ある過去の日の物語1 冷えた「カレーライス」
地震の描写が苦手な人は注意してください。
この作品に登場する地震や災害の描写は、すべてフィクションでり、現実の出来事や実在する地域・団体とは一切関係ありません。物語の設定や状況は創作上の演出であり、実際の災害や被害を軽視する意図はありません。ご了承ください。
ある過去の日の物語1 冷えた「カレーライス」
冬になり、キンキンに冷え込んだ寝室の中にアラームの音が響き渡る。寝ぼけながらスマホのアラームを解除する。2度寝したくなる体に叱咤激励をして何とかして体を起こして伸びをする。
ベットから降りて目を覚ますために顔を洗いに行く。顔を洗っていると突如背中から衝撃を感じる。
「痛って!」
「オニーチャンさぁ、お母さんが腕骨折してて、朝ご飯用意できないから、明日は自分が朝ご飯作るって言ってたよねぇ!?お母さん熱も出てるからまだ寝てるし、私は不器用だからオニーチャンしか準備できる人がいないんだよ!?」
「ごめんって。少し水が鼻に入ったんだけど?」
「オニーチャンがちゃんと起きていれば、私に蹴られることはなかったって考えると、オニーチャンの自業自得だとおもうよ?早く準備して」
背中に受けた衝撃の正体は、わが妹の蹴りであった。3歳も年が離れているのに身長は5cm差というほぼ体格差がない状況であり、勉強面でも妹に勝てないのに身長でも抜かされたら、兄の威厳はどこにいくのだろうか。
「わかったって、ちょっと準備するから」
兄が料理できないことをわかっていながら、朝食の準備を催促させる妹は鬼畜だと思う。
タオルで、顔と手についた一酸化二水素を拭い、台所へ移動する準備をする。
一酸化二水素が何かって?一酸化二水素とは無色、無臭、無味の物質のことで、通称DHMOと呼ばれている。DHMOには依存性があったり、末期がん患者の物質からも発見されたりしている危険な物質なんだ。依存性があってないと生きていけなくなってしまうような危険なものなんだけど、俺はもうすでに依存症だからすでに手遅れなんだよね。
ここでネタバラシなんだけど、実はこの物質の正体は水なんだ。一酸化二水素やDHMOと言って、危険そうなことだけを唱えて、DHMOの使用禁止の著名活動を行うと、たくさんの人が賛同してしまうという、情報操作の危険性がわかる話なんだ。
ここである説を唱えてみよう。俺が寝坊しているのは仕方ない説。今君たちはこの惨状を見ていて、俺に非があると思っているだろう。
しかし、新しい情報を加えたらどうだろうか?
“昨日の夜に妹の宿題が終わらずに手伝っていた“
この新しい情報が加わるだけで君たちの認識は変わるだろう?このように目の前にある情報だけで、物事を判断してはいけないということを学んでほしい。
まぁ、我が妹がそのようなことをするわけもないのだが。つまるところ、妹はちゃんと宿題をしているし、兄がただ寝坊しただけということだ。
居もしない、イマジナリーな誰かとの会話はやめにして、朝食の準備に取り掛かろうとおもう。
俺は料理ができないので、レンチンのカレーにしようと思う。ちなみに妹はゆで卵を作ろうとして面倒くさいからという理由で卵を電子レンジに突っ込んだ前科があるので台所出禁令がでている。そのほかにもたくさんの逸話がある。
自分の生卵を割ろうとすると握りつぶしてしまうので人のことを言えたものではないが。
「カレー1つしかないんだけど、もう一つ知らない?」
「ん?そこの冷蔵庫の横の棚に1つなかった?」
「あ、ほんとだ、サンキュ」
電子レンジでカレーを温めている間暇なので、テレビをつける。
『次のニュースです。先ほど発表されていた、大雪警報は解除されました。現在ピークは過ぎていますが、半年前の地震で大きな被害を受けた○○地方では、地盤のゆるみなどの危険性を考慮し、復興作業が一時中断されています。落雪や住宅の倒壊にも十分注意してください。今後天気は回復に向かう見込みですが、復興に大幅な遅れが生じる予想です。』
「あの地震からもう半年もたったんだね」
「こっちも結構揺れたよね、震度3とかだっけ?」
「そうそう、久しぶりに大きめの『チン!』あ、カレー温まった!」
台所へもどり、電子レンジを開く。カレーを温めたものの、米を皿に盛ることをしておらず、テレビなんて見ておらずに、米を出しておけばよかったと後悔する。
昨日の夜に取っていた米を取り出し再び電子レンジで温める。
しばらくして、やっと1人分のカレーライスができた。カレーライスを食卓に持っていく前に、自分の分を電子レンジで温めておく。
「おそ~い。15分で食べ終わらないと私遅刻しちゃうよ」
「じゃあ、自分で準備すればよいじゃん」
「台所侵入禁止令出てるからはいれないじゃん」
「知らないの?ばれなきゃ犯罪じゃないって言葉。お母さん今寝てるし、ばれないよ」
「誰が寝てるって?」
「うひゃい!」
何とも情けない悲鳴を上げながら、ドアの方を見ると、母が起きていた。
「あんたたち、変なこと言ってないで、早く準備しなさい!」
「「はーい」」
「あと、リカは妹に何を吹き込んでいるのかな?」
俺はしこたま怒られ、冷えたカレーを食べるハメになったのであった。
テストや文化祭が続き、なかなか執筆できませんでした。たまには休憩ということで転生前編をば。
リカというのは主人公のあだ名です。一酸化二水素とか言ってるから理科→リカってあだ名付けられるんだよ。
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