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501 もう二度と頼るまい

 しかも、恐ろしいことに、強制死亡処置が始まっていました。

 いたるところにタールツー信奉者はいたのです。


 政府内は、表向きは平静を保っていましたが、実はガタガタの状態でした。

 アンドロ軍が徘徊し、どこにタールツー信奉者がいるやもしれず、政府は機能不全と言っていい状態でした。

 元々、政府内で働いている人の大多数はアンドロなのですから。



 もう、頼むところは騎士団しかない。

 しかし、騎士団はレイチェル個人の命令しか受け付けません。

 そういう部隊なのです。

 たとえ長官の命令であっても。


 いくら私が怒り狂おうとも、動かないものは動かないのです。

 それほど強いわけでもないのに。

 きつい言い方をすれば、お飾りのような存在なのに。



「ごめんね、ンドペキ」

 レイチェルが顔をあげた。


「そんなことがあって、私、彼らに愛想を尽かしていたの。うーん、なんだか、もう二度と頼るまい、という気がしてて」

「そうか……」


 まあ、いいさ、と言うしかない。


 ンドペキは思った。

 レイチェル指令の元、もっと早く騎士団と合流できておれば、状況は変わっていたかもしれない。


 しかし、何がどう変わったというのだろう。


 太陽フレアは襲来し、カルベスが起動され、市民は大挙してエリアREFの地下深くへ、そしてベータディメンジョンに避難した。

 このことは変わりようがなかったはず。


 ただ、ロクモンは。

 命を落とした十数名の隊員は。

 彼らは死なずに済んだかもしれない。

 しかし、「まあ、たいしたことはない」と、応えるしかなかった。



「ごめんでは、すまないよね」

「もう、気にするな」

「うん……」


 レイチェルの目に零れ落ちそうな涙が溜まっていた。


「先を続けるか? それとも」

「いいえ。続けさせて」

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