第三十五話 襲撃者尋問
「ローズ、皆が風邪をひくといけません。取りあえず家を新しくしましょう」
「では、焼けた古い家を消去します」
「新しい家は、四倍くらいに大きくして下さい」
「はい」
「一階ですが、食堂は大きな机で全員が、一緒に食事出来るようにしてください」
「はい」
「お風呂の女性用は大きくして、男用は小さくていいです」
「はい」
「二階は、寝室です。個室で一人ずつ寝られるようにして下さい。そして三階は、物置にしましょう」
「はい、では……」
立派なお屋敷が一瞬で現れた。
「さすがはローズです。中を見せてもらってもいいですか?」
「どうぞ」
正面入り口を入ると、広いロビーが有り、左右にドアがある。
ロビーの中央に二階への階段がある。
まずは右の扉を開けて中に入った。
そこは食堂だった。
「ローズさん、すごいです!」
大きなテーブルに、椅子が片側に十五脚ずつ三十人が座れる。
そんなテーブルが二つ、六十人が一度に食事できる。
右手には広いキッチンが有り、調理がしやすそうだ。
そして食堂を出て正面にある扉に入った。
そこはお風呂だった。
あれ、男性用の入り口が無い。最早悪い予感しかしない。
広い脱衣所その奥が浴槽だ。
「あのーローズさん、これは……」
ローズがまた褒められると思って、ニコニコして近づいてくる。
大きな浴槽の横に、小さな、小さな浴槽がある。
「こっちが女性用で、こっちがノコ様用です」
「同じ室内なら、分ける意味がありませんよね」
「そうですよね」
ローズはニコニコしている。
僕の説明が悪かったのだろうとあきらめた。
時間をずらして入れば問題ありません。
次は二階です。
二階にもドアが二つしかありません。
最早、悪い予感しかしません。
右側のドアを開けると、超でかいベッドが一つあります。
急いで反対のドアを開けると、さっきと全く同じで部屋の中央に大きなベッドが一つあるだけです。
「三十人で寝られるベッドです」
ローズが嬉しそうです。
「あのー、僕は個室でと言った気がするのですが」
「この方が楽しいです」
「そうだね」
「ぶーーっ」
とうとう我慢出来ずに、ユーリさんとアクエラさんが吹き出している。
僕はしょんぼりしながら、階段を降りるとロビーの中央に立った。
「ローズ、ここに大人三人を、寝かせられる机をだして下さい。そして、濡れている皆さんにお風呂に入ってもらって下さい」
「はい」
僕は証人として確保している三人を、机の上に寝かせて動けないように拘束した。
そして、ゴーストに憑依を解いて出て行ってもらった。
「うお、な、何だ! 何なんだ!!」
隊長が声を出す。
他の二人は、黙って様子をうかがっている。
「少し聞きたい事がありますので」
「ふん、答えるはずが無いだろう」
ニヤニヤ笑っています。
地下室からゾンビに一体だけ出て来てもらいました。
階段の下に、地下への隠し階段があり、そこからゾンビがゆっくりゆっくり歩いて来ます。
「な、何なんだあれは、ひーーーーっ」
「見て分りませんか、ゾンビです」
「お、お前はネクロマンサーか?」
「それに答えたら、あなたも僕の質問に答えてくれますか」
「だ、誰が答えるか!」
「ユーリさん、この人の口を開けて下さい」
僕はユーリさんに隊長の横の男性の口を、開けさせるように命じました。
ユーリさんの力に抵抗できるわけも無く、男は口を無理矢理開けられた。
口を開けた男の顔をゾンビがのぞき込む。
ゾンビの口からは、どろりとした黒っぽい粘液が垂れている。
「ぎゃめろーー、ぐわめてくれーー」
口を無理矢理開けられている男は、うまく発音出来ないようだ。
ゾンビの粘液が男の口の中にポトリと落ちた。
男の目が白くなり、体の色が見る見るどす黒く変色して、口からダラダラと粘液が流れ落ちだした。
「うわーーー、やめろーーー、やめてくれーー、たすけてくれーーー!!」
隊長さんは、大声を出して暴れ出した。
「助けて上げますよ、質問に答えてくれましたら」
最後までお読み頂きありがとうございます。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「頑張って!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。