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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第227話:ただの窓ガラスのガンコな水垢落としとサッシの砂埃清掃と、幻惑の水晶迷宮の強制全自動広域採光・無限クリーン防犯インフラ化

第227話:ただの窓ガラスのガンコな水垢落としとサッシの砂埃清掃と、幻惑の水晶迷宮の強制全自動広域採光・無限クリーン防犯インフラ化(総合ライフサポート企業の窓回り・採光メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、吐く息が白く染まる冬の朝の空気の中で「冬場は窓の結露がひどくて困るな」「サッシにカビが生える前に拭き取らないと」「天気がいい日は窓を開けて空気を入れ替えたいものだ」などと、ごく一般的な田舎の冬の湿気対策について楽しげに語り合っている。

 世界中のありとあらゆる危険なダンジョンを「エアコン室外機の修理」や「生ゴミ処理機の清掃」、「お風呂のカビ取り」といった定期メンテナンス業務として処理し、次々と全自動クリーンインフラに改修してきたアルド。彼の手にかかれば、世界を滅ぼすスタンピードなど「生活インフラの掃除やメンテナンスをサボった結果の汚れや詰まり」に過ぎず、適度な間引きと清掃によって、資源を枯渇させることなく安全で快適な設備へとリメイクされてきた。

 今日もまた、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしく焼けた肉の脂の香りと、甘酸っぱくも濃厚なオレンジの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣鴨の極厚ロースト〜大精霊のオレンジを使った特製甘酸っぱい柑橘ソースと、焼きたて星屑のクロワッサンを添えて〜』だ! まずは、脂がたっぷり乗った幻獣鴨の胸肉に、神仙の粗塩と黒胡椒を擦り込み、皮目からじっくりとフライパンで焼き上げてパリッパリにする。そこから天界のオーブンで低温調理し、中は極上のロゼ色に仕上げるんだ。そのフライパンに残った鴨の旨味たっぷりの脂に、大精霊の森で採れた完熟オレンジの果汁と、少しの赤ワイン、そして天界のハチミツを加えて煮詰め、とろりとした極上オレンジソースを作る! これを厚切りにした鴨ローストにたっぷりとかける。その横で、神仙バターを何層にも折り込んでサクサクに焼き上げたクロワッサンと、幻獣カボチャの濃厚ポタージュを添える。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的なお肉と柑橘の香りを放つ特大の朝食プレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、結露対策の相談を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鴨の圧倒的な鉄分とビタミンが全身の魔力回路を限界突破させ、オレンジソースのクエン酸とポタージュのベータカロテンが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のフレンチブレックファスト』である。

「うむ……! この極厚の鴨肉をフォークで刺し、たっぷりのオレンジソースを絡めて口に運んだ瞬間に広がる、鴨の暴力的なまでの旨味とオレンジの爽やかな酸味のビッグバン! 噛むほどに溢れ出すロゼ色の肉汁が、ハチミツのコクと完璧に混ざり合う! すかさずサクサクのクロワッサンで皿に残ったソースを拭って頬張れば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! カボチャのポタージュの濃厚な甘みが胃袋を優しく包み込み、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の三ツ星フレンチレストランで至福の朝食を貪る大貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、ナイフとフォークを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の鴨ローストに感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ダージリンティーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座り、ふとリビングの大きな窓ガラスを眺めて首を傾げた。

