表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
上へ――先生たちの建物  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

第一話「建物に入った日」


建物は、霧の中にあった。


いつからそこにあるか、誰も知らなかった。


コンクリートでできていた。


縦に、縦に、伸びていた。


上が霧に消えていた。



男は、その建物に入った日のことを覚えていない。


気づいたら、中にいた。


廊下にいた。


蛍光灯が、頭の上で光っていた。


手に、何かを持っていた。


書類だった。


分厚い書類だった。


どこへ持っていくものか、その時はまだ分からなかった。



廊下を歩いた。


長かった。


端が見えなかった。



先生たちがいた。


いっぱいいた。


知っている顔もあった。


知らない顔もあった。


みんな、どこかへ向かっていた。


みんな、何かを持っていた。



廊下が、少し傾いていた。


気づくのに、時間がかかった。


歩いているうちに、足が重くなった。


それで気づいた。



傾いていた。


ほんの少しだけ、傾いていた。


しかし、長い廊下だったから、端まで行くと、かなり傾いていた。



男は立ち止まった。


廊下の真ん中で、立ち止まった。


先生たちは、立ち止まらなかった。


難儀しながら、歩き続けていた。



男も、また歩き始めた。


どこへ向かうか、分からなかった。


しかし、歩いた。


歩くしかなかった。



(第一話 了)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