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剣杖の女帝は転生したらやりたいことをやりたい  作者: 玉白美琴
剣杖の姫の帰還
20/23

裸体の集団と、必死のチビエマ士族救出作戦!!

「ウーロン、貴方……私達に黙っていましたわね?」


「人には秘密が一つや二つはあるさ。逆に秘密がない方が不思議だと思わないかい?」


マリワナに小柄な青年ウーロンは答える。



人間の姿となったディーヴァの聖歌魔法が周囲に響き渡る。


聖歌魔法は種族によって薬にも毒にもなる。


ロイス率いる大勇者メンバーや、クラノス率いる光同盟達は魔力と体力が回復した。


ただし……


「ふざけんじゃねぇぞ!?コノヤロウ!!」


「げっそり魔力と体力削りやがって!!」


凄まじい形相で叫ぶのはカインとラーティス。


先程の聖歌魔法でカイン率いる大魔王メンバーや、ラーティス、トゥーリは勿論、エリス率いる闇同盟は大幅に魔力と体力を削られてしまったからだ。


「申し訳ありません」


苦笑してディーヴァは謝る。


「仕方無いですね。今度は私が……」


クロードの魔術が周囲に拡がり、カイン達の体力や魔力が回復した。


「……ちょっと!?」


「キシーキシー!!」


今度は体力と魔力を削られたロイスとクラノスが怒る。


「……先にてめえらが喧嘩売って来やがったんだろ!?」


「……だからってやり返すとか……ふふ、カインは相変わらず器が小さいんだね?」


カインが目を細めると、ロイスが嘲笑うように言う。


「上等だコラァ!!決着付けてやんよ!!」


「せいぜい意気がっていれば?一瞬で灰にして上げるからさ!!」


激怒したカインが詰め寄り、ロイスも、笑みを浮かべながらも怒っているのか少し口調が洗い。


「キッキシ!?」


「ケビ!!ケビ!!」


詰まってるクラノスと、ケビトのエリスがオロオロしながら二人を見回す。


その瞬間、暴風が吹き荒れてカインとロイスの頬を傷付ける。


「ふふ、こっちは魔力領域を展開しているのですよ。カイン様とロイス様の御二人が兄弟仲も悪い事は……勿論魔王陛下と聖王陛下より聞いております。

……ですが、時と場合を考えて欲しいですね」


背筋が寒くなる程、冷たい殺気を放ち、トゥーリは優しく微笑む。


ロイスとカインは、まるでロボットのような動きでトゥーリに振り返った。


単純な強さなら、二人の方が遥かに上だ。だが、本能で二人はトゥーリに危機感を募らせる。


「……次は首を跳ねますよ?御二人とも、中々再生が出来ない首は嫌でしょう?……でしたら、真面目にやって下さると嬉しいです」


トゥーリは目を細めて二人に忠告した。


……こいつに逆らったら……とてもヤバいね!!


カインとロイス、仲悪い双子の兄弟はこの時初めて以心伝心した。


「そっそうだよな!?何とかチビエマ助けないといけねぇよな!?」


「さあ、早く助けないとね!!」


冷や汗混じりにカインとロイスは言うと離れて取り掛かる。


「……トゥーリ、馬鹿手懐けるの慣れてねぇか?」


ジト目をしてラーティスはトゥーリに聞く。


「えぇ、幼馴染みの三兄弟が居るんですよ。一番上の長男は大人しくて真面目だったのですが、一つ違いの次男と三男が仲悪くて喧嘩ばかり……それをいつも私が物理で仲裁していたんです」


非常に清々しい笑顔でトゥーリは答えた。


……トゥーリ……マジで怖ぇ……文系と見せ掛けて脳筋系かよ!?


思わずラーティスは涙目になって青ざめる。


「……ニャ!!」


何故か、クラノスと一緒に詰まってるネコビトのニケがビクビクと毛並みを逆立てた。


「どうしたキシ?」


「なっ何でもないニャ!!」


クラノスに聞かれてニケは慌て答えた。


『いいかニャ?ニケ、絶対に軍師のトゥーリを怒らせたら駄目ニャよ』


ニケの脳裏に、遠き幸せな時代の亡き父の言葉が過る。


本を読んでる父の前で、弟達二人が側近にボコられていたと聞かされていたのだ。


「幸い、チビエマ達は固まって詰まってます。この聖魔道具のロープと、闇魔道具のロープをそれぞれ、光同盟と闇同盟のチビエマの身体に括り付けてください」


異空間から白いロープと、黒いロープを取り出すと、トゥーリはカインとロイス達に指示をする。


……あのロープは……!?


……何故あいつが……!?


クラノスとエリスはロープを見て驚く。


そのロープは、亡き二人の父達が命綱として考案し作った道具だった。


あれから月日が経っているに関わらず、目の前のロープは真新しかった。


「こうか?」


「こっちも結べたよ」


カインとロイスはチビエマ士族のお腹にロープを結ぶ。


「あとは……姫の身内である御二人と、他に近しい身内の方が居れば異空間にも干渉できる筈ですよ」


「……こう……かな?」


「おっ……少し広くなったか?」


トゥーリの言う通り、早速カインとロイスは異空間に座って干渉すると、手応えがあって目を丸くする。


シェレスティアナを抱っこするノヴァ以外、他の皆はロープを掴んでいた。


「ん?……異空間からも誰か干渉してる?……この魔力は……」


「……ギャル?初代様?」


ロイスが気付くと、詰まっていたチビエマの一匹、リュウビトの紅華が誰か分かった。


「はぁ?……何なんだよ……一体どうなっていやがる!?この魔力はウーロンの……」


カインは直ぐに気付いて目を見開く。


……本当は隠したかったけど……今は……使うニャ!!


「……ニャ、」


ニケは悩んだ後、ネコミミと尻尾に力を入れ、両手を異空間に干渉させる。


「ニケっ!?……初代様も異空間の中で可能なら……私も……!!」


ニケを見てびっくりした紅華も、気合いと共に異空間に干渉する。


「……どういう事だ……こりゃ?……どうしてネコビトのニケと、リュウビトの紅華が干渉していやがる!?」


その様子を見てカインは更に驚愕するが……


「カイン、今はチビエマ士族を引っ張り出そう。……恐らくあの子はマテリシアの前に転生していたんだ」


ロイスは表情を引き締めたままカインに言うと、異空間への干渉を継続する。


「……くそっ!!何であいつが!!」


カインは悲痛な表情で叫び、干渉に集中した。


サイラスとして死んだ後、何度か転生していたこと。


だが、マテリシアとして会ったのがサイラス亡き後の再会で、他の転生した姿とは会ったことが無く今まで分からなかったのだ。


「引っ張れ!!」


「せーの!!」


カインとロイスが先頭でロープを引っ張る。


皆も力を入れてロープを綱引きのように引っ張った。


スポポッーンと、クラノスやエリス達が異空間から抜けて転がり出る。


チビエマ士族、救出作戦成功の瞬間だった。


「僕やニケ、そして僕の子孫の紅華との関係はいずれ分かるさ」


干渉をやめると、ウーロンは笑って答えた。


「……」


マリワナは目を細めて黙り込む。


「全ての因果は巡る……か」


セシリアは愛しいマリワナの肩に手を乗せ、虚空を見据えるように目を細める。

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