39 生贄を喰らう 時として笑う
プリブの元部屋の辺り。
人通りは以前同様、ほとんどない。
「ヘスティアーに保護されし孤児、生贄を喰らう」
「ラーに焼かれし茫茫なる粒砂、時として笑う」
二人でひとつずつ口に出してみる。
この二つの言葉を、ンドペキやコリネルスがひねくり回している。
孤児とは誰?
生贄とは?
砂が笑うって?
なんとなくではあるが、ラーに焼かれし茫茫なる粒砂というのは、つまり太陽に照りつけられた砂漠のことだろう。
となれば、これはニューキーツ西部に広がるエリアのどこかを指しているのではないか。
可能性として高いのは、光の柱の辺り。
とするなら、もうひとつのヘスティアーの方が、エリアREFに関しての言葉であると考えていいだろう、などと。
「炉か。火に関係しているんだな」
火の女神に守られた孤児が崇められていて、生贄を捧げられている、ということになる。
孤児というのは、単純に考えてレイチェルその人、だろうか。
レイチェルは孤児ではないが、それに近い境遇……。
いや、親子の関係などない今は、誰にでも当てはまるか……。
隊員たちは、普段、シェルタ探しをしているわけではない。
幹部の仕事だという意識がある。
それに、闇雲に入口を探し回っても見つかるものではないだろう。
暇つぶしの話題ではあっても、深く考えてみることはなかった。
シルバックとプリブは、ゴミ捨て場に差し掛かっていた。




