35 荒唐無稽すぎる
ンドペキはためらった。
ライラは信用できる。
チョットマの、そして隊にとってもいわば恩人。
しかし、この茫洋とした話は……。
アンドロ軍と対峙している自分達にとって、あまりに現実離れしている。
地球人類を滅亡から救うため……、などと。
どうかしてるんじゃないか……。
いかれた伝説に振り回されるほど、落ちぶれてはいないぞ……。
とはいえ、ンドペキは、まず、スゥにどう思うかと聞いた。
スゥとライラは同業者。あるいは子弟。隣同士に住む昵懇の中。
驚いたことに、スゥは、あるいはユウであるJP01は、地球が破滅する日が近いという点に関しては、その通りだと言ったのだった。
だからこそ、パリサイドは地球に帰還してきたんだから、とも。
地球が破滅、人類滅亡……。
荒唐無稽。
ンドペキには何の感慨も湧かなかったし、まともに受け取るつもりもなかった。
ただ、何らかの手は打っておくべきなのか。
これについて、スゥは明言しなかった。
ただ、市長はハクシュウには依頼してあったという。
これを聞き流すことはできなかった。
誰かをロア・サントノーレという街に向かわせるべきなのか……。
市長は今すぐにでも、と希望しているという。
ハクシュウに依頼し、改めて自分達に依頼してきたのなら、軍事的な要素があるということになる……。
スジーウォンとコリネルスとパキトポークとロクモンだけに図った。
話を聞いてすぐ、意外や、スジーウォンが名乗り出たのだった。
今すぐ、私が向かうと。
その剣を持ち帰り、あわよくばハクシュウと再会し、ここに戻ってきてもらう、と。
そしてスジーウォンは、供としてスミソを指名した。
隊員達に図りはしなかった。
チョットマの耳には入れられない。
これ以上、訳の分からぬ重荷を背負わせるわけにはいかない。
緑色の髪を持つ女性だからといって。
ただでさえ、レイチェルのクローンだったことで、彼女は傷ついたばかり。
しかも、クシの襲撃に頭を悩ませている最中。