「……ねえ。今朝からなんだけど、窓ガラスに『タチの悪いガンコな白い水垢と手垢』がビッシリこびりついてて、外の景色がモヤモヤして全然見えないんだよね。おまけにサッシの溝に泥や砂埃が詰まってて、窓を開けようとしても『ガリガリッ』って引っかかって動かない。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な光エネルギーと良質なガラス素材、そして広域の防犯結界を供給している『幻惑と結晶の水晶迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の水晶魔獣や幻惑鳥が異常繁殖して光の乱反射が飽和状態になり、窓ガラス(ダンジョン)がガンコな曇りと砂埃でビッシリ詰まって、幻惑暴走のスタンピード寸前になってるみたいだね。完全に定期的なガラスクリーナーでの窓拭きとサッシの掃き掃除をサボったせいで発生する、採光不良と結露トラブルだよ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「窓ガラスの水垢とサッシの砂埃詰まり」。それはすなわち、世界の光の秩序と結界を司る最重要ダンジョンの一つ『幻惑と結晶の水晶迷宮』が限界を迎え、無数のクリスタル魔獣と狂気の乱反射を率いて外の世界へ溢れ出し、大陸全土を幻覚と迷妄の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をガンコな水垢やサッシの詰まりの心配がない、いつでもピカピカで陽の光が差し込む極上の採光空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた水晶ダンジョンの光飽和と、スタンピードの危機……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険な幻惑汚染の震源地として警戒されているのが、その『幻惑と結晶の水晶迷宮』です。内部は完全に光・結晶属性の魔物が飽和状態にあり、いつ幻覚暴走のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な水晶魔法石や、都市を守る『防犯結界のコア』を提供する『重要な採光・防犯設備(資源)』でもあります。潰すわけにはいかないため、適正な光量と清潔さに調整する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「なるほど! やっぱりダンジョンは生活の一部インフラだから、完全に塞いじゃうとみんなの家が暗くなるし、防犯ガラスの素材も採れなくなっちゃうんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの窓回り清掃業者としての血を騒がせた。

「ガラスの表面にこびりついた水垢(魔物)を溶かして、ガンコなサッシの砂埃を綺麗に掃き出し、安全に光を取り込める状態を維持する。これが持続可能な採光管理の鉄則だよ! まずは専用の『事象透明化の神仙ガラスクリーナー』をシュッシュッ!と吹きかけて、曇りを根こそぎ浮かせる。それを『事象研磨の神仙スクイージー(水切りワイパー)』でキュッ、キュッ!と一滴の跡も残さず拭き取るんだ! さらに不要な魔物を間引きつつ、有用な水晶魔法石や高純度ガラス素材は『因果抽出のふるいネット』でしっかり回収。最後に曇ったコアを『最新式・自動調光機能付き神仙エコ二重窓チューナー』にリフォームして、物理的に二度と結露しない完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。サッシの溝にこびりついた鬱陶しい砂埃ども(水晶魔獣の群れ)の伐採と、レールの動きを塞いでいる無駄な結晶塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のサッシブラシとマイナスドライバーで一つ残さず掻き出し、完璧な『下地処理(サッシ掃除と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のサッシ用ブラシのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂う危険な幻惑の乱反射や結露の湿気(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・結露防止魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に窓拭きができるクリアな視界の環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、溶け落ちた水垢や飛び散る砂埃が、外の世界やご近所の洗濯物を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防汚・防砂飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 窓掃除は洗剤が垂れてくるし、脚立から落ちる危険があるから、しっかり防汚養生をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の幻惑光線と結晶片を完全に弾く特製窓清掃用・完全防護エプロンと滑り止め手袋、防眩サングラス)に着替え、手には巨大な「事象透明化の神仙ガラスクリーナー」と「神仙スクイージー」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対採光の神仙エコ二重窓チューナー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『窓回り・採光メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの採光不良とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な水垢と砂埃を間引いて、迷宮を優良なクリーン採光インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、窓清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力なガラスクリーナーと延長ポール搭載)に乗り込み、空間が目も眩むような乱反射と結晶で溢れかえっている次元の迷宮『幻惑と結晶の水晶迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『幻惑と結晶の水晶迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪なクリスタルゴーレムや幻惑鳥が異常繁殖し、空を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの鏡面地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の光エネルギーが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(幻惑暴走のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「キィィィィンッ!! 我ら結晶の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億ルクスの乱反射の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生命の目を眩ませ、この世界を我らの新たな万華鏡(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の結晶魔獣たちを統べる超巨大な『幻惑の水晶竜クリスタル・ドラゴン』が、傲慢な光の咆哮と共に猛烈なレーザーと幻影を乱射していた。

