13.死線の峠 1
13.Timberline Ridge
どんな夢だったのかは、良く覚えていない。
ただ、その方が良かったに違いない。悪い夢に決まっていたから。
しかしながら、現実へと立ち返ったところで、事態はさほど変わらないように見えると言うだけだ。
雨だ。
「…運が悪いな。」
それもだいぶ激しい。道理で目が覚めたわけだ。
折角横になって乾かしていた毛皮も、またずぶ濡れだな。
…寒い、洞穴へ戻ろことにしようか。
「うぐっ…ぬ…。」
立ち上がろうとしたところで、俺は現状が回復するどころか、寧ろ悪化したことを悟った。
身体は動いた。さっきTeusに貰った動物たちは、今度こそちゃんと俺の血となり、肉となってくれたようだ。
「これは…。」
問題は、この何気ない動作で、全身に耐え難い鈍痛が駆け巡ったことだ。
思わず顔をしかめきつく目を瞑るが、声は出さない。
吐く息が酷く震える。目を開けると、それは白かった。
空を見上げると、暗雲が覆い被さるように森へ広がっている。僅かな白い光さえ残ってはいないから、もう太陽はその上にいないらしい。
昼間からこんなに気温が下がったのだ。この雨の冷たさは骨に染む。
一歩洞穴へと動いたところで、俺は現状を理解した。
今の一歩は先よりも体に響いた。これはまずい、今までよりも遥かに悪い。
悪いと思っているだけまだましかと思うものの、全身がぶるぶると震え、じっとしていてもずきずきと痛んだ。
目の前の入り口まで進むのですら億劫であった。けれども、一刻も早くこの雨を凌がねばならない。
助かる、あの洞穴にさえ入れば助かるのだと言い聞かせて、苦痛に顔を歪めながらどうにか転がり込む。
入り口にへたり込んでしまい、横になれた安堵でもう動く気力がない。
ここならぎりぎり雨は当たらないけれど、打ち付けるその紫吹きがかかるだろうか。
「…寒い。」
毛皮の水すら払い落とせずにいては、更に冷える一方だ。
このまま、冷たくなるだろうか。
二度もこうして雨に打たれた身体を放っておけばそりゃあ風邪をひく。俺だってわかることだ。
だが独り身の野生とは言え、風邪くらいどうと言うことはないはずなのに。
今の俺にはそれが致命傷になり得るというわけだ。
その言葉が現実味を帯びて来ているような気がして、怖くなってきた。
大袈裟だ。身体がしんどくなってきて、弱音を吐いているだけだ。
俺は本当に寸前まで、飢えと戦って来たではないか。わかりやすい痛みを伴い始めただけで、わんわんと泣くのは弱い犬がすることだ。
そう簡単に屈するものか。そうだ、負けるわけには行かない。
「…。」
…虚勢を張れば張るほど、気持ちは対照的に暗い方へと引きずり込まれていった。
やはり俺は死にたがりだったのだ。
あの時はどうしても終わらせることが出来なくて、でも今になって、俺は死にたくないと思えているのに。
その想いに応えてくれる俺はとうの昔にいなかった。
雨足は、強くなるばかりだった。
もう直接、冷たいそれが吹き付けてくるほどに。
「これでは…抗えそうにないな。」
そう諦めて、目を閉じた。
眠ろう、少しだけ。
俺はもうすぐ死ぬのだろうと思ったとき、その多くは彼の牙によってであった。
それは自分の意志によってであって、決して彼は悪くない。
俺はその度に、本当に最期で怖くなってしまって。
誰も、絶対に助けてくれるはずはないと分かっているのに、それで受け入れているのに。その誰かに向かって、俺は子供のように哀れっぽく泣いて見せるのだった。
”だれかぁ…。ねぇ、たすけてよぉ…。”
あの時は、そんなものを信じていたのだけれど。この森に、二人はいない。
それにも拘らず、俺は、全然成長していないと見える。
懲りない野郎だ。
恐らくまたこれは夢の中で、俺は朧げな人の姿に向かって助けを求めている。
…これは、父さん? …なのか?
