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男友達だと思ってたやつがなんかおかしい  作者: Саша


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83/114

83話

神社から帰ってきて祖母の家。


「ただいまー」


「ただいま」


「……ただいま」


靴を脱いで上がると——


「お兄ちゃん!」


さっきの子がまた走ってくる。


「元気だな」


「ねえねえ!」


そのまま腕に抱きつかれる。


「……」


「ん?」


その瞬間—ぎゅっ


「……強い」


反対側から響が腕を掴んでくる。


「……東海林さん」


「どうした」


「……それ、だめ」


「いや別にだめじゃないだろ」


「……だめ」


「え?」


親戚の子がきょとんとする。


「なんで?」


「……」


少しだけ間。


「……私の」


「違うって」


「……」


納得してない顔。


「え、なにそれ」


「気にするな」


「気になるよ!?」


「お兄ちゃん遊ぼ!」


ぐいっと引っ張られる。


「ちょっと待て」


「いいでしょー!」


無邪気に引っ張る。

ぎゅっ


「……行かない」


響が反対側から引く。


「引っ張るな」


「……こっち」


「いやだから」


「綱引きみたいになってるよ」


楓が笑ってる。


「笑うな」


「お兄ちゃんはこっち!」


「……こっち」


「お前らな」


秋山が横で呟く。


「完全に取り合いだね」


「面倒なことになってる」


「……東海林さん」


「ん?」


「……行かないで」


「遊ぶだけだろ」


「……やだ」


「やだじゃない」


でも——明らかに不安そうな顔。


「……すぐ戻る」


「……ほんと?」


「ほんと」


「……すぐ?」


「すぐ」


「……約束」


「はいはい」


そう言うと、少しだけ力が緩む。


「じゃあちょっとだけな」


「やった!」


その子に引っ張られて、別の部屋へ。


「何するの?」


「トランプ!」


「急だな」


「いいでしょ!」


「まぁいいけど」


遊び始めて数分。

ドアのところに気配。


「……」


「来たな」


静かに立ってる。


「……東海林さん」


「どうした」


「……来た」


「見れば分かる」


「一緒にやる?」


その子が言う。


「……やる」


「いいよ!」


結局、三人でトランプ。


「……これ」


「弱いな」


「……負けた」


「初心者か」


「お兄ちゃん強い!」


「普通だ」


「すごいじゃん!」


「そうか?」


そのやり取りを見て——


「……」


ぎゅっ


「……近い」


横に座ってたのに、またくっついてくる。


「……ずるい」


「何が」


「……楽しそう」


「普通に遊んでるだけだ」


「……私も」


「やってるだろ」


「……もっと」


「欲張りだな」


その後も——ずっと離れない。

というか、さっきより距離が近い。


「お兄ちゃんってさ」


その子がぽつりと言う。


「ん?」


「やっぱ人気者だね」


「違うと思うぞ」


「でもさ」


響を見る。


「すごい好きって感じする」


「……」


「……うん」


響が小さく言う。


「……好き」


「ストレートだな」


「いいじゃん!」


「いいのかこれ」


「……東海林さん」


「ん?」


「……どっちが好き?」


「その質問やめろ」


「えー」


「僕は?」


いつの間にか秋山も来てる。


「増えるな」


「混ざりたくて」


「……」


ぎゅっ


「……強いって」


「……取られる」


「だから取られないって」


「ほんと?」


「ほんと」


「……ほんと?」


「何回聞くんだ」


「……」


少しだけ安心した顔。

でも——手は離さない。


そのまま、遊びながらもずっとくっついてくる。

さっきよりも、明らかに強く。


「……これは重症だね」


楓がドアにもたれて言う。


「自覚ある」


「どうするの?」


「どうしようもない」


「……東海林さん」


「ん?」


「……離れないで」


「離れてないだろ」


「……ずっと」


「……はいはい」


軽く頭を撫でると、少しだけ落ち着く。

でも——その手は最後まで、一度も離れなかった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

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