45 東部方面攻撃隊が用意してくれた部屋
「ねえ、パパ、ちょっといい?」
「もちろん」
戦闘後の後片付けも、あらかた終わりつつある。
深夜にもかかわらず、エリアREFの住民達が集まっている。
今回の襲撃は少々大掛かりで、ゲートはかなり破壊されたが、エリア内への侵入は阻止していた。
「ここで話す? それとも場所、変える?」
「うん。パパの部屋で。じゃ、もう少し手伝ってくるから。後でね」
と、チョットマは瓦礫を運ぶ列に戻っていった。
イコマの部屋は狭い。まるで岩の隙間。
フライングアイの身で専用の部屋は必要ないが、ンドペキと同室というのも具合が悪い。
まだ誰にも、意識も過去も共有していることは話していない。
むしろ、話すときはきっと来ないだろう。
それを明かせば、チョットマは恥ずかしさのあまり、唇を噛むだろう。
恨まれるかもしれない。
なにしろチョットマは、ンドペキへのときめきをイコマに幾度となく告白していたのだから。
部屋の照明が点いたり消えたりしている。
最近、数分間、停電することもある。
エリアREFだからではなく、イコマの部屋だけが安普請でもない。
太陽フレアが極大期を迎え、送電網や通信に障害をもたらしているのだ。
ただ、今はまだ、被害は大きくない。
アギの意識が途切れることもない。
深刻に考えることはなかった。
東部方面攻撃隊が用意してくれたこの部屋。
世界中どこを探しても、リアルな部屋を持っているフライングアイは他にいないだろう。