男であることしかわからないが、きっとそうだ。
この夢の続きを、俺は知っている。
嫌だなあ。どうして結末を知っている物語の役を、俺は演じなくてはならない?
また、望んでもいない終わりを突き付けられるだけなのに。
ああ、この男がLokiではなく、あいつだったならなと、俺は一度でも望むべきだっただろう。
それなのに、今は名前すら、出てこない。
友達、失格だな、これでは。
それで良い。やはり俺は、一匹で死ぬべきだ。
…ただ、あれだけ俺を助けるために身を犠牲にしてくれた奴に対して。俺はお前の友達になる資格がないと言うのは勝手だけれど。
だがそんな奴にありがとうと伝えることなく、俺は去ってしまうような狼であったか。
違う。俺はまだ、あいつに感謝の気持ちを、”ありがとう”と伝えきれていない。
…俺は、本当はお前のことを、心から頼りにしてたんだ。
ああ、こんなときに、“Teus” が、傍にいてくれたらなあ。
「…erir!!…Fenrir…!!返事してくれっ!お願いだからぁっ!!」
…どうしてまたいるかなあ、こいつは。
来てくれると、信じていたよ。
ありがとう。
その男は、Teusだった。
雨の音があまりに大きくて聞き取れなかったが、彼は確かに俺の名を呼んでいると分かる。
翳したランタンの明かりと、深めに被ったフードで顔も良く見えなかったが、間違いなく彼だ。
俺が僅かに反応を示したことでTeusは叫ぶのを止め、ランタンを地面に置くと耳元へ顔を近づけた。
「Fenirir!聞こえるか?…しっかりしろ、意識はあるな?」
声を出す気力すらなくて、代わりに俺は弱々しく微笑んだつもりだ。
それを彼がどうとったのかはわからないが、時間は残されていないらしい。
「とりあえず、雨が当たらないところまで行こう。動けそうか?…動ける訳ないよな…。」
俺の胴に左肩を当てて、全力で奥の方へと押そうとするが、いくら痩せ細った身体でもびくともしない。
何度か試みるTeusを目の端で眺め、身体の感覚があまりないと知る。
それでも、彼が来てくれたという、ただそれだけで俄然生きる気力を取り戻した俺は、ここぞとばかりに、俺はまだ元気なんだぞと足で地面を押して、重い身体を引きずるのを手伝った。
「ありがとう…!!」
そんな言葉すら、今はじんと来てしまいそうなくらいだった。
なんとか雨紫吹の届かないところまで退くと、Teusはまず自分のずぶ濡れたマントを脱ぎ棄て、ランタンを俺の顔が見えるよう置き直した。
彼もまた、長時間雨に晒させてしまったと思うと、申し訳ない気持ちで一杯だった。
「…まず身体あたためて、毛皮を乾かさなきゃいけない。…火は使っても平気か?」
動物は火を恐れるものだ。彼は狼である俺に念のため確認したのだろう。
大丈夫だと言うつもりで、彼の目を少しだけ見つめる。声は出せずとも不安げな目つきさえしなければ伝わるだろうと思ったのだ。
彼は済まないと一言詫びを入れてから、火を焚く支度を始めた。
見たところ、恐らく彼は篝火のようなものを用意しようとしてくれている。
火種は既にランタンの中にあったから、彼はこう呟いた。
「何か燃えるものは…。」
辺りを見渡して、暫く考えるそぶりを見せると、俺にまた顔を近づける。
