29 長官居住区は
「政府建物群はかなり複雑だ」
コリネルスは暇さえあれば、マップを眺め、頭に叩き込んでいる。
「何棟にも分かれているし、フロアによってもかなり違う」
「重要なことは、タールツーをどうやって長官居住区に押し込めたまま戦うかだ」
「うむ」
長官居住区は政府建物群の中央部。
比較的小さな五棟の建物が、中庭を取り囲んでいる。
それらの建物は地下でも繋がっており、他の建物群とも繋がっている。
タールツー軍がどこに集結しているのか分からないが、きっとその近辺だろう。
最も重要な点は、タールツー自身がどの建物で執務し、どの部屋で過ごしているのか。
これがわからない。
交戦しながら、どの部屋に突き進めばいいのか分からないのだった。
下手をすれば逃げられてしまう。
ンドペキ達はアンドロ達の住む次元、ベータディメンジョンまで追っていくことはできないのだ。
「タールツーがあっちの次元へ向かうルート。これは幾通りも考えられる」
次元のゲートは、政府建物群の最奥部に集中している。
長官居住区とそれらとの位置関係は、本来、万一の場合を考えて定められたのであろう。
「すべてのルートを押さえるのは難しい。遮断ラインも色々考えられるが、押さえるポイントの少ないパターンはこれだ」
コリネルスがマップの上に引いたラインを説明した。
作戦の大筋は、軍を二隊に分けることになる。
タールツーを捕捉する隊、長官居住区内で取り逃がした場合のもう一隊。
外側の網となる隊は、長官居住区に集結しているであろうタールツー軍をおびき出す役目も担うことになる。




