノルン、離れて!」
「ウォン!」
私は弓を収納。
二振りの聖剣。
抜刀。
「近接も試したい」
青白い雷を纏った巨大飛竜が一直線に来る。
「《空間転移》」
一瞬。
消える。
飛竜の背後へ。
「ここ」
空中。
《連続転移》。
さらに。
背中の上。
「《双剣連撃》!」
右。
左。
右。
左。
白銀の斬撃が高速で走る。
ガガガガガンッ!
━━━━━━━━━━
《背部鱗》
破壊
━━━━━━━━━━
「《属性剣》」
両方の聖剣へ。
光。
さらに。
「《闇属性融合》」
━━━━━━━━━━
光
+
闇
━━━━━━━━━━
《蝕光属性》
成立
━━━━━━━━━━
「《装甲断ち》!」
二振り。
交差。
ズバァァンッ!
━━━━━━━━━━
《蒼雷銀角飛竜》
背部装甲
大破
━━━━━━━━━━
「ギャオオオオッ!」
飛竜が暴れる。
「離れる」
「《短距離転移》」
地上へ。
「便利」
◇◇◇
飛竜がこちらを睨む。
かなり怒っている。
角へ。
翼へ。
全身へ。
大量の雷。
━━━━━━━━━━
《雷嵐翼》
《蒼雷纏・最大》
━━━━━━━━━━
「本気かな」
なら。
「こっちも」
《聖蒼銀弓》を構える。
でも。
《六耀魔穿狙撃》までは使わない。
「それはもっと上の相手に取っておく」
今は。
新しく取得した。
「闇融合」
魔力矢。
「《雷撃魔力矢》」
青白い雷矢。
そこへ。
「《闇属性融合》」
黒紫色の闇。
青白い雷が。
より深い黒紫色へ変わっていく。
━━━━━━━━━━
雷
+
闇
━━━━━━━━━━
《黒雷属性魔力矢》
成立
━━━━━━━━━━
「これは上級魔法の《黒雷》とは別」
《黒雷》は純粋な高火力雷魔法。
こちらは。
雷属性魔力矢へ闇を融合したもの。
「でも威力はかなり上」
さらに。
「《限界魔力充填》」
━━━━━━━━━━
200%
━━━━━━━━━━
「《魔穿狙撃》」
黒紫色の超収束矢。
「撃つ」
放つ。
無音。
直後。
バヂィィィィィィンッ!
黒紫色の雷光が、飛竜の雷障壁を真正面から撃ち抜いた。
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《雷障壁》
破壊
━━━━━━━━━━
そのまま。
胸部。
貫通。
さらに背後へ。
「ギャ――」
声が途中で消えた。
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《徘徊強敵討伐》
《蒼雷銀角飛竜》
Lv108
討伐成功
━━━━━━━━━━
「……強い」
新しい装備。
新しいスキル。
かなり。
◇◇◇
━━━━━━━━━━
LEVEL UP
Lv98
↓
Lv103
━━━━━━━━━━
「百超えた!」
とうとう。
Lv103。
「三桁」
少し嬉しい。
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《弓系実戦熟練条件》
大幅進行
━━━━━━━━━━
《弓聖》
解放進行度:
大幅上昇
━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━
《剣系実戦熟練条件》
進行
━━━━━━━━━━
《剣聖》
解放進行度:
上昇
━━━━━━━━━━
「両方進んだ」
特に弓。
「近いかも」
◇◇◇
そして。
ワンダリングモンスター。
当然。
━━━━━━━━━━
《自動収集》
《蒼雷銀角飛竜の蒼雷鱗》×120
《蒼雷銀角飛竜の翼膜》×40
《蒼雷銀角飛竜の銀角》×20
《蒼雷銀角飛竜の爪》×40
《蒼雷銀角飛竜の牙》×30
《蒼雷銀角飛竜の雷袋》×20
《蒼雷銀角飛竜の魔石》×10
《蒼雷銀角飛竜の肉》×250
━━━━━━━━━━
さらに。
━━━━━━━━━━
《レアドロップ》
《蒼雷飛竜核》×1
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「核」
━━━━━━━━━━
《蒼雷飛竜核》
分類:
希少魔物素材
品質:
逸話級
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高密度雷属性魔力と
