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495 罪、罪って言うなよ
「レイチェル。もう、今日はその辺でやめておこう。咳き込んでるじゃないか。声も枯れてるし」
「お気遣い、ありがとう。でも、やっぱりこの話は私がするべきだと思う。私の過ちだから」
「過ち? そうじゃないだろ。おまえはおまえなりの方法で、自分のしなくちゃいけないことをやろうとしただけじゃないか」
「ううん。だから、やっぱり私に話させて」
「次の機会にしよう」
「いいえ。これからもっと忙しくなる。私もみんなも」
「でも傷が痛いみたいだぞ、顔色、悪いし」
「こんな痛みなんて、私の罪の重さに比べたら、罰としては軽すぎる。だから、お願い」
「罪、罪って言うなよ」
「ンドペキが話すと、きっと私の汚い部分は飛ばしてしまうと思うから」
「だから、汚いなんて、自分で言うもんじゃない」
「お願い」
もはや止められないのだろう。
隊員たちは心配そうに見ているが、やはり真実を知りたいのだろう。
レイチェル自身の口から、みんなを騙していた、と今聞いたばかり。
次の機会に、では気が済むまい。
それに、レイチェル自身が話し始めた物語を、今さら自分が引き取れるものでもない。
「そんなに言うなら……」
レイチェルのかわいい唇から、ふっと小さな吐息が漏れた。
「ありがとう」
レイチェルが語り始めた。
そもそもの始まりから。
「私、実はお婆さん」




