46 つい饒舌に
もう今、サブリナは惰性で喋っているような雰囲気だ。
それとも、何かを待っているのか、仕掛けようとしているのか。
彼女の黒い瞳の奥を覗いているだけでは、なにもわからない。
「それにしても、驚いた」
そんな言葉さえ、なんとなく、空々しい。
場繋ぎの話題が続く。
「というより、やっぱり、と言う方がいいかな」
「なにが?」
「あなた方も、セカセッカスキに頼みに行くんじゃないかなって、予想してたんだけど」
ならば、自分で頼み行けばよかったのでは。
今となっては、もうどうでもいいが。
「でも、よかった。あなた方がいてくれて、彼もやっとその気になってくれた」
反応のしようもなかった。
「なにしろニューキーツは、内戦中でしょ」
そのため、ニューキーツ行きの定期フライトは、数週間前から運休になっているという。
ニューキーツからの到着便は受け入れるが、出発はできない。
そんな規制がかかっていたらしい。
「そんなところに飛んでくれるのは、彼だけだから。ねえ」
と、サブリナが身を乗り出した。
「ニューキーツ、どんな様子?」
話すことはいくらでもあった。
腹の探り合いのような、それでいて何の意味もないような、気詰まりな空気から解放されて、スジーウォンはつい饒舌になった。
特に、ンドペキ隊がいかに街の正当な軍であるか、説明に困ることがなかった。
スミソの視線が、時に少し痛かった。
スジーウォンは、自分がなぜこうも東部方面攻撃隊のことを話したいのか、その理由はわかっていた。
「ニューキーツか。僕も仕事が済んだら、行ってみようかな」
アビタットが呟いた。




