第19話 巨象の戦闘
少し短めだけど
改稿による加筆はまだまだ続く。
「さぁ、もう一度、アタックだ。」
「始まりはやっぱり、私だよね。『組換技能:速撃弓×剛撃弓』!」
湊の合図と共に未来は、ボスの目を狙い撃ちにする。硬い瞼の瞬きさえ許さない、超速の一線は的確に片目をえぐる。
「・・・『契約:閉』。・・・『融合召喚』『契約:開』。トリスウィー。」
「『段打撃』!」
舞が武獣器を解除して、ウィー3体を融合して通常時で3mはありそうな大きなガルーダが現れて、美穂をボスの頭上に一気に連れていく。そして、美穂は落下エネルギーそのままで背骨に沿う様に多段攻撃を繰り出す。
パおぉぉぉぉん!!!!!
ボスは気にもせず、暴れ出そうとすると、両足の肩に鎖と太い木の根が巻き付く。
「『創世回帰』『錬成:硬化鎖分銅』、暴れてもらっては困る。」
「そういうことです。・・・・・大地に囚われよ『大樹の拘束』!詩乃さん。」
「分かりました、『下剋上』!」
湊と凛が素早く拘束するうちに、詩乃は一気にガラ空きの腹部に一気に詰め寄り、突撃の威力そのままに剣を差し込む。血は少ないものの深々と腹部に剣が刺さる。
全員が手にしたレガリア『下剋上』は、一時的に身体強化の魔法を超強化する代わりに、効果時間経過後は身体強化の魔法が一時的に使用不可になるデメリットはあるものの、剣系統のスキルがなくとも、効果力を出すことができる。
「よし、一気に畳みかける。美穂、未来も『下剋上』を使っていいから、ダメージを加えてくれ、俺、凛、舞は3人の効果切れ時の対応を準備する。」
「分かりました。」「・・・分かった。」
「一気に行くよ、『下剋上』『組換技能:剛撃弓×貫通弓×衝撃弓』!」
「『下剋上』!ぶっ飛びなさい、『波撃』!」
湊、凛、舞が距離を保つと同時に美穂は距離を詰め、ボスに突貫。蹴りを体勢を崩すボスの肩に加えると、空気まで震えそうな大きな振動がボスの肉体に響く。
ッパおぉぉぉぉん!!!!
そして、そこに未来の放った矢も足を貫く。亜音速の一撃に近い速度を出しており、初めてボスの肉体を貫く。
足を貫かれたボスは、それでも鼻による殴打を美穂に加えようとするが詩乃と土の壁が間に割って入る。
「美穂ちゃんには、私のアポを取ってください。」
「お姉、そのまま!『蓄積』!」
鼻を受け止めた詩乃の後ろから、美穂は鼻に飛び乗り、眉間に殴打を繰り返す。打ち込むたびに威力は増し、蹴り殴りと一点に集中的に打ち込み続ける。
「まだまだ!」
「こっちも『連撃弓』!」
美穂の猛攻と未来の波状攻撃を受けまくり、ボスは最初が嘘のように傷を追い始める。しかし、尚倒れることはなく、耐え忍ぶように地道な応戦を繰り返す。
「やばいです!」
今まで、土の壁ありきの防御をしていた盾が大破、それと同時に、詩乃の動きにキレがなくなりました。『下剋上』の効果終了。
ボスはそこを見逃さず、鼻による殴打を加えようとしたが、間に入る湊に受け流されてしまう。
「もうそれは見切った!『創世回帰』『応用錬成:金剛硬化剣』『下剋上』。」
他にも、美穂はトリスウィーに回収され、未来も凛の近くに来ている。3人とも『下剋上』の効果が切れてしまったのだ。
ボスは割って入った湊に攻撃を加えるが、湊はそれを躱し、あるいは受け流しながら距離を詰める。新しく錬成した剣も合わせた二刀流で一気に詰め寄る。
「3人の戦闘を見て、お前の動きはよく見れた。予備動作、攻撃時の筋肉の硬直具合、無意識的攻撃のリズム、それが分かれば。」
湊は一気に足元に移動すると踏み攻撃の予備動作もさせずに腹部に大きく切り上げる。深々と刺さることもなく分厚い皮も脂肪も切り裂く。
「片は付く。さぁ、死ぬ気で来い!ここからは締めの作業だ!」
「・・・トリスウィー。」
舞や凛のサポートの上で、ボスに予備動作も満足にさせずに湊は、連撃を繰り返す。苦し紛れの攻撃も既に躱した後であったり、受け流されてしまい。満足に当たらない。
湊はあえて、予備動作の方を封じているのだ。まともに正面からの攻撃は、初手の時の様に相手に決死さのない状態でしか受け流せないのである。
「だが、まともに予備動作もとれてない攻撃なら、俺の力でも受け流せる。」
「いや、それでも湊だと一撃貰えば致命的なのは変わりないんだから、その状況に飛び込める湊は異常よ。」
「少しバトルジャンキー的な思想なのだ。」
「効率バカな少年かと思ったが、それ以上に怖いもの知らずな少年だぜ。」
「ニシシ。凛ちゃんや舞ちゃんとの組み合わせだからできる、超立体的戦闘。」
「はい↑やっていることは異常者ですが、見ている僕らは最高に楽しいですね。」
「はぁ、異様な観察能力のなせる業、はぁ。」
湊の戦闘を神々は、まさに観客として観察者として楽しむ。
パおぉぉぉぉん!!!!!!!!!
