間の話
うわ〜……何この二人。バチバチじゃん。最高に空気悪いんだけど。面白そうだからついてきたけど……これ勉強会できる?って感じ。けど……えるはどっちの気持ちにも気づいて無さそうだし案外大丈夫だったりして。
そんなこんなでバチバチしてた二人はえるが戻ってきたのを皮切りに真面目に勉強しはじめた。分かんないところは全部えるに聞いてたけど。もちろんあたしも。途中、帰ってきたえるの弟さんが綴未をひと睨みして挨拶してくれたのと、綴未がずっとえるのこと見てたぐらいで特に変わったことはなく思っていたよりも勉強会は平和に終わった。
あたしは三浦と帰ることになって
「ね、どうだった?えるの家」
「どうって、なにが聞きたいんだよ」
「ん〜……えるの部屋行きたかった?」
「そりゃ行けるなら」
「へ〜やっぱそうなんだ。綴未にバッチリガードされてたけどね」
「あいつ一生どかねえな」
「どかないでしょ。あれは。あたしらのことずっと睨んでたしね」
「ああいうのって澄乃はどう思ってるんだろうな」
「えるにとってはそれが当たり前なんじゃない?ほら、幼馴染だし。えるも綴未がいると嬉しそうだし」
「……無いよな勝ち目」
「多分?ないんじゃない?……でも、努力次第ではなんとかなったり?」
「適当すぎだろ」
「え〜だって恋なんて一生に一度なわけじゃないし、ずーっと一人を想い続けるなんて普通に考えて無理だし。だから、やれるだけやってみるのはありだと思うよ?上手くいくかどうかは別だけど」
「……分かってるよ、そんなこと」
「あ、ちなあたしはどっちの味方でもないから。強いて言うならえるの味方?友達の幸せは願ってる」
「応援なんて俺は求めてない」
この気持ちにももう少し真面目に向き合わないとダメみたいだからな。中途半端に近づいても邪魔されるだけだ。それに、前に誘った時も今回も、適当な言葉並べてたら届くもんも届かない。そんな少し考えれば分かるようなこと今更気づくって遅すぎだろ、俺。
あー────勝てるかな……ってそんなんじゃダメだろ。勝ちたいよな、普通に。ガキみたいにベッタリくっついて甘えて、時間の許す限り澄乃の隣にいてワガママで、それをずっと昔から続けてあの子に侵食してるような奴に……初めて本気で想えた子をこのまま渡すとかないだろそれは。俺の前でも笑ってもらえるように。今はまだあの笑顔が向けられる瞬間にはあいつがいるけど、いつか絶対俺の前でも───────。外から見てるだけ、そんなのもう見飽きた。
これほど強く思うのは、これが最初で最後だからだ。




