表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイク  作者: 湯城木肌
33/48

9.彼との会話

 翌日、いつも通りの時間に登校した。校門から校内へ足を踏み入れると、彼女の後姿を捉えた。

 若干歩幅を大きくして歩き、彼女に近づいて、気づく。

 今までどのように接していたのだったか。


 自然に、何も考えずに今まで通りやれば、またやり直せると思っていた。しかし、いつも彼女から私に話しかけてくれていたので、どのようにやればよいのかわからない。


 後ろから声を掛ける。彼女の横に寄り添って、声を掛ける。彼女が後ろを振り向いた時に声を掛ける。どれが自然なのだろう。

 悩んだ末、私は歩幅を大きくしたまま彼女の横を通り抜けて先に校舎の中へと入った。

 ああ。機会を逃してしまった。


 あの出来事があってからの、初の再会時が関係修復のタイミングとしては丁度良かったと思う。けれど、ダメ子の私はそれを見過ごした。何もせず、むしろ逃げるように見送ったのだ。

 そこから他にきっかけを掴めず、どうにかしようと考えることで頭が一杯で授業は上の空だった。そして私が授業をまともに受けようが受けまいが関係なく、時間は誰にでも平等に流れ、時間割を消化して放課後へと進む。


 彼女は私と一緒にいることが多いというだけで、私と違い他の人とも交流がある。明るく誰にでも優しい笑顔で向かい合う彼女なのだから、当然だ。私と関係を戻さなくとも、彼女は他の人たちとの関わりがあり、私のように一人で過ごすことはないのだ。


「ごめん、今日用事あるから、先帰るね」

「あわかった。じゃあねー」


 彼女とその友達が話す声が聞こえる。昨日までよく私に向けられていた声が、今は遠かった。

 彼女の用事はおそらくブレイクの活動だろう。彼女は役についての気持ちの整理はついたのだろうか。気になっても私に訊けはしないけれど。


「課外活動か」


 鞄に学習用具をしまい、立ち上がる。

 今日は水曜日。文学部の活動日だ。

 今回は一人で図書室へ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