ふらつく足に力を込めて、ボスはこの戦闘で一番の踏みつけによる衝撃をしようと傷覚悟で予備動作に入った。
「そろそろお開きか。こっちも『下剋上』が切れそうだ。その攻撃はさせない!『弱点看破』『疾走』『瞬動』!」
この瞬間の一番の弱点を確認して、一瞬で距離を詰めて切りつける。『下剋上』にて高められた身体能力に、『疾走』、『瞬動』による移動補助を合わせることで音速の1割、人間が動きを視認できるギリギリの速度からの一閃。
「あのときの・・・。」
アリスが思い浮かべたのは、湊がこの世界に来てまだすぐのころの本人も再現不可能といった魔物との戦闘時に見せた、神業の一閃。
それと同等以上の完成度、速度による神業の一閃。それは、見ている者全員が吸い込まれるような幕引きである。
そうして、各々が自身の職にも慣れ、エリアボスとの戦闘で連携を意識したのであった。因みに、簡単に連携の形を纏めると、
湊×凛や舞×美穂、湊×未来×詩乃など
「やはり、湊さんと舞さんは多くの役割を熟せますね。」
「私は、守りの役目に偏りますね。」
「お姉はしょうがないでしょ。私も役割は攻撃に偏るし。」
「私と凛も攻撃と補助しか役割熟せそうにないよね。」
湊や舞と違い、得意不得意による役割の偏りはしょうがないとはいえ、このパーティーは全体的に多目的な役割分担が全員出来ていると全員の会話を他所に神々は思うのであった。
「正直、俺は決定力に欠けることや安定性に欠けることがあるが、無難に何でもこなせるように鍛錬しているからな。」
「・・・バカの真似してた。」
「ニシシ。舞ちゃんはこの中で一番、少年に毒されている。」
「・・・。」
テミスの言葉が気に食わなかったのか、舞はテミスを少しにらむ。仲良くなったり、湊と同じように動いている自覚があるが、湊のようにはなりたくないのだろう。
391日
イリアたちに早朝に許可を取り、その足で湖北部に浮かぶティラノサウルスのエリアボスのいる島に向かう。
「うぅ、ここまで来るとやっぱり少し冷えるね。」
「私たちは初めてですが、未来さん達はこっちに来たことあるんでしたね。」
「うん。銀世界でとても奇麗なんだよ。まぁ、湊が先を急ぐし、魔物は多いしで全然鑑賞出来なかったけど。」
そんな軽口を言う間に、東京ドーム程に大きく雪の散る森をくり抜かれた様な場所の真ん中に水晶のような鱗や体毛のティラノサウルスが寝ているのが見える。
「さて、作戦会議に移ろうか。」
雪のパラパラ降る中、昇格後の肩慣らし最後の戦闘に向けた作戦会議が始まった
いつもはYouTubeで活動してます。
平日夜には作品の制作配信してますので観に来てください
https://www.youtube.com/channel/UC3wzuZXPJ0Izmji-vlTWgdg