「ちょっと外で薪になりそうなものを探してくる。絶対すぐ戻ってくるから…待っててくれ。」
そう言うと立ち上がり、ランタンを片手に洞穴の外へ向かって行った。
「待…て…。」
はじめて声を発した俺に驚いたTeusは立ち止まり、すぐに声が良く聞こえるようにと俺の口元に屈む。
「焚き木、が…必要なのだ、な…?」
先までは声を出すのが恐ろしくて憚られていたが、それで良かった。
もう喉が張り裂けてしまっているのがわかる。耐えることは無理にさえ思われた。
それでも、俺は弱々しい声で、注意深く話しかける。
「…この洞穴の、奥にある…。木切ればかりだが…まだ、使える…はずだ。」
あまりしたくはない告白だった。
動物が、火を使っていただなんて。
だが実は、俺は両親とともに暮らしていた頃のことが恋しくて、寂しくなると時折、何の意味もなく、暗闇をかき消すようにして火を焚いた。
或いは、よほど恐ろしい悪夢に苛まれ、その追ってから逃げるためにもそうした。
寄り添う相手ではなかったにも拘らず、揺らめくさまを眺めている内に、不思議と気分は落ち着いた。
俺が突然吐露した弱さに、Teusも戸惑ったに違いなかったが、すぐにランタンを手に持ち直して答えた。
「わかった…助かるよ。奥の方だね、今取ってくるからちょっと待ってて…。」
「待て…!」
俺は急いで言葉を発し、そのせいで激しく咳き込んでしまった。一緒に吐いた水のような血が地面に飛び散る。
立ち上がりかけたTeusは慌てて俺の傍によって頬を摩る。
「おい…あまり喋るな…。」
肩で深い呼吸を二度繰り返し、俺は上体を起こそうと頭を擡げた。
「お…れが、い…く。」
「何ばかなこと言ってるんだ!?俺が持ってくるからじっとしてろ…。」
意固地な発言に半ば呆れながら、Teusが制する。
彼の言うことは至極真っ当だし、頼んで良いはずだった。そうわかっていても、その言葉に甘える訳には行かなかった。
「頼む…行かせ、て…くれ。」
もう上体を起こしただけで充分過ぎるほどだったが、渾身の力を振り絞り、がたがたと震える四肢を突っ張り、立ち上がろうとする。すぐに前足が折れ、崩れ落ちる。近寄ろうとする彼を睨んで制して、歯を食い縛ってまた立ち上がる。
「なんでだ…?」
俺が行けばそれで済むじゃないか。Teusはもう、どうして良いのかわからず、おろおろとするばかりだった。
「…お前、を…これ以上、先へ…行かせることは、できぬ…。」
「なっ…。そんなことを言ってる場合じゃないだろ!いい加減にしろFenirir!!まだわかってないのか?死にかけてるんだぞお前は!!」
雨音に負けまいと思ったのか、予想に反してTeusは怒号を張り上げ、俺は力の入らない膝をがくんと折った。
溜め息をついてTeusは俺に寄り添おうとする。宥めるような口調だった。
「ほんとにもう…。」
「…俺はあ゛あ゛あ゛っ!!」
「…!?」
自分の中の何かを奮い立たせるつもりで、今度は俺が唸り声をあげ、こう言い放った。
「俺は、まだ…」
「お前のことを…信じて、いない…。」
雨の音が、いやに耳に響く。
Teusが絶句する。
俺は確かに、そのようなことを言ったのだ。
どうしてだ?
