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ブレイク  作者: 湯城木肌
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11.親友

 進展しそうになくとも、時間は過ぎ、日は昇る。


 彼女との関係を終わらせる発言をしたのは一昨日の放課後で、彼女と話さなくなって二日経とうとしている。たった二日しか経っていないはずなのに、ものすごく長く感じた。彼女と出会って過ごした二週間よりも何倍も長い時間が経過しているように思えた。


 結局今日も何も言い出せず、放課後まで時間が過ぎてしまう。

 私はただ、彼女の後ろの席から、小さな背中を見つめることしか出来ない。

 彼女の席にやってきた同級生が話しかけ、彼女は顔を横に向ける。笑う彼女の横顔が、やけにまぶしかった。

 もう私には向けられないだろう笑顔だと思うと、胸が締め付けられるような感覚に陥る。


「ひろっち」


 彼の呼ぶ声が聞こえた。それに反応して、彼女の友達が顔を上げた。


「呼んでるよー」

「あ、うん。話途中だけどごめんね、今日ちょっと用事あるんだ」

「いーよいーよ。用事あるなら早く言ってくれればよかったのに」

「ごめんごめん」


 彼女は笑って謝ると、荷物をまとめて彼の元へ向かう。

 残った彼女の友達は彼女を見送ってから、近くの同級生に声をかけた。


「あの二人、お似合いって感じしない?」

「わかるー。付き合ってるのかな?」

「カップルでもおかしくないよね」

「うんうん。どっちから告白したのかな」

「そりゃあ彼のほうでしょ」

「かなー。ホント誰にも立ち入る隙の無いって感じだよねー」


 彼女達は自然と彼らが付き合っている前提で話が盛り上がっていく。

 もし、彼らが恋人同士になってしまったのなら、私が立ち入る隙は本当になくなってしまう。またしても彼が、私が欲した場所に、居座るのだろうか。私が願った場所へ行くことは許されないことなのだろうか。


「今日は、木曜日か」


 関係の無いことを呟いて、気持ちを立て直す。

 ここ二日間で急激に独り言が多くなった気がする。

 木曜日には文学部の活動が無い。彼女もおらず、放課後残る意味は全くなかった。


「帰ろう」


 鞄を持ち、何も考えないようにして、教室を出た。


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