愛し合う約束を
大学生になったオレたちは一緒に暮らし始めた。最初の一年はバタバタして忙しかったけど、今はそれも落ち着いて毎日えるといられる幸せを噛み締めている。えるがバイトをしなくてもいいようにオレはあらゆる手段を尽くして金を稼いだ。そのおかげでずっと一緒にいられる。
そして、今日はえるがこの世に生まれ、一年で最も価値のある、宇宙で一番特別で大切な日。そう、えるの誕生日だ。
今は春休みで一日中えるといられる。えるの誕生日なんだから祝日にすればいいのに。そしたら毎年、この先もずっと一日中えるを祝える。そんなことを考えながらえるの誕生日パーティーの準備を進めていき、料理からケーキまで全ての準備が完了した。レストランで食事なんていうのも考えたけど、えるを外に出したくなかった。誰にも見てほしくない。ほんとなら、毎日そうしたいくらいだ。……今はそんなこと考えるのはやめよう。余計なことを頭から追い出すように首を横に振る。そして、今まで見てきたえるの笑顔をたくさん思い浮かべた。えるの誕生日はいつもの何倍もえるのことでいっぱいにしたいから。自然と緩んだ頬をそのままにしてえるを呼ぶ。
……さぁ、始めよう。二人きりの誕生日パーティーを。
「える誕生日おめでとう」
「ありがとうさとみくん…!」
えるの左手を取りその薬指にプレゼントを贈る。今のオレが渡せる一番の指輪を。
「さとみくん…これ……」
「オレからのプレゼント。でもこれはあくまで仮のだから。ちゃんとしたのは絶対渡す。ちょっと時間かかるかもしれないけど」
「さ、さとみくん…その、これって…つまり……」
戸惑うような少し困った様子のえる。その姿も、愛おしくて………える、大好き。
「もちろん婚約用だよ」
「こ…婚約……」
「だってオレはえるのだし。結婚以外ある?」
「そ、それは………。そう、なのかな……?」
「そう以外ないよ。まだ婚約指輪だけど、うん…似合ってる」
早く結婚指輪にしたいけど、最高のを買えるまではこれで我慢しないと。えるにつけた指輪をそっと撫でた。ネックレスやブレスレットとは違う。ちゃんと、オレのだって誰でもわかる印だ。もうこれで…誰もえるに寄ってこない。
「…ありがとう……。ちょっとびっくりしちゃったけど、とっても嬉しい」
「オレと結婚、してくれるよね。える」
「…! うん……!」
これから先、オレがずっと守り続けたい最高の笑顔がオレの心に刻まれていく。
「──────える、愛してる」
生まれてからずっと。 死んでも永遠に。
絡めた指に力を込めるとえるが応えてくれる。その度に感じられた。オレと同じように想うえるの心を。重ねた唇が永遠になるように、何度も愛し合う。
「オレに幸せをくれてありがとう。今度はオレがえるを幸せにする」
「…! 私も、さとみくんを幸せにする。────愛してるよ、さとみくん」
全部を捧げて、閉じ込めてでも──────えるを幸せにする。だからずっと、一緒にいよう。えるがいれば幸せだから。
愛おしくてたまらないえるをじっと見つめる。何度でも頬を染めるその姿がたまらなく愛らしく、愛おしい。
オレの大好きなえる。愛らしいえる。愛おしいえる。
二人で生まれ変わってもまた愛し合おう。その次もそのまた次も。
永遠に続く愛してるを、えると一緒に──────。