飛行魔力を蓄えた高位飛竜核。
主適性:
《雷属性強化》
《高速移動》
《飛行補助》
《魔力加速》
《高位魔導装備》
━━━━━━━━━━
「これも使えそう」
収納。
そして。
━━━━━━━━━━
《徘徊強敵討伐》
宝箱確定
━━━━━━━━━━
光。
かなり強い。
「このLvなら」
現れたのは。
━━━━━━━━━━
《白金の宝箱》
×1
━━━━━━━━━━
「白金!」
Lv108。
ワンダリングモンスター。
私の幸運補正。
「納得」
収納。
◇◇◇
夕方前。
「今日は帰ろう」
「ウォン!」
かなり満足。
新装備の性能も分かった。
新スキルも試せた。
Lv100も超えた。
《弓聖》《剣聖》の条件も進んだ。
そして。
「勇者装備、やっぱり好き」
白銀の聖弓。
白と青の騎士装備。
二振りの聖剣。
「これで街歩くのもいいかも」
いつもの黒装備だと。
どうしても隠密系冒険者に見える。
今の装備なら。
「ちゃんと勇者っぽい」
◇◇◇
「《空間転移》」
登録地点。
銀の月亭・裏庭。
銀白色の光。
一瞬で帰還。
━━━━━━━━━━
《空間転移》
成功
━━━━━━━━━━
「ただいま」
「ウォン!」
装備を外す前に。
「ギルドにも報告しようかな」
Lv108のワンダリングモンスター。
新しい地域。
新しい素材。
報告することは多い。
「このまま行こう」
◇◇◇
冒険者ギルド。
扉を開けた瞬間。
少しだけ静かになった。
「……?」
何人かの冒険者がこちらを見る。
白い騎士服。
白銀の胸甲。
左腕のミスリルガントレット。
二振りの聖剣。
白銀の大型聖弓。
「なんだ、あの装備……」
「全部ミスリルか?」
「いや、魔力反応が……」
少し目立つ。
「黒装備より目立つね」
当然だけど。
受付へ。
「エレナさん」
「はい――」
エレナさんが顔を上げた。
止まった。
「……リリスさん?」
「はい」
「ですよね?」
「そうです」
「随分……印象が変わりましたね」
「新しく作りました」
「それを全部?」
「はい」
エレナさんが装備を見る。
「鑑定しても?」
「いいですよ」
数秒。
「……見なかったことにします」
「なんでですか?」
「Sランク装備を全身に何個も付けてDランク冒険者を名乗る人への対応方法が、受付職員用の手引きにありません」
「なるほど」
「納得しないでください」
討伐記録を渡す。
━━━━━━━━━━
《蒼雷銀角飛竜》
Lv108
《徘徊強敵》
討伐済
━━━━━━━━━━
「…………」
「エレナさん?」
「明日」
「はい?」
「ギルド長と面談してください」
「昇格ですか?」
「たぶんそれだけでは済みません」
「そうなんですか」
「そうなんです」
◇◇◇
報告を終えてギルドを出る。
「夕食まで少し時間ある」
今日はいつも通らない道を歩いて帰ることにした。
王都南西部。
商業区の外れ。
武具店。
雑貨屋。
商会。
大きな倉庫。
「こっちあまり来ないな」
その時。
一枚の看板が目に入った。
━━━━━━━━━━
《王都公認奴隷商館》
━━━━━━━━━━
「……奴隷商館」
足が止まる。
この世界に奴隷制度があること自体は知っていた。
でも。
実際に店を見るのは初めて。
入口は思っていたより普通だった。
大きな石造りの建物。
衛兵らしき人もいる。
「公認なんだ」
少し気になる。
その時。
建物の脇。
荷車から何人かが商館の中へ案内されていた。
獣人。
人族。
そして。
「……大きい」
一人だけ。
周囲より明らかに背の高い女性。
赤い髪。
長い。
緩く波打つ髪が背中へ流れている。
遠目でも分かるほど長身で。
手首には拘束具。
でも。
姿勢は真っ直ぐだった。
こちらを向く。
青い瞳。
一瞬だけ。
視線が合った。
「……」
女性は何も言わない。
そのまま商館の中へ入っていった。
私は看板を見上げる。
「龍人族……?」
ほんの少し。
気になった。
かなり。
「……見てみようかな」
私は《王都公認奴隷商館》の入口へ向かった。
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