「さあ、煌めけ! 地上の脆弱な防犯結界など、我らの圧倒的な屈折率と硬度の前には一瞬で粉砕される! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 幻惑の水晶竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な閃光が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級のレーザーと結晶の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なガラスクリーナーとスクイージーを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな共鳴音を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 窓ガラスのガンコな水垢とサッシの砂埃詰まりさん(魔物たち)、定期窓拭きとレール掃除に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいガラス表面の曇りっぷりと、外にまで乱反射を撒き散らそうとしてるタチの悪い採光不良(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに手垢と砂を溜め込むなんて、窓回り管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にスクイージーでの水切りと、自動調光機能付きエコ二重窓へのリフォームのしがいがあるや!」

 アルドは、防眩サングラスをキュッと押し上げつつ、プロの窓清掃業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ水晶迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ閃光デ、一瞬ニシテ網膜ヲ焼キ尽クシテクレルワ!」

 幻惑の水晶竜が驚愕のレーザーブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、キラキラと眩しい結晶の地面へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいサッシに湧いた砂埃ども(魔獣の群れ)の伐採と、レールを塞いでいる無駄な結晶塊の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のサッシブラシで一つ残さず掻き出し、完璧な『下地処理(サッシ掃除と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ結晶軍勢ヲ『窓ガラスの水垢とサッシの砂埃』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ幻惑ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ迷宮ノ中ニ閉ジ込メテクレルワ!」

 水晶竜の怒号と共に、空間を覆うほどの目も眩む閃光と狂暴性を纏ったクリスタル魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かってガラスの津波のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、この水垢たち、すっごく硬くこびりついてて光を完全に乱反射しちゃってる! 放置してたら部屋の中が真っ暗になって気分も塞ぎ込んじゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で結晶化したタチの悪いガンコな窓ガラスの水垢と砂埃」と完全に認識し、神仙ガラスクリーナーのトリガーをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『窓回り設備の放置による曇りと採光不良被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は窓拭き業者として、こいつらを完璧に磨き上げて拭き取って、ピカピカのエコ二重窓にするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の窓拭き現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。飛び散る水垢や吹き飛ぶ砂埃が外の世界を汚染しないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防汚・防砂飛散防止シートを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防砂シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の窓清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死のレーザーやスタンピードの魔物は一粒の結晶たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな乱反射や結露の湿気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・結露防止処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力防曇魔法』が、超強力な乾燥した風とクリアな空気となって周囲の狂気の閃光を包み込み、一気に中和して一切の曇りがないクリアな空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を幻惑する猛毒の光線は、その浄化の防曇効果を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと剥がれやすい乾燥した汚れへと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの砂埃や結晶塊など、ただのサッシブラシのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に掻き出して窓の滑りを良くしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖結晶獣解体サッシ掃キ採光確保斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(レールの溝)」を完璧に見切り、まるでサッシの溝を専用のブラシでシャカシャカッ!と綺麗に掃き出し、窓の開閉を良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ結晶軍団ト絶対ノ幻惑暴走ガ、タダノ『結露防止魔法』ト『サッシ掃キ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ光量ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 幻惑の水晶竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に掃き出されて滑りが良くなった窓枠」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な砂埃の掃き出しは完璧だね! あとは、あの一番デカくて窓を曇らせている『ガンコな親玉(水晶竜とコア)』に、事象透明化の神仙ガラスクリーナーをシュッシュッ!と吹きかけて汚れを浮かす! そして、すかさず『事象研磨の神仙スクイージー』を上から下へキュッ、キュッ!と滑らせて、水垢を完全に拭き取る! その後、拭き取った魔物から因果抽出のふるいネットで有用な水晶魔法石や極上の防犯ガラス成分だけを綺麗に分別して回収する! 最後に絶対採光の神仙エコ二重窓チューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と結露しないように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象透明化の神仙ガラスクリーナー』と『神仙スクイージー』を水晶竜の巨大な本体(次元の幻惑暴走の中核)へと向けて構え、滑り止めシューズでガラスの破片を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙クリーナーは星の因果の曇りを物理的に溶解して透明な清潔さに整える絶対事象洗浄ツールであり、神仙スクイージーとエコ二重窓チューナーは大宇宙のいかなる次元の水晶迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを拭き取って必要な資源だけを抽出し、採光と結界効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な窓回り環境を取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ狂ワセル『終焉ノ絶対幻影アビス・ミラージュ』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ鏡ノ中ニ封ジ込メテクレルワ!」