俺は一歩、また一歩とTeusから離れていく。
「なんで…なんで、またそんなこと言うんだよお…。」
彼はもう、泣き出してしまった。
俺はTeusのことを、信じることが出来たはずなのに。
その時の俺なら、俺は彼が泣かなくて済むのなら、どんなことだってやったのに。
どうしてでしょうか?もう、俺にはわからない。
心の中で、亡骸に語りかける。
その傍らの窪みに、焚き木は積んであった。森を散策して拾った朽木が殆どだったが、これで凌いできたのだった。彼の目の前で篝火に当たるのは、恥すべきことな気がして憚られたものだが、それよりも誰かと一緒にいたい気持ちが勝った。
彼は何も答えない。
俺が供えた鹿も、彼は口にしてくれたのか、知る由もない。
狼がこれ以上、人と仲良くなることはできない。
俺は彼を見るのをやめ、出来る限りたくさんの木切れを口に咥えると、亡骸を後にした。
恐ろしく時間がかかったと思う。
歩みは覚束なくて、今にも倒れそうなぐらいだったから。
それでもTeusは、その場から一歩も動かずに、俺のことを待っていてくれた。
本当に良い奴だよ、お前は。
俺が泣いてしまいそうだ。
彼はもう泣くのを止め、次にすることの用意ができていて、俺を助けるのだという強い意志が見て取れた。
そんなTeusに待たせたなと笑いかけて、緊張の糸が一気に切れた俺は、その場にどさりと倒れ込み、口に咥えていた焚き木をばら撒いた。
Teusがそれを拾い集め、俺を労う。
「もういい…よくやった!」
そうだろうと笑ってやりたかったが、残念ながらもうそんな余裕はなくて、弱々しく咳き込み、思わず唸る。
…苦しい。
一瞬意識が遠のいた。もう楽になってしまいそうなのだ。
ここまで自分が死に瀕したことは今までなかったと思った。
そして、こんなに怖いと思ったこともなかった。
もう、死ぬと思った。
Teusが大急ぎで火を灯し、木切れを焚べていく。
頼む、お願いだから…早く、助けてくれ…。
大丈夫、きっとTeusが、何とかしてくれる。
きつく目を瞑ってそう言い聞かせた。
虫の良すぎる話だと、自分でも思った。こんなにもなるまで身体を虐げてきたのは、他でもない俺なのに。
その上、あんな酷い言葉を吐き捨てた。
そんな相手に助けて貰うことを、当てにしているだなんて。
Teusは今すぐにでも、その場から立ち去ることが出来たのに。
どうしてだろう…。
火が十分に育つと、Teusは一本の太そうな木材に、破いたマントの裾端を結んでそれに燃え移し、松明替わりとした。
「身体、拭いてやるから。じっとしてろよ…。」
鞄から取り出したタオルを片手に、俺のずぶ濡れの毛皮を乾かそうと試みる。
大変な作業だった。俺は怪物的に巨大だったから、子犬をタオルで包み込んでやるようには行かない。焚き火の当たらない背中の毛皮を中心に、掲げた松明の火を当てながら地道に水を拭き取っていく。
俺が一つぶるっと身震いでもしてやれば良かったのに、根元まで水の浸透したそれは中々乾きが悪い。
「大丈夫?熱くないか?」
「…。」
毛皮が燃えてしまわぬよう、近づけすぎてはいないか気を使うのだろう。
答える気力がなかったが、代わりに尻尾をぺたんと振った。
「ああ…忘れてた、ごめん。」
…いや、違うんだ。そうじゃない。
尻尾を拭きに遠ざかってしまうTeusに、おかしくて少し笑える元気が出てきた。
尻尾って触られると、くすぐったいのだなと思った。
ようやく火の温もりを感じられるようになってきて、奇跡的に窮地は脱することが出来た気がする。
Teusが更に数枚のタオルを引っ張り出して身体を拭くのを、俺はされるがままになっていたが、まだだいぶかかりそうだ。
身体をゆすられ、気持ちよくて眠くなりながら、俺は先の台詞を思い返した。
どうして俺は、あんな言葉を吐いたのだろう。
もうこの期に及んで、狼だの人間だの、そんなことはどうだって良い。
そう思えたら、どれだけ楽だっただろうか。
けれども、彼はそう言ったのだ。
そして俺は、今までずっと考えあぐね、まだ一歩も動けずにいる。
今ここで考えるのを諦めても、このまま生きていくことなんてできないだろう。
それより悪いのは、答えの出せぬまま、ただ彼の言葉に突き動かされてTeusのことを撥ねつけてしまったことだ。まだ信用しちゃいないとか、彼の存在はひた隠しにするとか抜かして、本当はまだ、自分がどうして良いかわからないだけなのに。
では、あのとき俺は、どうすべきだった?
