92 殺気!
それにしても、セオジュン。
結局、どうしたんだろう。
アンジェリナ。
レイチェルのSPなのに、いなくなってしまって。
それにハワードも。
なんだかみんな、変。
近いうちに、何かが起きる。
そんな予感めいたものがあった。
だからといって、緊張はしていない。
私は私のできることをする。しなくちゃいけないことをする。
ただ、そう思っておけばいい。
今はまだ、私がしなくちゃいけないことが何なのか、わからない。
だから、心を遊ばせておく。
そのときのために。
ニニのことも思った。
あの子、なぜあんなふうに、気持ちが張り詰めてるんだろ。
アンドロだから?
それとも、セオジュンに恋しているから?
アンジェリナに焼きもちを焼いていたから?
少し気が重くなった。
私、人を慰めるなんて、できないし。
ニニはアンジェリナと住んでいた部屋にいることさえ辛いようで、見かねたチョットマが泊めてやっている。
ンドペキもニニには何も依頼しようとしない。
きっと今も暗い部屋で、チョットマを待ちながら泣いているだろう。
ちょっと変なんだな、あの子も。
げっそり痩せてしまった。
痩せただけでなく、夜も眠れないようで、うなされてばかりいる。
それに困ったこともある。
政府からまだ給金は出ているようなのだが、お金はもういらないからと、くれようとするのだ。
意味がわからない。
仕事のなくなったアンドロって、あんなふうになるのかな。
それとも恋人を失ったから?
不思議でしようがない。
私はンドペキが好きだけど……。
あんなふうには……。
あ、そか。
ンドペキは身近にいるものね。
つっ!
殺気!




