77 どうする…… 降りるのか……
「妙なことがあるもんだな」
セカセッカスキは落ち着いているが、スジーウォンは迷った。
この地に降りていくべきだろうか。
ここで、任務の目的であるカルベスの刃とやらを探すべきだろうか。
単なる火災ではない。
街が、森が、そして大地が燃えているのではない。
意図的に燃やされている。
何者かの手によって。何らかの方法で。
「ううむ」
誰もが目を見開いて、炎の下に垣間見える街らしき残骸を見つめた。
スジーウォンは思った。
この炎の中では、装甲をつけていたとしても、ものの数分ももたない。
スミソの装甲性能は、どうだろう。
下手に聞くと、大丈夫、などと応えるかもしれない。
ここは、自分ひとりで降りていくべきだろうか。
しかし、ほんの数分で、目的の剣が見つかるとも思えない……。
飛空艇はいよいよ速度を落とし、ロア・サントノーレと思われる、瓦礫が散らばるばかりの廃墟の上空を旋回している。
ところどころから、思い出したかのように爆発的な火の手が上がる。
サブリナもアビタットも窓の外を見つめたまま、言葉はない。
結論を出さなくてはいけない。
どうする……。
降りるのか……。
こんなところにハクシュウはいない。
降りていったところで、会えはしない。
かといって、任務を放棄するわけにもいかない……。
可能性が零でない限り。
スミソは何の反応も示さない。
しかし、彼の性格は知っている。
降りろと言えば、どんな逡巡も見せず、飛び降りていくだろう。
たとえ、再生されることのない死が待っているとしても。
「どうする? どこかに降りるか?」
セカセッカスキの声は、もう面白がってはいなかった。




