491 どうしようもない違和感
ニューキーツの街を、アンドロのタールツーから奪還する。
レイチェルを亡き者にしようとした極悪人を成敗する。
その御旗の元に、俺達は戦っていた。
しかし、このどうしようもない違和感。
「本当は、俺はずっと悩んでいた」
とはいえ、レイチェルのシェルタ探しを理由に、時間稼ぎをしていたつもりはない。
これは勘違いしないで欲しい。
相手が見えない戦いほど、戦い難いものはない。
ハクシュウから預かった東部方面攻撃隊。
一人ひとりの命。
何としても守らねば。
そう考えていた。
だから、あの連中、ドトーを筆頭にするレイチェル騎士団と合流した時には、ほんと落胆したよ。
ドトーがあんなに頭の固い奴だったとは。
言い方は悪いが、立場を重んじるばかりに、大切なことが見えていない奴。
忠義の本質を考えず、保身を図ることのみに長けた奴。
俺はそう感じたね。
こんな連中との合流を画して、時間を空費した自分に腹を立てたね。
兵の問題じゃない。
きっと、ドトー個人の問題なんだろう。
そう思いたい。
「ところで、ヌヌロッチに聞いた話。芝生広場でカルベスの刃をチョットマから取り上げ、装置を起動させたのはキャリーだったという。前長官だ。そしてヌヌロッチはこうも言ったんだ」
元々タールツー軍なんていなかったんじゃないか。
それどころか、そもそもタールツーなんて、いなかったんじゃないか。
そしてもう一つの情報。
ライラとチョットマから聞いた話。
エリアREFのバー、ヘルシードのマスターが調べた情報。
タールツーというアンドロは実在した。
しかし、数年前に解体処理になっている。
記録の上では。
ちなみに、解体処理は廃棄処分と違って、重い罪を犯したアンドロに与えられる罰らしい。
なんとなくニュアンス、分かるよな。
ヌヌロッチもその記録にあたったのかもしれない。
だから、タールツーなど初めからいなかったのではないかと言い出したんだな。
「しかし俺は、違う、と思った。もしそうなら、辻褄が合わない」




