第一話「桜木威王、貴様は追放だ」
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「桜木威王、貴様は追放だ」
「追放」という言葉が脳内で何度も何度も囁かれる。
俺はNo.2として作戦の立案、人員の収集、お金の管理……様々な献身的なアドバイスを提供して組織の肥大化を助けて筈なのに……
「おい、何睨みつけてんだ? ゴラ!!」
「うわぁ!?」
頬を力一杯殴られて俺は血潮を吹き散らしながら地面に倒れ伏せ、右目に前田のタバコを押しつけられる。
「ぐわぁぁぁぁ」
「うっせぇな……タバコ押しつけられたぐれぇで弱音吐くなや」
俺の頭の中はこの燃え尽くすような痛みが充満していた。
「前田君、やめたまえ」
「でもボス……」
「親の言うことを聞かないのかい?」
「わ……わかりました」
この犯罪組織【ヴァメロマン】の首領・鳳凰紫白はニヤリと微笑み、ゆっくりと俺の方へと歩み寄る。
首領の片手には魔刀・毒薔薇刀が握られていた。
「威王よ、何故お前が解雇になったか教えてやろうか?」
「ぐ……がっ……ッッ」
首領は魔刀を右太腿に刺したまま解雇の理由を話し出した。
「簡単だよ。君の代役、つまり洗脳スキル持ちを手に入れたんだ」
「いや、でも……あがっ……ぇ……」
何か言おうとするも、同じ人間とは思えないほどの握力で両頬を強く握られる。
「いいかい?」と言うと、再び説明を淡々と話し続けた。
「君は目障りなんだ。私は君が珍しいスキルを持ってるから、雇った。けれども君の戦闘力は著しく低く、我々の組織風土には君は合わない。だから私は洗脳スキルを所有していて戦闘力も高い人物を新しく発掘したため、そちらを登用することにした」
俺は貴方のためにあれだけ尽くしたのに……
右手の拳を震わせながら一滴の滴が頬を伝わる。
「おっと……すまないね。痛かったかい?」と皮肉な笑みを浮かべると手を離す。
首領は首領席に戻ろうとして、背中を向ける。
俺はその背中に向かって涙を流しながら、必死に訴えかけた。
「ボス……俺は貴方のためにここまで昇り詰めて、貴方の目標に一歩でも近づけるように努力してきたんですよ!? 今までだって成果出してたじゃないですか!! なんで……」
首領は顔も向けずに「黙れ」と言うと俺の視界は真っ黒になった。
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「ここは……?」
何やら賑やかな声がする。
女、男、それぞれ20人くらいはいると思う。
一体なぜ……?
「おやおや、桜木く〜ん」
人を見下したような目つき。
無駄に高い鼻。
ニキビの痕が無数に残っている小汚い肌。
こいつは【ヴァメロマン】で同期だった石塚左衛門だ。
同じ時期で組織に加入したが、俺がとんとん拍子で出世したのに対して、こいつはどこかで沼にでも嵌まったのか同じ階級で長らく足踏みしていた。
そんな奴が何故ここにいるのか大方予想はできる。
「何の用だ?」
「俺の後ろを見ろ!!」
「言われなくても見えてるが?」
「どの口が言っとんじゃ、ゴラァ!!」
「……ッッ」
鼻を靴のつま先で蹴られ、頭部をかかとで押される。
それを見て、後ろにいる雑草共はケラケラと俺に指を指して笑っていた。
「ヒャハッハッハッハハハ、今の俺はテメェより上だぜ?」
「……」
「何か言えや、あ?」
「……」
こう言う奴は相手にするなと俺のスキルが言っている。
俺は今は相手にしないが、そのうちお前を、いや、この組全員に復讐してやる……
俺は善人ではないんでな。
俺は蹴られ、殴られ、罵られる中、密かに復讐の思いを馳せた。
☆おまけ☆
「石塚左衛門」主人公の同期で特技は喧嘩。ヴァメロマン特攻隊B−25に所属している。
特攻隊メンバーの中では魔力が一番多いらしい(噂)
「桜木威王」希少スキル洗脳持ち。
洗脳スキルの弱点は主、又はかつての主のカテゴリーに属するものには洗脳が使えない。
つまり戦闘犯罪組織相手には使えないということだ。
その理由は桜木のスキル「支配者の帝王学」に隠されている。
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