 水晶竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒のレーザーの波を放ってきた。

「うわっ! 窓の奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な水垢の塊がせり出してきた! でも、この特製ガラスクリーナーとスクイージーの前には、どんなに凶暴な汚れも一発で綺麗に拭き取られて、ピカピカの透明ガラスになるんだ!」

 アルドが水晶竜の巨大な幻影(世界の幻惑暴走の中心)に向けて、事象透明化の神仙ガラスクリーナーを「シュッシュッ!!」と満遍なく吹き付ける。事象の幻惑暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的洗浄パワーによって面白いように曇りが浮き上がり、そこにアルドが神仙スクイージーを「キュッ、キュッ!」とリズミカルに滑らせると、強烈な乱反射を持っていたレーザーは瞬く間に一滴の水跡も残さず拭き取られ、心地よい摩擦音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の閃光も、神仙の清掃力の前にはただの拭き取られる窓の汚れとなって分解され、水晶竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な特注の一枚ガラスのような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて拭き取られた魔物の残骸から、有用な極上の水晶魔法石や強靭な防犯ガラスの素材だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、収穫用コンテナへと次々に回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対採光の神仙エコ二重窓チューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動調光・快適採光・防結露モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に曇りがこびりつかない、最新式自動調光ペアガラスのように管理されたクリーン採光インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒レーザーガ、タダノクリーナーデ浮カサレ、スクイージーデキュッキュッ!ト拭キ取ラレ、エコ二重窓チューナーデ一ミリモ残ラズ採光不良ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな窓の水垢とサッシの詰まりは完全に取れて光の入りが良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な窓回り設備になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域採光&無限クリーン防犯システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に窓拭きしてチューナーをつけたら、凄く強力で絶対に幻惑を溢れさせず、定期的に水晶魔法石や極上の光をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域採光・無限クリーン防犯インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な幻惑暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな自然光と無限の鉄壁の防犯結界だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域採光&無限クリーン防犯インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動防曇・超エコ採光・鉄壁結界モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰光量の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな採光エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ幻惑ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ光ト結界オ供給スル為ノ最新ノ自動調光機能付キ・エコ二重窓】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ窓回り供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ狂ワセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ陽光ト極上ノ安心オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン窓ガラス」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした水晶迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「窓ガラスのガンコな水垢落としとサッシの砂埃清掃作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を幻惑させる禍々しい狂気の光は、気がつけば「世界の採光・防犯結界を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな乱反射の暴走も一瞬で無害化し、極上の水晶と自然光を24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域採光・無限クリーン防犯インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式ペアガラスと強靭なサッシ枠)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードと採光不良のリスクは片付いて、すっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな採光施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の幻惑暴走や結露を気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で明るい日差しを浴びられるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカの窓を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがスクイージーを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い幻影は一瞬にして晴れ渡り、防砂飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式窓回り設備と、澄み切った清らかな陽の光が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域採光・クリーン防犯システムは、これより大陸全土の迷宮維持・結界管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。水晶迷宮からの定期セキュリティ料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、幻覚に惑わされながら潜ってた水晶ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人セキュリティ会社の太陽光パネルみたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな幻惑の魔物やガンコな砂埃の兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な汚れごとサッシブラシで掃き出し』てやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・窓回りインフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。水晶迷宮のスタンピード危機を「窓の水垢落としとサッシ清掃」として処理。全自動採光・防犯インフラ化完了。異常なし。以上。』

 ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす水晶迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「部屋が暗くなったための定期的な窓拭き」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、水晶迷宮すらもピカピカの最新式ペアガラスの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、窓掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、ピカピカになった窓から差し込む光みたいにキラキラ輝く『特製・大精霊の宝石フルーツたっぷり・極上クリスタルゼリー〜星屑のミントシロップを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるゼリーは、ことのほかフルーツの瑞々しさとシロップの爽やかさが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの窓ガラスのガンコな水垢落としとサッシの砂埃清掃作業」は、世界滅亡の幻惑スタンピードの危機をただの窓回りメンテナンスとして解決し、迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域採光・無限クリーン防犯インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

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