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57 飛ぶかどうか、俺が決める!

「それがカイラルーシきっての飛空艇乗りの仁義か!」


 食い下がるアビタット。

 スジーウォンも頼んでみる。

「お願いです。私たちをロア・サントノーレに連れて行ってください」


 が、老飛空艇乗りは、顔を上げようともしない。



 と、扉が開いた。

 予想通り、あの女、サブリナ。


 飛空艇乗りは、目に見えてますます嫌な顔をみせた。



「お揃いのようね」


 老飛空艇乗りは応じない。完全無視。



 アビタットが入ってきた女を睨みつけたが、サブリナは意に介せず、

「四人も乗客が集まったんだから、飛んでくれません?」と、穏やかに言った。


 沈黙が流れた。

 電力供給が安定しないのか、時折、照明が暗くなり、タブレットの像もぼやける。


 目を上げようとしない男を見つめながら、スジーウォンは、なんとしてでも飛んでもらわねば、と思った。

 そして、陸路も考慮しなければ、とも思った。


 アビタットが老人の白髪を睨みつけている。

 サブリアは壁にもたれて、男の声を待っている。

 

「いい加減にしろ! 飛ぶかどうか、俺が決める!」

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