18 タールツーの使者
ホトキンの間からエリアREFに侵攻したとき、まだアンドロ軍の姿は少なかった。
住民らの抵抗があったからだろう。
いくつかの戦闘はあったものの、あっけなく勝利し、エリアを掌握したといえる。
その後、七度の攻撃を受けたが、いずれも散発的なものだった。
エリア内に踏み込まれることなく、蹴散らしている。
彼我ともに死傷者はない。
しかしいずれ、大規模な侵攻作戦が実施されるはずだ。これまでの攻撃は、そのときのための偵察行為とも取れた。
今回がそのときではないか、と常に考えていた。
コリネルスが、撃て!と号令を発するそのときだった。
敵がその場にぴたりと立ち止まった。
ん!
と、メッセージが流れた。
「我々は使者である!」
「油断するな!」
「我々はタールツー配下である!」
敵は銃口を下に向け、戦意がないことを示している。
装甲、装備共に統一され、最新鋭と思われるそれらが街灯の光にきらめいている。
どことなく、騎士を思わせる気品を醸し出していた。
「用件を聞こう!」
コリネルスがメッセージを返す。
「タールツーが直々に話す! ンドペキ隊長ないし代理の方が、タールツー居住区までお出向き願いたい!」
「なに!」
「期限は二十四時間以内。お越しになられたら、衛兵に声を掛けられよ!」
「行かぬといえば!」
「知らぬ! タールツーが決めること!」
そう告げると、三人は踵を返し、走り去っていった。
「ふざけたことを!」
暗い街路には、かすかな砂煙が舞い、静寂だけが残った。