何のことは無い。
…別に、素直に彼の好意に甘えておけば良かったのだ。
彼は決して骸を冒涜などしないだろうし、妙な穿鑿だってもうしないだろう。
それに…来たるときは、紹介するつもりでいる。今は。
「Fenrir…ごめん、ちょっと寝返り、打てるかな?」
その言葉で我に返り、身体の下敷きになった毛皮を乾かそうとしているのだとわかった。
あまり動きたくはないな、と心の中で答え、俺はまた痛みに呻きながら、やっとの思いで篝火の方へ俯せになった。
またTeusが、身体の向きを変えるのを押して手伝ってくれる。
「よし…ありがとう。」
そう聞き終わらないうちに、ごろんと転がったせいで気分が悪くなり、咳とともに、また血反吐を吐いてしまう。
「ああ…ごめん、苦しかったよな…。待って、すぐに終わるから…。」
Teusは一瞬俺の具合を確かめようと腰を上げかけたが、先に楽な姿勢なれるよう毛皮の始末に専念した。
波打つ体調に翻弄され、苦痛が頂点を迎えるたびに、心身共に大幅に削り取られていく。
つい先刻の僅かな余裕はとうに奪われた。
今は、揺らされるとかえって気持ち悪い。Teusが急ごうととして手つきが雑になっているのがもろに響く。
「う゛う゛っ…ぐぶっ…え゛あ゛…。」
今度は血ではなく、何か違う味のものも込み上げてきた。
胃液だ。既に胃袋は空なのに、勝手に喉から絞り出されていく。
「Fenrir…も、もう良いから…横になろう…。」
また手伝ってもらい、力なく喘ぎながら横たわる。
惨めだ。こうして横になってじっとしているだけでも苦しいなんて。
もう動きたくなかったが、もがき苦しんだほうが楽とさえ思った。
篝火の様子を確認して俺の隣に座り、Teusが鞄を弄っている。
取り出したのは、透明な小瓶と、そして小さな銀の箱だった。
それは…嫌な予感がする。
Teusも戸惑いがちに俺の方へ向き直り、箱を開いて黒い小球を二つ、手のひらに乗せる。
「これは風邪薬だ…。それからこっちは、痛み止め。すぐには効果は現れないかもしれないけど、飲まないよりは良い…。Fenrir、飲みたくない気持ちはわかってる、でも今はそんなことを言っている場合じゃないんだ…。もう時間がない、わかってるだろ?自分が死にかけてることぐらい…。俺にできることはこれぐらいしかないけど…お願いだから…。」
そこまで言って、俺の様子を伺った。
Teusのその切迫した、苦しそうな表情を、俺は何度見たことだろうか。
何度、そんな顔をさせれば気が済むのだろうか。
もう一度その丸薬を恨めしげに見て、Teusに向かっておずおずと俺は口を開く。
「ごめん…本当にごめん…。」
彼はまた何度も謝って、俺の口の中に右手を滑り込ませ、舌の奥にそっと丸薬を置いた。
「これはただの水だから、安心して飲んで…。」
そう言って瓶の口先を俺に咥えさせ、ゆっくりと傾ける。
言われるがまま、素直に水を口に含み、喉にしこりを感じながらごくりと丸薬ごと飲み下した。
何のことはないのだ。
もう誰かの助けなしには無理だと諦めて、あっさりと口を開いてしまっただけのことだ。
喉に乾きを覚え、授乳されるかのように俺は瓶の水を啜り続け、全部を飲み干して口から離すと安心したのか溜息が出た。
狼の矜持とかは何処かへ行った。
ただ、先の決意を俺は覚えていたのだと、思う。




