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第15話 モザイクカケラ

 ①公園から原付で走り去った2人。②小野を暴行した人物。③八神と碧。

 これらの中に=で結ばれる組み合わせはあるのだろうか。はたまた、すべて別人か。あるいは——すべて同じなのか。

 このうち、①公園から出てきた2人が③八神と碧であったとしても、②暴行した人物が別なら事件はシンプルだ。ただ、状況的にどうしても①公園から出てきた2人と②小野を暴行した人物が同じである可能性は高い。そうなると、①と③が結び付いた時点ですべてが繋がりかけてしまう。八神と碧が暴行の有力な容疑者となってしまう。

 八神はともかく、碧のことを疑いたくはない。

(行くわけないじゃん、と言ってたし)

 ああ、それなのに。疑念を完全に払拭できない。

(友達なのに。私って性格わる……)

 巴は落ち込むが、すぐに潔白を証明したいだけなのだと気付く。そうだ。それができれば疑わなくて済む。


 黒い原付。制服を着た女子。品のない笑い声。靴に付いた土。それらはすべて単なるピースであり、疑念の材料であり、現状の断片だけでは想像する以上のことはできない。否定も肯定もできてしまう。

 もっと情報が必要だ。——でも。

(でも、どうやって——)

 どのように情報を得ればいいのだろうか。まさか小野に直接聞くわけにもいくまい。聞いてどうするんだって感じだし。自分に何ができるというのか。せいぜい教師に相談するくらいだろう。だけど、それで何か状況を変えられるのか? そもそも頼りになる先生なんて——


 いや、1人。学年主任の白尾先生なら、問題を放っておくようなタイプではないと思う。思うけど、小野が酷い目に遭っていたということしか今は話せることがない。憶測で八神や碧のことまで口にするのには迷いがある。被害者。加害者。関係。無関係。正義。悪。断定できるものが何もない。現実的には小野が先生に相談するのが一番いいのだろうけど、もうしているのだろうか。


 あとは碧に聞いたように、それとなく八神にも探りを入れるかだけど——まずはぐらかされそうな気がする。まともな返答は期待できない。しかも——もし当事者だったら怖すぎる。あれほどの暴力を振るっておきながら、平然としていたことになるのだから。


 あー、もやもやする。今夜眠れるのかな……なんて思いながら、巴は自宅へ続く最後の直線を歩く。この辺りまでくれば仕事帰りらしき人の姿がまばらにあり、またすぐ近くにコンビニもあるため周囲は比較的明るい。そのコンビニを通り過ぎるところだった巴の視線が、ある地点で釘付けになる。


 店舗の駐車場の片隅に。

 黒い、原付バイクが停まっていた。

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