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30 無口なロクモン

 レイチェルの死後、ロクモンは人が変わったように、無口になった。

 政府建物に入ったこともないンドペキ達と違って、防衛軍将軍であったロクモンなら、何がしかの知識もあるだろうし、作戦のアイデアもあるだろう。


 しかし今日も、ロクモンは発言しようとしない。



 武者言葉を使う巨漢の強面。

 豪傑という言葉がふさわしい。

 そのくせ人懐こく、隊員を和ませる。

 元日本人なのだろう。

 その意味でも、ンドペキは親しみを持っていた。



 荒地軍として対峙していた時、こちらの呼びかけを無視し続けたロクモン。

 合流してきた当初こそ、苦々しく思ったものだが、今は、致し方なかったこと、と許せる気持ちがある。



 ピンクのハートマーク。

 レイチェルのサイン。

 それをあしらった旗指物。

 レイチェルの信奉者、ロクモン。



 この元防衛軍将軍の心中を考えると、失態をしでかしたンドペキとしては、この男の関わりの薄さを責めるわけにもいかなかった。

 コリネルスやパキトポークも、同じ思いなのだろう。

 ロクモンはしばらくそっとしておく、という暗黙の了解があった。

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